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事業承継とは?構成要素・主な類型|実情も最新データで解説!

2022/01/31(最終更新日:2023/08/23)

#インナーブランディング #ブランド構築 #事業承継

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事業承継とは?構成要素・主な類型|実情も最新データで解説!

これまで築き上げてきた企業を、これからの世代へと繋いでいくために重要なのが「事業承継」です。事業承継にあたっては、特定の手続きが必要となるため、スムーズに行うには制度内容や進め方など、詳しい情報を事前に理解することが大切です。

当記事では、事業承継の概要について、最新のデータを踏まえて解説します。事業承継に活用できる支援策も紹介するため、事業承継を予定している人や、企業を長期的に存続させたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

事業承継とは?

事業承継とは、「人(経営権)」「資産」「知的資産」を、引き継ぐことを指します。単に経営者が変わるだけでなく、理念やノウハウ、技術など、企業経営にあたって必要な要素を引き継ぐことが事業承継のポイントです。

近年の日本では、少子高齢化が進んでおり、今後も進行が続くと予測されています。事業承継は、日本企業の多くを占めている中小企業で特に課題となっており、企業が今後も発展を続けるために必要性が高まっている取り組みです。

事業承継と「事業継承」「事業譲渡」の違い

事業承継と似ている用語に、「事業継承」と「事業譲渡」があります。

事業承継と事業継承は、基本的な意味は似ているものの、引き継ぐ内容の具体性に違いがあるため注意が必要です。「事業承継」は、事業や企業の風土・理念など、これまで築いてきた抽象的なものを引き継ぐ意味合いで使われる傾向にあります。一方で、「事業継承」は、前任者から権利や義務、財産などの具体的なものを受け継ぐ場合に使われます。

ただし、権利・義務を引き継ぐ際にも法律や国の制度では「承継」が用いられる場合がほとんどであるため、基本的には「事業承継」という言葉を使用することがメジャーです。

「事業譲渡」は、自社の事業や、事業の一部を他社に譲り渡すことを指します。事業譲渡をすると譲渡先から対価が支払われるため、債務返済に追われている企業がやむを得ず実施する場合もあります。なお、事業譲渡を行うためには、会社法に基づいた手続きが必要です。

【データで確認】事業承継の実情

日本では、近年の労働者不足により、事業承継に悩む企業数が増えています。中小企業庁が公表する「2021年 中小企業白書」によると、2020年の休廃業・解散件数は49,698件となっており、過去最多でした。2013年に34,800件だったことから、数年で大きく増加している現状が分かります。

出典:中小企業庁「2021年 中小企業白書 第2部第3章」

特に、従業員規模が小さいほど、休廃業・解散企業は多い傾向にあります。事業承継を行うのは先だとしても、早いうちに動き出すことが大切です。

経営者交代の状況

「2021年 中小企業白書」では、経営者交代数や経営者交代率の推移についてもまとめられています。2010~2019年において、経営者交代数は最も低い年で35,594人、最も多い年で38,389人となっており、一定数以上の経営者交代が毎年行われている状況です。

出典:中小企業庁「2021年 中小企業白書 第2部第3章」

経営者交代率で見ると、2010〜2019年は3.7〜4.0%の範囲で推移しており、約4人に1人の経営者が交代していることが分かります。2007~2019年に経営者交代を実施した中小企業を年齢の観点から見ると、従業員規模が小さい企業ほど、より若い経営者(50歳前後)に承継されており、経営者年齢の若返りに寄与している傾向です。

後継者有無の状況

次に、後継者有無の状況について「2021年 中小企業白書」内にまとめられたデータを基に解説します。2011~2020年において、後継者不在率は約65~66%を推移しており、後継者不在に悩んでいる企業は多いと言えます。ただし、2018年に66.4%を記録して以降、2019年は65.2%、2020年は65.1%と、後継者不在率が減少傾向にあるのも事実です。

出典:中小企業庁「2021年 中小企業白書 第2部第3章」

なお、後継者不在率を経営者年齢別に見ると、60代では48.2%、70代では38.6%です。80代でも31.8%の企業が後継者不在となっており、経営者が高齢に達している企業でも、後継者が不在となっているケースが多く見られます。

事業承継の構成要素3つ

ここからは、事業承継の構成要素である「人(経営)の承継」「資産の承継」「知的資産の承継」について、詳しく解説します。

人(経営)の承継
事業承継において、「人(経営)の承継」は、基本的には経営権を承継することを指します。単に権利を承継するだけでなく、経営者としての資質を承継する意味合いも含みます。
経営者は企業のトップであるため、「資質や経営能力が足りない」と認識されれば、従業員や取引先が離れてしまう恐れがあります。また、経営者として事業を円滑に動かすにも、相応の資質が必要です。
最近は、少子高齢化により親族の中で後継者が見つけられず、親族外の人に事業承継をするケースも珍しくありません。
資産の承継
資産の承継は、「株式」「事業用資産」「資金」などを承継することを指します。事業用資産としては、不動産や設備などが該当し、資金には運転資金や借入も含みます。なお、資産の承継にあたっては、専門的な手続きが発生するため、税理士などの専門家に依頼することが一般的です。
知的資産の承継
知的資産とは、「経営理念・ノウハウ」「顧客情報」「知的財産権」「信用」などの無形資産を指します。知的資産は企業独自の強み・価値とも言えるため、世代を超えて企業を残していくためにも非常に大切な要素です。

