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ナラティブの意味は?ビジネスシーンで注目される理由や活用例も

2022/04/22(最終更新日:2022/12/08)

#アウターブランディング #ブランド構築

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ナラティブの意味は?ビジネスシーンで注目される理由や活用例も

近年のビジネスシーンで注目されている用語の1つに「ナラティブ」があります。ナラティブは現代に合った手法として重要性が高まっており、社内でのコミュニケーションやマーケティングなどの場面で活用されています。しかし、近年話題になり始めた用語であるため、詳しく知らない人も多いでしょう。

当記事では、ナラティブの具体的な意味や注目されている理由について解説します。重要性が高まっているマーケティング手法の1つ「ナラティブマーケティング」についても紹介するため、ぜひ自社での取り組みにお役立てください。

 

ナラティブの意味は?

ナラティブ(narrative)の英語としての意味は、「物語」や「語り」であり、語り手自身を主役とした物語を表します。ビジネスシーンだけでなく、医療現場をはじめとしたさまざまな領域で使われている言葉です。

似ている言葉として挙げられる「ナレーター」や「ナレーション」は、ナラティブから派生したものです。

 

言葉の起源

ナラティブは、1960年代におけるフランス構造主義の登場をきっかけに、使われるようになった言葉だと言われています。物語が持つ役割への関心が高まり、「ストーリー」とは別の文芸理論の言葉として、ナラティブが定着し始めました。

その後、ナラティブが持つ効果やメリットが各領域においても注目され、現代の通りさまざまな分野で活用されるようになっています。

 

ストーリーとの違い

ナラティブとよく似ている言葉に、「ストーリー(story)」があります。ストーリーは、物語内容や筋書きを指します。ストーリーもナラティブと同様に「物語」の意味を持つものの、複数の登場人物によって構成され、「伝えたい内容」を軸にした起承転結がある点が特徴的です。

一方でナラティブは、必ずしも起承転結が存在するわけではない上に、基本的には語り手自身が主役となるため、ストーリーのように複数人物は登場しません。伝えたい内容が明確に決まっていない場合が多い点も、ストーリーとは異なります。

ナラティブとストーリーは、意味合いも似ているため、同じような言葉だと勘違いされているケースが多くあります。ナラティブをビジネスシーンで効果的に活用するためにも、両者の違いを明確に理解しましょう。

 

ナラティブという言葉が注目される理由

ナラティブの必要性を知るためには、注目されている背景に目を向けることが大切です。「ナラティブ」という言葉が最近注目されている背景には、主に以下の理由があります。

・インターネットの普及によるコミュニケーションの多様化

近年におけるインターネットの普及により、SNSなどを通してコミュニケーションを簡単に取れるようになりました。その分、企業からの一方通行による情報発信では、顧客を惹きつけることは難しくなっています。コミュニケーションが多様化し、企業と消費者の間にある壁がなくなってきている中、顧客の立場に寄り添う「ナラティブ」が注目されています。

・ビジネスシーンにおける社会的意義の変化

SDGsやESGsなどの社会課題への注目が広がっている影響で、ビジネスシーンで「社会貢献」や「社会的価値」に意識を向ける人は増加傾向です。「社会において自分自身がどうあるべきか」を考える機会が多くなっていることから、自分自身を物語の主役として考えるナラティブの重要性が高まっています。

・新型コロナウイルス感染症の流行に伴うコミュニケーションの変化

少しずつ広がっていたナラティブは、コロナ禍でさらに注目の度合いを高めることになります。従来のような対面でのコミュニケーションが容易にできなくなり、企業としてはこれまでと異なる情報発信の仕方が求められるようになりました。オンラインで完結できる上に、消費者の共感や信頼を獲得しやすい手法としてナラティブが活用されています。

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ナラティブアプローチとは?意味と実施のポイント

ナラティブアプローチとは、本人が自分自身のストーリーを語る中で、課題解決に導く手法です。元々は、カウンセリングの領域で使用されていた手法ですが、近年はビジネスシーンでも活用されるようになっています。

ここでは、ナラティブアプローチの手順と、企業で実施する場合のポイントを紹介します。

 

