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株式交換・株式移転の意味・違いとは?メリット・デメリットも紹介

2022/06/08(最終更新日:2022/06/14)

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株式交換・株式移転の意味・違いとは?メリット・デメリットも紹介

企業が組織再編を行う際の手法には、合併・会社分割・株式交換・株式移転が存在します。中でもコスト・手間を削減できる魅力により採用される手法が、株式交換・株式移転の2つです。

株式交換か株式移転かの選択肢で悩んでいる経営者の方は、それぞれの意味・違いを把握した上で、自社に適した組織再編の手法を選択しましょう。

この記事では、株式交換・株式移転とは何かを、活用事例も交えて解説した上で、組織再編でそれぞれの方法を選択するメリット・デメリットについて紹介します。

 

株式交換・株式移転とは

株式交換と株式移転は、いずれも組織再編を実施するための手法です。「株式」と名前にある通り、どちらの手法も株式のやり取りを行う点で共通しています。

組織再編とは|4つの手法やそれぞれのメリットを解説

「株式交換」とは、既存会社2社の間で株式を交換する手法です。株式の交換はあらかじめ定めた株式交換比率通りに行われ、2つの会社は完全親会社・完全子会社の関係を構築します。

たとえばA社株式1株:B社株式2株の比率で交換し、A社がB社の株式をすべて取得すると、A社はB社の完全親会社になる形での株式交換となります。

一方で「株式移転」とは、新しい会社を設立して、既存会社の株式をすべて新設会社へと移転する手法です。株式移転では、新設会社が完全親会社となって株式交付を行い、既存会社は完全子会社となります。

たとえば新しい会社Cを設立し、既存会社であるA社・B社の株式をすべてC社へと移転すると、A社・B社がC社の完全子会社になる形での株式移転となります。

 

株式移転・株式交換の違い

株式移転と株式交換の主な違いを3つのポイントから紹介します。

●親会社となる会社の違い

株式移転は新設会社が完全親会社となり、既存会社を完全子会社とします。一方で株式交換は会社の新設を伴わず、既存会社が必ず完全親会社です。

●親会社が払う対価の違い

株式移転では、株式を移転して完全子会社化した既存会社への対価として、親会社となる新設会社が株式を交付します。一方で株式交換では、親会社が払う対価は親会社の保有株式に限定されません。新株予約権や現金を対価とすることも認められています(会社法第768条1項2号、3号)。

●行える会社形態の違い

株式移転を行える会社形態は株式会社のみです。一方で株式交換は、株式会社が行えることはもちろん、合同会社も行える点が特徴です。ただし、合同会社は完全親会社にのみなれます。

■会社法 第767条

株式会社は、株式交換をすることができる。この場合においては、当該株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(株式会社又は合同会社に限る。以下この編において「株式交換完全親会社」という。)との間で、株式交換契約を締結しなければならない。

引用:e-Gov法令検索「会社法」

 

株式移転・株式交換の活用事例

有名企業が行った、株式移転・株式交換それぞれの活用事例を紹介します。

●株式会社KADOKAWAと株式会社ドワンゴが株式移転した事例

株式会社KADOKAWAと株式会社ドワンゴは2014年に株式移転を行い、持株会社の株式会社KADOKAWA・DWANGOを新設しました。なお、株式会社KADOKAWA・DWANGOは翌2015年にカドカワ株式会社へと商号変更しています。

持株会社の新設により、株式会社KADOKAWAと株式会社ドワンゴは共通の親会社を持つグループ会社となりました。対等な立場での経営統合を目的として、株式移転を活用した事例です。

●株式会社フェイスと日本コロムビア株式会社が株式交換した事例

株式会社フェイスと日本コロムビア株式会社は2017年に株式交換を行い、株式会社フェイスが日本コロムビア株式会社の全株式を取得しました。

株式会社フェイスは2014年に日本コロムビア株式会社を連結子会社化しており、2017年の株式交換で完全子会社化した形です。グループ会社の連携強化を目的として、株式交換を活用した事例と言えます。

 

組織再編で「株式交換」を選択するメリット・デメリット

組織再編のために株式交換・株式移転の活用を考えている方は、それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるかを押さえておきましょう。