事業承継の主な類型3つとそれぞれにおける進め方

経営者が引退するにあたって事業を継続する場合、まず「親族内承継」と「親族外承継」に分かれます。さらに、親族外承継の場合は「従業員承継」「M&A(社外への承継)」の2つの選択肢があります。

そのため、事業承継の類型は大きく「親族内承継」「従業員承継」「M&A(社外への承継)」の3種類に分類されています。

さらに、従業員承継の場合は、選択肢として内部昇格やMBO・EBO、M&Aの場合は外部招聘などが挙げられる形です。ここでは、事業承継の3類型について、概要や進め方のポイントを紹介します。

親族内承継

親族内承継とは、経営者の子どもや甥・姪など、親族の人間に事業承継を行うことです。親族内承継は、後継者を見つけやすく、周囲も受け入れやすい特徴があります。また、財産や株式を相続・贈与できるため、他の類型と比べてコストを抑えやすい点もメリットです。

一方で「親族だから」という理由だけで事業承継を行うと、後継者に資質がない場合は、企業の業績が停滞してしまう恐れがあります。また、後を継ぎたいと考えている親族が複数人いれば、親族内でのトラブルに発展するケースもあるため注意が必要です。

【親族内承継の進め方】

  • 現在の経営課題の整理・事業承継にあたっての課題抽出
  • 関係者の理解獲得・後継者教育
  • 株式や資産の相続・贈与
  • 経営者保証の解除

出典:中小企業庁「財務サポート 「事業承継」」

親族内承継のデメリットをカバーするためにも、関係者の理解獲得と後継者の教育には、特に力を入れる必要があります。また、相続税や贈与税の負担を軽減できる「事業承継税制」などの制度もあるため、活用することがポイントです。

従業員承継

従業員承継とは、既存の役員や従業員に事業承継を行うことです。キャリア形成の多様化や少子高齢化が進んでいる昨今は、親族内承継が進まないケースも多く、従業員承継を行う企業も増えています。

従業員承継では、自社の事業や理念を詳しく理解している人材を後継者にできるため、経営者としての資質も見極めた上での引き継ぎが可能です。

ただし、後継者として選ぶ際に正当な理由がなければ、社内間のトラブルを起こす恐れがあります。また、親族内承継のように自社株式を相続・贈与できず、有償で取得する必要があるため、負担がかかる点がデメリットです。

【従業員承継の進め方】

  • 現在の経営課題の整理・事業承継にあたっての課題抽出
  • 関係者の理解獲得・後継者教育
  • 株式や資産の取得
  • 経営者保証の解除

出典:中小企業庁「財務サポート 「事業承継」」

役員・従業員としての立場と経営者としての立場では、求められる視点や考え方が大きく異なります。そのため後継者の教育にあたっては、経営者としての自覚や責任など、内面的な要素も伝えることが重要です。

また、株式を一括で取得することは資金的に難しい場合も多いと見込まれます。負担を最小限にするためにも、株式の取得は計画的に進めることが大切です。

M&A

M&Aは、親族や社内でもない外部の第三者に、株式譲渡や事業譲渡を行う事業承継の方法です。近年ではM&Aの支援を行っている機関や、事業承継マッチングサイトのようなサービスも増えており、事業承継の一般的な方法の1つとして浸透しています。

M&Aは、後継者候補となる人材が親族や既存従業員に限定されないため、事業承継に成功する可能性をより高められます。また、従業員の雇用を継続できたり、創業者利益を確保できたりする点もM&Aのメリットとして挙げられます。

ただし、条件に合致する後継者を探すための、労力や費用がかかる点が注意点です。

【M&A(社外への承継)の進め方】

  • 現在の経営課題の整理・事業承継にあたっての課題抽出
  • マッチング
  • 交渉
  • 株式や資産の取得

出典:中小企業庁「財務サポート 「事業承継」」

M&Aでは、後継者となる相手企業を探すステップが発生します。「事業承継・引継ぎ支援センター」や「後継者人材バンク」などを活用し、求める条件に合った後継者を早めに探し始めてください。

事業承継を実施する際に知っておきたい支援策3つ

近年の後継者不足を背景に、中小企業庁では中小企業の事業承継支援を実施しています。公的支援であるため、活用自体は無料であり「事業承継・引継ぎ補助金」や「事業承継税制度」が一例です。

ここからは、中小企業庁が実施している支援策について、「補助金」「税金」「融資・信用保証」の3つに関する施策を具体的に解説します。

出典:中小企業庁「事業承継の支援策」

補助金に関する支援策

補助金制度としては、事業承継後に経営革新を行う中小企業・小規模事業者に対し、経費の一部を助成する「事業承継・引継ぎ補助金」があります。

事業承継・引継ぎ補助金は、「経営革新」と「専門家活用」の2種類に分けられています。さらに、「経営革新」には「経営者交代型」と「M&A型」、「専門家活用」には「買い手支援型」と「売り手支援型」の2コースずつが設置されている仕組みです(※令和3年度当初予算)。