ナラティブアプローチの手順

ナラティブアプローチは、一般的に以下の流れで実施します。

1 本人のドミナントストーリーを聞く
まずは、聞き手が現状を把握しつつ、相談者本人も状況を整理するために、ドミナントストーリー(現段階における思い込みの物語)を聞く。
相談者本人は悩みを抱えている状態であるため、ドミナントストーリーはネガティブな内容が多い。ドミナントストーリーを聞く際は、自分の意見は伝えずに、相手が話しやすい環境・雰囲気を作ることが大切。
2 悩みを外在化する
悩みの内容を本人から引き離し、問題を客観視できるようにする。
悩みが自分の中にある状態だと自分に対して否定的になるため、悩みを本人から引き離すことで自分への否定的な感情を和らげる効果がある。客観性を強くするために、引き離した物語に名前を付ける方法も効果的。
3 反省的な問いかけをする
抱えている悩みに対して、本人が原因を探れるよう反省的な問いかけをする。
反省的な問いかけとは、「誰が」「いつ」「どのような出来事が」など、悩みに関係する事情を具体的に振り返ること。
4 例外的な結果を導き出す
会話を進める中で明らかになった、例外的な結果を導き出す。
例外的な結果とは、本人が自覚していない内容のことで、「自分では周囲から嫌われていると思っているが、頼ってくれる人が一定数いる」などポジティブな内容が多い。
5 オルタナティブ(代替)ストーリーを作る
最後は、例外的な結果を基にしてオルタナティブストーリーを作る。
たとえば、「頼っている人が多いということは、その分周囲から信頼されている」など、自分のポジティブな側面を感じられるようなストーリーを作る。

上記のステップを、悩みを抱えている本人と一緒に考えることが、ナラティブアプローチの基本です。本人の性格やお互いの関係性によっては、スムーズに進まない場合もあるため、丁寧に聞く姿勢や質問の繰り返しを意識するとよいでしょう。

 

企業におけるナラティブアプローチのポイント

ナラティブアプローチは、企業内における上司と部下のコミュニケーションでも効果的です。ナラティブアプローチを通して悩みが解決し、前向きな姿勢で仕事に取り組めるようになれば、信頼関係の構築や生産性の向上につながります。

企業におけるナラティブアプローチの大切なポイントは、「傾聴」です。部下が悩みを抱えていることを知ると、解決策やアドバイスを提示したくなる上司は多いでしょう。しかし、部下は上司に対して緊張しやすいため、途中で上司が意見してしまうと物語を引き出せず、外在化が難しくなります。本人が話したいことを言い終わるまで、丁寧に耳を傾けましょう。

部下にやりがいを持って働いてもらうためにも、ナラティブアプローチは効果的です。本人の悩みに最後まで寄り添いながら、二人三脚で解決する姿勢を見せることが大切です。

 

ビジネスシーンで注目されるナラティブマーケティングとは?

ナラティブマーケティングとは、顧客自身を主役とした物語にアプローチするマーケティング手法のことです。

具体的に、ナラティブマーケティングでは、企業側が顧客に対して複数の選択肢や体験を提供する方法が一般的です。顧客自身が主役となって自らの判断で商品・サービスを選ぶため、自分の中で価値が高まりやすくなります。

これまでのビジネスシーンでは、企業目線で自社のサービスや商品の物語を伝える「ストーリーテリングマーケティング」が主流でした。しかし、ストーリーテリングマーケティングは企業視点で進めるため、ユーザーの立場や視点を無視したマーケティングになることもあります。

ナラティブマーケティングは、ストーリーテリングマーケティングの弱点をカバーできる新たな手法として世界中で注目されており、日本でも導入する企業が出てきています。

 

ナラティブマーケティングのメリット

ナラティブマーケティングが注目を集めている背景には、話題性以外にも多くのメリットがあることが関係しています。自社での導入を検討するにあたっては、事前に具体的なメリットを把握することが重要です。

ここでは、ナラティブマーケティングが持つ2つのメリットについて解説します。

 

ユーザーから信頼を得られ好感度が上がる

ナラティブマーケティングを効果的に実施できれば、ユーザーから信頼を得られ、結果的に自社への好感度が高まります。ユーザー自身が自社のサービス・商品を利用するストーリーの主役になることから、愛着が湧きやすいためです。

企業からの一方向でサービス・商品の魅力を伝えることでも信頼は得られますが、ユーザーは客観的な立場に置かれるため、どうしても感情が入りきらない場合が多くなります。一方でナラティブマーケティングは、双方向のコミュニケーションが中心であり、ユーザーは自分事として物語を考えることが可能です。

ユーザーからの好感度が高まれば、リピート率の向上にもつながるため、自社との長期的な関係性の構築においてもメリットがあります。

 

市場におけるポジションが明確になる

ナラティブマーケティングの実施にあたっては、自社のサービス・商品を利用するユーザーが、どのようなストーリーを歩むのかを考えます。そのため、市場やユーザーについての細かい分析をする中で、自社の位置づけが明確になる点もメリットの1つです。

ナラティブマーケティングの実施にあたって整理する要素としては、自社サービス・商品を利用する「ターゲット」「タイミング」「メリット」などがあります。これらを明確にしないと、メッセージがユーザーに届かない可能性があるため、1つずつ丁寧に整理しましょう。

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ナラティブマーケティングの進め方

ナラティブマーケティングには、基本的な進め方があります。ユーザーに対して効果的なナラティブマーケティングを実施するには、事前に進め方を理解することが重要です。

ここでは、ナラティブマーケティングを実践したいと思っている企業向けに、進め方やポイントなどを紹介します。

 

