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社員がイキイキと働きだす組織環境づくりのヒント

2019.10.01

#ブランディング事例

私たちを取り巻く環境は、法令等の改正や社会の価値観・倫理観等がめまぐるしく変化しています。もはや、法令を守っていれば何をしても許されるという時代ではありません。社会のあるべき常識や倫理を念頭に置きながら、時代の価値観に柔軟に対応していく姿勢が求められています。
求められるのは、社員一人ひとりを規則で縛るのではなく、一人ひとりが守るべきことをしっかりと守ったうえで、自らが考え行動ができるコンプライアンス体制の構築です。前向きなコンプライアンス体制をいかに構築するのか?社員がイキイキと働きだす組織環境づくりのヒントがここにあります。

コンプライアンスには 違法性がないだけでなく、 反社会的でないことも 必要となっています。

コンプライアンスの基本的な考え方

コンプライアンスを直訳すると「法令遵守」となる。しかし、現代の企業が「当社はコンプライアンスを重視した経営を行っています」と言う場合には、単に法律や条例を守るだけでなく、その背景にある法の精神や社会良識といった「社会規範全般」、さらには社内規則や業務マニュアルなども含めた幅広い規則を遵守していく姿勢を表していると考えるべきだろう。

なぜなら、仮に法律に違反していなくても、法の抜け穴をかいくぐるような行動をとれば非難が殺到し、法令違反を犯したのと変わらない影響を受けることが十分に予想できるからだ。また、法律とは無関係な社内規則に違反しても、その行為が企業収益に悪影響を与えるものであれば、株主代表訴訟などで損害賠償を求められる可能性がある。コンプライアンスをリスクマネジメントの一種ととらえるならば、法令に限定することなく、より広範囲な規範に対応しておくことが重要と言える。

コンプライアンスとは、ルールベース(ハードロー)=法令遵守とプリンシパル(規律)ベース(ソフトロー)=倫理モラルの両輪の上に成り立つものであり、違法性がないだけでなく、反社会的でないことも必要となっているのです。

コンプライアンスとは、 企業業績を推進し、 新たな価値を 創造するものです。

コンプライアンスには企業理念が重要

コンプライアンスは最初、関係法令だけを守る狭義の法令遵守でしたが、その後、諸規定・マニュアル等の社内規範、世の中の常識・良識等の社会規範をそれぞれ遵守することが含まれるようになりました。さらに近年、企業理念・ビジョン・計画に適う行動をとることも求められるようになりました。

企業理念に沿った実践行動、つまり企業の求める働き方に一人ひとりの働き方を高めることで、理念の実現という新たな価値を創造する高次のコンプライアンスが求められているのです。コンプライアンスとは、企業ガバナンスを補完し、利益至上主義から脱却し、CSR、CSVあるいはESGやSDGsの一環として、会社の長期持続的な発展と健全な社会に貢献するものへと発展しています。

コンプライアンスを 理解するには、 不正発生のメカニズム を理解しましょう。

不正の3原則

現場レベルでコンプライアンス違反が発覚すると、やった本人は「会社のためにやりました」というニュアンスの言い訳をしがちです。実際、本人にすれば、会社の利益を上げるためとか、会社の体面を守るためとか、要するに自分のためではなく、会社にとってよかれと思ってやったことで、会社に対する忠誠心の表れだと自負しているのかもしれません。その背景には「不正の3原則」というメカニズムが存在しています。

①動機:不正を犯す動機がある ②機会:不正を犯すチャンスがある ③正当化:不正行為を正当化してしまう
この3つがそろうと人は不正に走りやすくなります。

企業理念・文化の浸透が 不正の正当化を抑え込み コンプライアンス体制の 根幹となっていきます。

コンプライアンス違反を正当化しない企業文化をつくる

世界の多くの企業において、ITへの投資で「機会」の抑え込みに取り組んでいますが、完全な機会ゼロを実現するには至っていません。また「動機」は人間の欲求に基づくものですから、これも完全に抑え込むことは難しいです。しかし「正当化」は抑え込むことができます。「不正は必ずばれる」という意識と「何が正しいことなのか」についての認識を組織全体に浸透させることによって、社員は不正を正当化することができなくなるはずです。

企業文化とは、会社がいちばん大事にする考え方や想いを、日々の業務へとつなぐもの、日々の業務の価値判断基準となるものです。

業務における一人ひとりの価値判断基準となるものなので、企業文化は、一人ひとりの働き方を規定し、企業の事業成長を生み出し、コンプライアンス体制の根幹となります。

 

コンプライアンス違反をする社員がいる企業と、そうでない企業では何が違うのかを考えていくと、企業理念を浸透させて違反する人たちが発生しないような企業文化を創っていくことが、一見遠回りのように見えて、実は一番効果的であることがわかります。

それではコンプライアンス経営は 私たちにどんなメリットを提供してくれるのでしょうか?