なお、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)でM&A支援機関の活用費用を補助してもらうには、「M&A支援機関登録制度」に登録された機関が対象となっています。中小企業庁のホームページでは、登録支援機関の検索が可能です。

税金に関する支援策

税金に関する支援制度としては、大きく下記4つを実施しています。

●法人版事業承継税制(一般措置・特例措置)

事業承継税制は、後継者が非上場会社の株式を取得する際の贈与税・相続税が、一定要件のもとで猶予される制度です。現在は特例措置も設けられており、2023年3月までに特例承継計画を作成・提出し、2027年12月31日までに事業承継を完了させれば、贈与税・相続税が実質0円となります。

●個人版事業承継税制

個人事業者の事業用資産を贈与・相続する場合に、経営承継円滑化法の認定を受ければ、贈与税・相続税が実質的に0円となる制度です。2024年3月31日までに個人事業承継計画を作成・提出し、2028年12月31日までに事業承継を完了させる必要があります。

なお、法人版・個人版の両方とも、中小企業庁ホームページに申請書の様式が準備されています。

●経営資源集約化税制

経営資源集約化税制は、経営力向上計画の認定を受けてM&Aを実施した場合に、「設備投資減税」「雇用確保を促す税制」「準備金の積立」の3措置を利用できる制度です。

例えば、中小企業向けの「雇用確保を促す税制」では、雇用者全体における給与等支給額が前年度比で2.5%以上増加した場合、30%の税額控除を受けられます。

出典:中小企業庁「賃上げ促進税制」

●登録免許税・不動産取得税の特例

M&Aに際して生じる登録免許税・不動産取得税の負担を軽減できる制度です。経営力向上計画を作成し、2023年3月31日までに中小企業等経営強化法の認定を受ける必要があります。

融資・信用保証に関する支援策

国は、事業承継で発生する株式取得や税金の支払いにおける負担を軽減することを目的に、融資や信用保証の支援も実施しています。融資や信用保証の支援策を受けるには、都道府県知事の認定を受けることが基本的な条件です。

具体的には、融資においては「株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の特例」、信用保証では「中小企業信用保険法の特例」などが挙げられます。

【データで確認】事業承継を行う際に意識すべき取り組み

「2021年 中小企業白書」では、現経営者が事業承継後に意識的に実施した取り組みについて調査しています。最も多い取り組みが「新たな販路の開拓」の44.9%であり、次いで「経営理念の再構築」が33.5%です。

出典:中小企業庁「2021年 中小企業白書 第2部第3章」

ここでは、経営理念の再構築と関連性が高い「ブランディング」について、重要性を紹介します。

事業承継において「ブランディング」が重要な理由

事業承継後も企業を活性化させ、継続的に成長するためには、先代経営者の取り組みを大切にしつつ、時代の流れに応じた新たな挑戦も必要となります。また、経営理念に共感し、事業承継後もともに挑戦を続けてくれる仲間を作るためにも、経営理念の再構築が大切です。

経営理念を再構築するにあたって鍵となるのが、経営理念や想いなどを通して、顧客や従業員にとって自社の価値を最大限に高める取り組みを指す「ブランディング」です。

ブランディングとは?|ブランド構築の手法を10のステップで解説

ブランディングにおいてまず大切なのは「相手に共感してもらうこと」です。自社が持つブランドの価値を決めるのは、あくまで相手であるため、一方的に自社の想いを伝えるのではなく、心底共感してもらえるような伝え方をする必要があります。

ただし、経営理念の浸透には時間がかかるため、ブランディングは短期間で簡単に高められるものではなく、長期的な目線で取り組むことが重要です。そのためには、「自社が社会に提供している価値」「自社の可能性」「自社が大切にしているもの・足りないもの」を整理し、未来を描くことがポイントになります。今後の方向性や取り組むべき課題が明確になり、将来にわたって活躍できる企業になるでしょう。

まとめ

事業承継とは、「人(経営権)」「資産」「知的資産」を引き継ぐことを意味します。近年の少子高齢化進行により後継者不足に悩む企業が増えており、重要視されている取り組みです。

事業承継には、「親族内承継」「従業員承継」「M&A(社外への承継)」の3類型があり、それぞれの特徴に応じた進め方が必要です。中小企業庁では、事業承継の支援策を設置しているため、実際に進める際に活用を検討してください。

なお、事業承継にあたって鍵となる「ブランディング」を支援している企業が「イマジナ」です。イマジナでは、企業様に合わせた独自のブランディングに関するご提案を行っています。相談はいつでもお受けしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ブランディングとは?事例やメリットを分かりやすく解説!

 

事業承継の目的やメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説されています。

あわせてご確認ください。

参考:事業承継ってなに?事業承継の目的やメリットは? |株式会社パラダイムシフト

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