体験型のイベントを実施する

はじめに、ユーザー自身が商品やサービスを身近に感じられるよう、体験型のイベントを実施します。実体験を通して商品・サービスへの理解を深める中で、自分が歩む物語をイメージすることも可能です。

身近で行われている体験型イベントの例として、新発売予定のゲームをプレーできるイベントが挙げられます。ゲームを実際に体験することで、自分自身がゲームとどう関わっていくかをイメージできるようになり、愛着信や信頼度が向上します。

体験型イベントの実施は、ユーザーからの口コミ投稿により、情報拡散につながる点もメリットです。実際に体験した人のリアルな感想が広まれば、企業発信の情報以上に納得感を得やすくなります。

 

ユーザーへの理解を深める

ユーザーに、自分自身のストーリーを想像してもらうために、商品・サービスを届けたいターゲット層を明確にします。年齢や家族構成、趣味などの細かい条件を踏まえたペルソナ(架空人物)を設定すると、ナラティブマーケティングをよりスムーズに進めることが可能です。

ユーザーへの理解を深めることで、ニーズや置かれている状況を把握できるため、企業がどのようなメッセージを発信すべきかを明らかにする上でも重要です。反対にユーザーの理解を深めずにメッセージを発信すると、本人に響かず、企業の労力だけがかさむ事態になりかねません。

自社の商品・サービスを届けるべき層に届けるためにも、ユーザーへの理解を深めるステップを大切にしてください。

 

ユーザーとの対話を行う

ユーザーが物語のイメージをさらに具体化できるよう、対話を通して本人や商品・サービスのことを深掘りします。イメージを具体化できるほど、商品・サービスへの愛着度や信頼度が高まり、購入にも前向きになってくれるでしょう。

近年は、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSが日常生活に浸透しています。SNSでは気軽にメッセージを送り合えることから、対話においても効果的であるため、積極的な活用がおすすめです。

注意点として、企業からの一方的な情報発信を続けると、ユーザーにとってプレッシャーになる可能性があります。また、利益を獲得したいあまり、商品・サービスを売りたい気持ちが前面に出てはなりません。かえってユーザーが離れたり、自社のイメージが低下したりする可能性もあるため、相手の発言を傾聴する姿勢を忘れないでください。

 

ナラティブマーケティングの実例

日本でもすでにナラティブマーケティングが注目を集めていることから、実際に取り入れ、成功している企業もあります。自社に最適なナラティブマーケティングを検討する上で、各社の実例を参考にすることは重要です。

ここでは、ナラティブマーケティングに成功している企業の実例を4つ紹介します。

・ウォルト・ディズニー・スタジオ

ウォルト・ディズニー・カンパニーの映画製作を担っているウォルト・ディズニー・スタジオでは、実際に働いている従業員のナラティブを動画で公開しています。視聴者は、雰囲気や温度感を強く味わえるため、ウォルト・ディズニー・スタジオをより身近な存在として感じることが可能です。

・パンテーン

ヘアケア製品ブランドのパンテーンは、Twitterのハッシュタグを活用し、髪型の校則に関するナラティブマーケティングを展開しました。具体的には「#この髪どうしてダメですか」というハッシュタグを基に、髪についての多様性を提起するコンテンツを発信しています。コンテンツには、実際に髪の悩みを持つ生徒が登場しており、見た人が共感を抱きやすい内容となっている点が特徴です。

・SUBARU

自動車メーカーのSUBARUは、テレビCMや小説を活用したナラティブマーケティングが特徴的です。テレビCMは「あなたとクルマの物語」をテーマにしており、ユーザーが自分自身を主役として車との付き合い方を想像できる内容になっています。ストーリー調の構成であり、短い時間でも引き込まれるような設定になっている点が魅力です。

・無印良品

ナラティブマーケティングにおいて、効果的なSNSの活用を早い段階から始めていた企業が、無印良品を展開している株式会社良品計画です。無印良品は、Instagram上で商品に関する投稿をする際に、「商品ができた過程」を紹介することで、ユーザーに自分事化してもらい、共感度を高める工夫をしています。

 

まとめ

ナラティブとは、ユーザー自身を主体とした物語のことであり、インターネットの普及や新型コロナウイルス感染症の流行などを背景に、注目を集めています。特にビジネスシーンでは、ユーザーからの共感や信頼を獲得しやすい「ナラティブマーケティング」の活用が進んでいるため、ぜひ自社での実施を検討してください。

なお、ナラティブを活用したブランディングを進める場合は、専門サービスに相談することがおすすめです。ブランディング支援を専門とする「イマジナ」は、国内外2,700社以上の豊富な実績を誇っています。専門的な知見による支援を通して、独自の価値を見出すことが可能です。ナラティブブランディングの実施を検討している人は、気軽に問い合わせてみてください。

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