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ブランディングの手法とは?事例から学ぶ企業・会社が成功させるための方法

2019.12.26

#スペシャルコンテンツ

ブランディングは、お客様から自社商品を選んでいただくための1つの戦略です。ブランディングがうまくいくと、「このブランドだから」「この会社だから」という他には代えられない理由で選ばれるようになります。

 

多種多様な商品やサービスが溢れる時代に、価格競争に巻き込まれず安定的な売り上げを確保するためにも、ブランディングの手法を学び「ブランド力」という強靭な武器を手に入れましょう。

ブランドの役割

ブランドとは、突き詰めれば他と区別するための要素です。「ユーザーが抱く共通のイメージ」であり「実態のない価値」でもあります。企業とユーザー、それぞれの立場から見ると、次のようになります。

 

【企業にとってのブランドの役割】

 

●出所表示機能・・・製造者、提供者を識別させる
●品質保証機能・・・消費者が品質を評価するよりどころとなる
●宣伝広告機能・・・ユーザーに認知されやすくする

 

【ユーザーにとってのブランドの役割】

 

●品質保証機能・・・ユーザーが製造者や品質を確認できる
●識別機能・・・購買を決める上で決定しやすくする
●意味づけ機能・・・ユーザーの自己表現と一致する連想を意味づける

ブランディングの手法

ブランディングとはブランドを顧客に認識してもらうための活動を総称するものですが、いざブランディングに着手するにあたり、実際にはどのように進めれば良いのでしょうか。その手順を追っていきましょう。

 

1.ブランドの方向性の決定
2.ブランドコンセプトの決定
3.アウトプットの実施
4.認知度の検証

ブランドの方向性を決定する

まずはブランドビジョンとして、ブランドの目指す方向性を決定します。

 

ブランドの方向性は、目指す理想の未来像、何を究極の価値とするかを考えることで決まってくるものです。つまり、どんな人にどんな商品やサービスを提供し、どうなってもらうことが最高の価値となるのかを明確にすることです。

 

結果、他にはないそのブランドだけの世界観を持つことになり、それを元に、ブランドコンセプトへとさらに落とし込んでいきます。

組織でブランディングの必要性を共有

ブランディングに企業として取り組む場合、組織としてブランディングの必要性やメリットを共有することが成功の基盤となります。経営者やブランディングに関係する部門、ブランディングを直接進めるチームメンバー全員が、何のために、何を目指してブランディングに取り組むかを明確に理解できていなければ、成功はおぼつかないでしょう。

 

ブランディングとは、顧客との長期的な関係を構築することであり、ユーザーエクスペリエンスを常に意識する必要があります。後々になって方向性や施策についてもブレが生じないよう、最初にしっかり足元を固めてスタートしてください。

環境分析を行う

ブランドの方向性を決定する上では、市場や消費者の嗜好の変化、業界構造など環境をキャッチアップすることも重要です。そのための環境分析フレームワークとして使われるものに、PEST分析やファイブフォース分析、3C分析などがあります。

 

PEST分析とは、政治的要因、経済的要因、社会的要因、技術的要因の4つの切り口で世の中の流れを理解しようとするものです。

 

ファイブフォースは買い手の交渉力、売り手の交渉力、業界内の競争、新規参入の脅威、代替品の脅威という5つの力からその業界の魅力や力学を分析します。

 

3C分析はCustomer(顧客のニーズ)、Competitor(競合の強み弱み)、 Company(自社の強み弱み)の3つの要素から成功要因を発見しようとするものです。

ブランドコンセプトを決定する

ブランドの方向性に沿って、どの層をターゲットとするのか、どんなイメージを持ってもらいたいか、どんな価値を提供したいか、ということをさらに明確にしていきます。そして、そのブランドが目指す価値や強み、武器になるものを明らかにし、明確に伝える言葉を選定します。

 

これはブランドコンセプトを言語化する作業と同義です。コンセプトに沿ったキーワード候補をたくさん出し、その中から最も端的にブランドの特徴が伝わる形を目指しましょう。

ブランドアイデンティティを設定

自社のブランドを他社商品と差別化し、勝負できるポジションを見つけて、ブランドアイデンティティを設定していきます。

 

ブランドアイデンティティとは、簡単にいうと「顧客や消費者からこう思ってもらいたい」という商品やサービスの旗印となるもので、ブランド名だけで消費者が共通の具体的なイメージを持てるようになることが理想です。

 

さらに、愛着や親近感が感じられるもの、どんな価値を提供してくれるのかが伝わるものなど、そのブランドの個性を生かしたアイデンティティを設定しましょう。

ブランドの価値を設定

ブランド提供価値とは、ユーザーがブランドから感じる喜びのことです。その喜びの度合いを高めることができれば、さらにユーザーはそのブランドに対して愛着や思い入れを持つことになります。

 

ユーザーに提供するブランドの価値には、さまざまなものがあります。

 

【ブランドの提供価値】

 