まずは組織再編で「株式交換」を選択する3つのメリット、2つのデメリットを紹介します。

【メリット1】資金調達せずに完全子会社化が可能

親会社が株式交換の対価として株式を選択すれば、資金調達の必要はありません。買収など多額の資金が必要となる手法とは異なり、株式交換は資金調達せずに完全子会社化ができる点がメリットです。

対価とする株式については自己株式に限定されておらず、新株予約権も対価にできます(会社法第768条1項2号ハ)。

【メリット2】株主総会特別決議で承認を受ければ実行可能

株式交換は、実施する2社の双方が、効力発生日の前日までに株主総会特別会議で承認を受ければ行えます(会社法第795条1項)。株主総会特別会議で承認を受けるためには、「議決権の過半数を有する株主の出席」「出席株主の有する議決権2/3以上が賛成」をともに満たすことが必要です。全株主の同意は不要で、承認を受けられれば反対株主がいる場合でも株式交換を行えます。

【メリット3】会社を存続させながら組織再編が可能

株式交換を行っても、完全子会社となる会社は存続できます。株式交換による子会社側の大きな変化は会社株主の構成が変わる点であり、法人格や事業内容が消滅することはありません。緩やかな経営統合を図りながら、スムーズに組織再編が進められます。

【デメリット1】株価減少が起こるリスク

株式交換の対価とするために新株発行を実施すると、親会社の株式数が増加します。株式数の増加は、株式の価値が下がる株式希薄化につながり、株価減少のリスクがある点がデメリットです。

【デメリット2】株主構成の変化により経営に支障が出るリスク

親会社の株式が子会社の株主へと交付されることで、親会社の株主構成に子会社の株主が加わります。 株主構成の変化は株主総会での議決権に影響するため、親会社の経営に支障が生じる可能性もある点に注意してください。

 

組織再編で「株式移転」を選択するメリット・デメリット

続いて、組織再編で「株式移転」を選択する3つのメリット、2つのデメリットについて紹介します。

【メリット1】新設会社の株式で対価を払えるため資金調達が不要

株式移転は新設会社が発行する新株で対価を払えるため、資金調達は不要です。多額の資産がなくても行える株式移転は、経営への影響を抑えて組織再編を進められます。

【メリット2】子会社の独立性が保てるため組織の内部統制が簡単

株式移転では親会社として新設会社を作るものの、配下に置かれる各子会社の組織構造は変わりません。子会社の独立性が保たれていることで、各社従業員や労働形態への影響は少なく抑えられ、組織の内部統制を簡単に行えます。

【メリット3】持株会社制の経営統合に活用可能

2社以上が統合する場合、会社の存続・消滅で話がまとまらないケースがあります。株式移転は新設会社を親会社として、既存会社は子会社で存続するため、会社の消滅で揉めることはありません。新設会社を持株会社とすることで、グループ内の子会社は対等な関係となり、経営統合も進めやすくなります。

【デメリット1】株式移転計画の作成が必要

株式移転を行うときは、株式移転計画書を作成しなければなりません(会社法第772条)。株式移転計画書で定めなければならない事項も会社法で決められており、書類作成の手続きに時間がかかる点がデメリットです。

【デメリット2】上場企業が完全子会社化する場合は上場廃止が必要

株式移転は新設会社が既存会社の株式をすべて取得するため、上場企業が株式移転によって完全子会社化する場合は上場廃止しなければなりません。ただし、上場企業が完全子会社化する株式移転では、新設会社の株式をスムーズに上場させられるテクニカル上場と呼ばれる制度が利用できます。

 

まとめ

株式交換・株式移転は、いずれも株式のやり取りを行って組織再編を図る手法です。株式交換は既存会社2社の間で株式を交換し、株式移転は新設会社に既存会社の株式を移転します。

株式交換と株式移転は、親会社となる会社の違いや行える会社形態の違いなど、いくつかの違いが存在します。資金調達が不要な点や組織再編に役立つ点は共通するメリットであるものの、メリット・デメリットでそれぞれ独特な内容がある点に注意してください。

株式交換・株式移転の特徴を把握した上で、自社に合った組織再編の手法を選択しましょう。またイマジナでは、ブランディングセミナーを始めとした、各種セミナーを実施しておりますので、ぜひ併せてご参考ください。

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