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環境問題をブランドストーリーに取り入れた、オールバーズの魅力

2021/06/17(最終更新日:2021/09/10)

#イマジナ・ブランディングニュース #ブランディング事例 #ブランド構築

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今、環境問題は企業にとって大きなテーマとなっている。SDGs、サステナブル、エシカルといった言葉が広まっていく中、自社のブランドイメージを向上させるにはどうすればいいのだろうか。アメリカのアパレル企業であるオールバーズを例に考えてみたい。

SDGsの認知度は2人に1人。企業から生活者まで、高い認知度を誇る

SDGsをご存知だろうか。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、企業から一般消費者まで認知度は高まっている。SDGsに対して賛成を表明したり、達成のため、例えばプラスチックストローを廃止し、紙ストローに取り組んだりしている飲食店やレジ袋の有料化など、身近なところから取り組んだりしている企業は多いのではないか。

SDGsは2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193ヶ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標である。はじめは政府の取り組みという認識であったが、だんだんと民間企業にも浸透し、現在では一般消費者が知るところとなった。2020年12月に実施された朝日新聞の全国調査(https://miraimedia.asahi.com/sdgs_survey07/)によると、「SDGsという言葉を聞いたことがあるか」と質問に対して、「ある」と答えた人は45.6%と約半分。また年齢別の認知度によると、「15~29歳」が52.1%で最も高く、次いで30代の48.1%、50代の44.8%、40代の43.9%と、若い世代を中心に認知度が高まっている傾向にある。

参考記事:KOSÉ 雪肌精 の取り組みから学ぶ-サステナブル・ブランディングとは-

若い世代ほど、SDGsの認知度と関心が高い

この現象は、非常に面白いと感じる。これまでの傾向だと、政策やアカデミックな文脈で使われる言葉は、政治に関心のある高齢世代ほど認知度が高く、若ければ若いほど低下していく傾向にあった。

しかし、このSDGsに関しては反対である。また興味深いのは、単に言葉を知っているのみならず、主要テーマである貧困や環境問題に対して、若者の間で共感の度合いも高いのだ。

例えば、スターバックスでは全店舗でプラスチック製ストローを廃止し、紙製に変更(もしくは使用しない)したが、この取り組みに対して多くの若者が興味を示している。「ほかのカフェに行った時にプラスチック製ストローだと、『まだ変えていないんだ、遅れているな』と感じる」という声もあがっている。また就活生の8割以上がSDGsという言葉を認知しているように(https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=1528)「環境などに配慮している企業は良い社会にしていこうと考えているはず。だから働き方にも配慮してくれそう」という声もあるようだ。

 かつては環境問題、また海外の低賃金労働などに関しては、一般消費者自身は関心度が高くない情報であった。しかしSDGs、また最近では「サステナブル」「エシカル(倫理的に良い判断)消費」といったトレンドが盛り上がっていくにつれて、どのように作られているのか、環境への負荷はどれほどのものかといった内容は、消費活動において重要なファクターとなりつつあるのだ。

参考記事:環境対応が、新たなブランド価値を創造する

ブランドストーリーに環境問題を盛り込んだ、オールバーズ

では商品に「SDGsに取り組んでいる」「環境に配慮している」と記載すれば、売上は大きく変わるのであろうか。結論から言うと、そうではないと思う。意思決定を支えるのはあくまで価格であり、機能、競合との差異であり、ブランドイメージである。購買の優先順位が大きく変動しているわけではないのだ。

大切なのは、自然な形で取り入れること。すなわち「即効性」を期待して、取ってつけたように営業や広告に言葉を盛り込むのではなく、そもそもそれらを取り込んだ上で、ブランドを設計していく姿勢が重要なのだ。

このような姿勢でブランドを作る企業に、オールバーズ(英名:Allbirds)(https://allbirds.jp/)がある。オールバーズはランニングシューズやスニーカー、アパレルやマスクといったアクセサリーを販売しているアメリカの企業だが、俳優のエマ・ワトソンやジェシカ・アルバなどがこぞって購入したことで、欧米の若者の間で人気に火がついた。未上場ではあるが企業価値は1700億円に上ると言われており、今もっとも注目を集めているサステナビリティ企業だと言っても過言ではない。

「実は環境に配慮した商品だった」ブランドの魅力

オールバーズが人気になった理由は、デザインに加え、履き心地といった実用性であった。しかしその名前が知られていくうちに、開発ストーリーに注目が集まる。実はオールバーズの製品は、羊の毛、ユーカリの木、サトウキビ、そしてプラスチックやダンボールといった廃材からできているのだ。

「かっこいいと思って買ったら、環境に配慮した商品だった」。このストーリーが、若者の心を掴んだのだ。

ここ数年で、環境にまつわる言葉の印象が変わりつつある。かつてはエコというと「少し難しい話」「生産・消費を減速させるもの」という、ややネガティブなイメージがあった。しかし、現在では「環境に配慮していてかっこいい」「ほかの企業よりも先を行っている」というポジティブなイメージに変わりつつある。デザインがかっこよく、機能もいい。そんなブランドが、環境に配慮している――。SDGsといった用語そのものが大切なのではない。人によくて地球にも良いという本質的な姿勢やストーリーが大切なのだ。

重要なのはSDGsをブランドやストーリーに取り入れる事

今や多くの企業がSDGsやサステナブル、エシカルという言葉を広告の訴求に使用している。しかし、期待しているほどの成果が出ていない企業も多いのではないだろうか。

重要なのは、ただ言葉を使うのではなく、きちんと企業のブランド、そしてストーリーに取り入れること。すべての企業に環境対応が求められているなかで、このような視点が、ほかの企業との差別化につながっていくのではないかと思う。

こういった視点で、環境問題を取り入れている日本企業は少ない。しかし、だからこそチャンスがある。今一度、本当に求められるブランドとは何かを考えてみたい。

イマジナでは企業が社会に対し、どのような付加価値をもたらしSDGsに対応していくのか、事例をもとに解説するセミナーを開催しているので、是非参加して頂きたい。

 

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