● ブランドの「実利価値」・・・品質や性能、ユーザビリティがもたらす喜び
● ブランドの「感性価値」・・・デザインやブランドイメージなどがもたらす喜び
● ブランドの「情緒価値」・・・使用実感や体験などがもたらす喜び
● ブランドの「共鳴価値」・・・自己表現や社会実現がもたらす喜び

アウトプットの実施

ブランディング作業が進行したら、次はブランドをどう発信していくか、を決定する段階に入ります。

 

その際には、ターゲットとする消費者が認識できるブランド名やキャッチコピー、写真やロゴデザインといった、主に視覚情報に訴えることが可能な要素が必要となります。ターゲットに対して、そのブランドの世界観が的確に伝わるものを目指しましょう。

 

また、Webサイトや動画など、どのようなメディアを用いて展開するのかも重要な要素となります。

ブランド名・ロゴの作成

視覚的要素として、特にユーザーの記憶と直結するのがブランド名とロゴマークです。広告やプロモーションの効果を最大限に発揮するためにも、ブランド価値を上げるためにも重要なものとなります。

 

ブランド名はわかりやすく、かつ、ありふれた名前でないこと、好感を抱かれるものにしましょう。ロゴについては、さまざまな媒体やあらゆる場所で使われることを想定し、縮小拡大しても認識しやすいデザインであることが大切です。また、そのブランドが持つストーリーや価値観、コンセプトなどが想像できるもの、それらと違和感のないものであることもポイントになります。

ブランディングでのタッチポイント

タッチポイントとは、アプローチしたい消費者・顧客との接点をいいます。アウトプット=タッチポイントとなり、タッチポイントに一貫性がないと、消費者に伝えたいメッセージが正しく伝わらず、ブランディングの失敗にもつながります。

 

ターゲットに対し、「独自のブランドらしさ」を正確に、より魅力的に、繰り返し伝えることができれば、大きなブランディング効果が期待できます。

 

【タッチポイントの例】
●ブランド名
●ブランドロゴ
●ブランドカラー
●キャッチコピー
●TVやチラシなどの広告
●雑誌
●Webサイト
●商品の外観、パッケージなど

認知度を検証する

ブランドは、消費者・顧客が共感したり、何らかの魅力を感じたりして、認知をされることで形づくられるものです。そこで、タッチポイントを活用してプロモーション施策を講じながら、ある一定の期間が経過したところで、認知度を検証する必要があります。

 

その方法としては、マーケティングリサーチ会社によるアンケート調査をはじめ、Web広告を目にしたユーザー数=インプレッション数やクリック率(CTR)なども指標となります。

 

また、どのような経路でそのブランドを認識したかといった情報の把握も重要です。さらに、ブランドが認知されるまでに数年かかるようなケースもあれば、短期間で成果が出る場合もあり、必要な検証期間はさまざまです。

 

調査指標を元に、ターゲット層の認知度が高まるようプロジェクトのPDCAや広告手段、媒体の見直しなども検討しましょう。

 

ブランディング手法を具体的事例から解説

 

実際に企業や組織はどのようにブランディングに成功したのか、具体的に見ていきましょう。

 

ブランディングと一口に言っても商品やサービスだけではありません。ここでは、企業ブランディング、商品ブランディング、リブランディングの事例を紹介し、その成功のポイントを確認していきます。

ヤンマーの企業ブランディング事例

1912年に大阪で山岡発動機工作所として誕生し、1933年に世界初の小型横型水冷ディーゼルエンジンを完成。そして、農業機械の開発に力を入れてきたヤンマーが、次の100年に向けて2014年に立ち上げたのが「ヤンマープレミアムブランドプロジェクト」です。

 

ビジュアルアイデンティティは大胆に洗練されたものとなり、コーポレートカラーの赤の強さも最大限に発揮。さらに、企業ブランディングを商品ブランディングに落とし込み、主要商品のデザインも一気にブラッシュアップされました。

 

新たなブランドステートメントを伝える広告を集中的に展開し、浸透を図った結果、巷の驚きと好感を呼びました。「ブランドアイデンティティ」「ビジュアルアイデンティティ」「商品ブランディング」を徹底して一貫させることで企業ブランディングを成功させた好例です。

ユニリーバ「Dove(ダヴ)」商品ブランディング事例

「ダヴ」は1957年にアメリカで誕生した石鹼のブランドで、それまで汚れを落とすことが目的であった石鹼に潤いを与えるという機能を付加することで新たな価値を与え、人気を獲得していった商品です。

 

ダヴのブランドアイデンティティである「自分らしい美しさを肯定する」=「セルフエスティーム(自己肯定)」は、既成概念にとらわれない「本当の美」を知ってもらいたい、というもの。その裏付けとして、2010年の独自の世界的な調査によって「自分を美しいと思っているのは、世界中の女性のわずか4%に過ぎない」ことを明らかにしています。

 