コンプライアンス経営で 生み出されるのは、 リスク回避だけでは ありません。

コンプライアンス経営のメリット

1 企業価値の向上

まず第一にその企業の価値を高めることが挙げられます。これは、コンプライアンスを通して、社会が求めることつまり社会全体の便益を高める、例えば公平、公正、平等、安定、安全安心、便利、豊かさの実現に貢献することで、社会にとって必要、重要な存在と認識されていきます。社会からの信頼・信用の獲得により、企業イメージや好感度向上でブランドが強化され、商品・サービスの購買や価格にプレミアムを付加、応援する消費者からの口コミを誘発、優れた人材の引き寄せなどにつながっていきます。そうして、市場からの評価とブランドプレミアムによる業績向上の相乗効果で、企業全体としての価値向上が実現するのです。

2 経営資源の有効活用

また一方、情報漏洩(事例:ベネッセ)や情報操作(事例:三菱自動車)、決算操作(事例:東芝)、労務問題(事例:電通)、脱税、偽装といった不祥事やトラブルの対応には、直接的なコスト以外に、既存したブランド価値や信用力の低下など、無形資産の提言としての莫大な対応コストが発生します。このリスクが回避できれば、多大な経営資源の消費を防ぎ、経営資源をより生産的活動に活用できます。

3 競争力の強化

ガバナンスと合理的リスクマネジメント力の向上が、経営力と企業の質を高め、人材や商品の質さらに企業ブランドの向上を実現し、他社に対する圧倒的な競争力とステークホルダーとの強い絆、エンゲージメントの向上を実現していきます。

企業のコンプライアンスとガバナンスについての取り組みを点数化し、評価項目に取り入れる株価指数「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)」と、市場全体を表す「S&P500」とを比較すると、各測定期間ともDJSIが上回り、コンプライアンスとガバナンス強化に力をいれる企業は、市場成長率を超えて高い成長を実現していることがわかります。

2016年8月末までの期間の指数上昇率(年率)の比較

DJSIについて
・米国のWall Street Journalを発行し、著名な株価指数NYダウ平均を開発したダウ・ジョーンズ社と、スイスの世界的SRI(社会的責任投資)分野の調査会社であるSAM(Sustainable Asset Management)社が協同で1999年に開発。
・インデックスの対象となる企業は、一般的かつ業界固有の持続可能性トレ ンドを表す長期的な経済・環境・社会的な基準に対する包括的な評価に基づき、SAMが実施する年次評価プロセスに基づいて選別。
・評価はSAMが配布する詳細な質問票に対する企業の回答に基づくが、その他、企業や外部機関からの文書や、SAMのアナリス トと企業との直接的コンタクトを通じた評価も考慮。
・半年毎に見直され、Deloitteによる、規定された基準にしたがって評価が完了した旨を示す保証レポート も発行。

「ガバナンスおよびコンプライアンス」と「環境への配慮」「社会還元」の3つの視点を数値化した「EGS」を用いて、EGSの数値の高い企業と、低い企業を比較。そこには長期的に大きな成長率の差が存在しました。

出所:ハーバード・ビジネススクールによるレポート(2011年11月)
2005年のトムソン・ロイターのESG施策を基にしたデータベース記載775の米国企業から金融機関100を除いた665社に対して、開示資料と200社へのインタビューで実施した、環境や社会貢献への施策の調査の結果、上位90社と下位90社をグループ化して比較

いかに前向きなコンプライアンス体制を構築するか

コンプライアンスと ブランディングは 表裏一体。

品位の高い会社ほど社内の不正頻度は低い

下の表は、品位係数(Integrity Index)と社内の不正頻度の関連を表したものです。品位係数とは、倫理観に対する企業文化を可視化したもので、係数が高いほど品位がある、イコール企業文化が浸透していると考えてよいでしょう。
結果は明らかです。品位係数が高いほど、社内の不正頻度は低かったのです。逆に品位係数が低い、つまり企業理念が社員に浸透していない企業では、さまざまなコンプライアンス違反が起こっています。私たちのコンプライアンス調査でも、会社とベクトルが合っていない人は、潜在的なリスクがあるという結果が出ています。不正を働く社員は、会社が進んでいこうとする方向とベクトルが合っていない場合が多いのです。

どこの企業でも違法行為があった際、そこには違法であると認識していた人は大勢いたはずです。しかし、企業理念や社員がとるべき行動規範が浸透していない組織や形骸化している組織では、社員は勝手に上役の意志を「忖度」して行動するので、不正がなくならないのです。

ブリヂストン社の場合

1999年、複数の自動車事故の原因がブリヂストンのタイヤにあると、フォード社より提訴され、世間からも批判を浴びる。それに対応し、フォード社との対立に専念するのではなく、いち早くリコール等の顧客対応を開始した。またあわせて経営理念を見直し、継承するものを守りながら、新たな理念も策定し、社内外への浸透に尽力。その理念を実現するための視点で、製品の基準も厳格化。現在ではこの基準が世界標準となっている。
この騒動により、リコールのコスト等で一旦は赤字転落するものの、すぐに市場の信頼を勝ち得て、また社員の奮闘により翌年には回復。さらに、第三者による事故要因調査の結果、ブリヂストンのタイヤは主因ではないことが判明。これらの一連の対応が、現在の世界トップ・タイヤメーカーとなる基盤となっている。

コンプライアンス ガイドブックは、 社員とコンプライアンスを 結びつける

企業の想いと求める働き方を繋げる

コンプライアンスガイドブックは、社員一人ひとりを規則で縛るのではなく、一人ひとりが守るべきことをしっかりと守ったうえで、自らが行動できるように企業の想いと働き方を繋げるコミュニケーションツールです。
日々実践して欲しいことを取り組み姿勢(スタンス)としてまとめ、また日々の業務の中で、トラブル等の困ったことが起きたときに適切な「初動対応」がとれるよう、具体的な対応方法を盛り込みます。
コンプライアンスガイドブックにより、社員としての誇りと、高い倫理観にもとづいた行動の実践を促進し、ステークホルダーからの信頼を得て、「社会に貢献する企業」ブランドを創出していきます。

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