こうしたブランドメッセージは世界中の女性たちから強い共感と支持を得て、ブランドに対する信頼感や感情移入を形づくるのに成功しています。

マツダのリブランディングの事例

1920年に創立され、日本国内では第4位の自動車メーカーのマツダ。独自の優れたロータリーエンジン技術を持ち、世界的に有名な24時間耐久レース「ル・マン」の優勝という輝かしい歴史も持つ会社です。

 

しかし、バブル崩壊後の不況時にとった値引き戦略が市場に悪循環を生み、自らブランド価値の低下を招き、抜本的なリブランディングに挑むことになりました。

 

ターゲットを大幅に絞り込み、100人の内2人の人からは「絶対にマツダでなければ嫌」と言われる車を作る、という他社との差別化戦略を打ち出しました。その時のブランドアイデンティティが「Be a driver」で、「人生のドライバーを応援」する意味を込め、「人」にフォーカスしたのです。

 

さらに、「デザインによるブランド感性価値」を明確にし、誰もが一目置く高いデザイン性の車を次々と発表。独自のブランドポジショニングを再び確立することに成功しました。

インナーブランディングとは

近年では、ブランディング戦略を消費者に向けてのみならず、社内向けに行う「インナーブランディング」を重要視する企業が増えてきています。

 

インナーブランディングとは、企業理念やビジョンなど目に見えない概念や価値を社員に理解してもらう活動のことで、企業ブランディングを成功させるためにも、社員の質の向上にも非常に重要な取り組みと考えられるようになってきました。

インナーブランディングが必要な理由

インナーブランディングが必要とされる理由は、社員一人一人の行動や顧客に対する対応が企業のブランドイメージに与える影響が大きくなってきた、と認識されているからです。

 

消費者や顧客に企業ブランドを必死にアピールしても、肝心の接客やサービスを担当する社員がブランドを理解せず、かけ離れた対応をしていては顧客の心をつかむことはできません。また、社員教育も重要ですが、正当な評価や報酬制度、労働環境整備や福利厚生の充実なども必要です。

【インナーブランディングによって期待できる効果】

●社員の顧客志向の向上
●仕事への誇りとモチベーション向上
●社員の満足度向上と愛社精神の育成
●顧客満足度の向上
●社員によるブランド価値の発信
●社員の意思の共有・一元化

インナーブランディングの手法

では、インナーブランディングの取り組みとはどのようなものがあるのか、例を紹介します

 

【社員向けに企業情報のサイトを作る】
会社の理念、歴史を説明するコンテンツと共に、福利厚生関連の情報など身近に役立つ情報も掲載して、アクセスを増やす工夫も必要です。

 

【社内アンケートの実施】
社員からの声を広く集められるよう答えやすい質問(選択式にするなど)にし、2~3分程度で回答できるようなものにします。

 

【会社に愛着をもってもらうためのオリジナルポスターを作る】
会社の理念やブランドについてなど、社員に知ってもらいたいことを話題のキャラクターなどを使って訴求します。

 

【企業ブランドをまとめた本や動画を作る】
社員に興味を持って見てもらえるように手作り感のあるものも良いですし、外部発注する場合は制作の目的をしっかり伝えます。

インナーブランディングの事例

 

世界的なコーヒーチェーンのスターバックスは、従業員満足度の向上を顧客満足度の向上よりも大切にしているといわれるほど、従業員の労働環境を重視していることでも有名です。

 

店舗での仕事は一人が幅広い業務を担当し、単調にならず業務に飽きが来ない工夫がされています。また、新商品のキャッチトークやディスプレイなども店舗従業員のアイデアが活かされることで、店舗への貢献度を実感できるようです。さらに、年間80時間の研修など人材育成に力を入れ、マニュアルよりも自主的に顧客満足のために行動することが求められるので、従業員の主体性が育まれます。

 

そのほかにも、週20時間以上働くパートさん含め、全社員に健康保険とストックオプションを付与し、雇用形態に関わらず従業員の企業へのエンゲージメントを高める工夫と努力が見て取れます。

ブランディングとマーケティングの違い

最後に、ブランディングとマーケティングの違いについて確認しておきましょう。ブランディングとマーケティングは似て非なるものですが、何となくはわかっているけれど説明できない、という人も多いものです。

 

消費者の心にイメージとして蓄積される心理的な価値がブランドであり、その認識価値を上げることがブランディングであるのに対し、マーケティングは商品やサービスといったものの価値を効果的に訴求し、市場を作ることです。この2つは別のものでありながらも、「商品やサービスを売るために行うこと」であり、最終目的は同じです。

 

また、ブランディングは広い意味でのマーケティングの1つの手法とも言え、ブランディングの向上は、マーケティングのスピードを上げ、費用対効果や精度を高めることが可能になります。

 

まとめ

ブランディングには、さまざまな手法が存在します。事例からも見られるように、企業ブランディング、商品やサービスのブランディング、インナーブランディングなどの成果がもたらす効果は非常に大きなものがあります。

 

今や、マーケットで優位に立ってビジネスを展開するためには、ブランディングは欠かせない戦略の1つとなっています。自社に適した取り組みで、ブランディングを進めていきましょう。

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