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人事制度改定の方法は?人事制度が抱えやすい課題についても解説

2022/11/10(最終更新日:2022/11/10)

#インナーブランディング #会社経営

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人事制度改定の方法は?人事制度が抱えやすい課題についても解説

人事制度とは、企業が抱える従業員の処遇に関する仕組み全般を指します。企業にとって欠かせない人材を上手にマネジメントするためには、会社の組織運営に携わる全員が人材制度について十分に理解しておくことが重要です。

しかし、人材制度において何らかの問題を抱える企業も少なくありません。人材マネジメントを円滑に進めたい場合は、まず自社に何らかの問題が発生していないかを明らかにした上で、人事制度の適切な見直し・改定が必要となります。

そこで今回は、人事制度の基本情報から、人事制度に発生しやすい問題点、人事制度改定の方法まで詳しく紹介します。「人事制度を見直したい」と少しでも考えている企業経営者・管理職・人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

人事制度とは?

そもそも人事制度とは、広義と狭義とで考え方がやや異なることが特徴です。広義の人事制度は、労務管理や教育・育成などを含めた人材の「管理」に関する仕組み全般であり、狭義の人事制度は人材の「処遇決定」に関する枠組みを指します。当記事では、狭義の人事制度について紹介します。

人事制度には、下記の3つの柱があります。それぞれの柱は、各従業員の処遇が決まる根拠となることが特徴です。

(1)等級制度

社員のスキルや能力、職務レベルに応じて定義された「等級」にもとづき、社員区分や給与を決定する制度のことです。「職務等級制度」「職能資格制度」「役割等級制度」は、代表的な等級制度と言えます。

(2)評価制度

一定期間における社員の成果や能力を評価する制度のことです。評価結果は、等級や給与に反映されます。「職務評価」「能力評価」「成果評価」が、代表的な評価制度です。

(3)報酬制度

社員の給与や賞与、手当、退職金を決定する制度のことです。等級制度や評価制度で決定されたレベルにもとづき、報酬が決定されます。等級制度・評価制度の結果に影響する制度と言えるでしょう。

 

人事制度に発生しやすい問題点

人事制度の運用において、あらゆる課題に直面することも度々あるでしょう。事態の深刻化を防ぐためにも、いち早く課題を認識した上で適切な解決策を講じることが大切です。特に、下記のような課題点があるときは、人事制度の改定を検討するとよいでしょう。

  • 多様化した働き方に対応できない
  • 評価制度への理解度が低い
  • 人事制度の整備・運用がされない

ここからは、なぜ上記のような問題が発生するのかといった原因と解決法を詳しく解説します。

 

多様化した働き方に対応できない

働き方改革が叫ばれる近年、多くの企業でフレックス制度・時短勤務・テレワークが導入されています。また、日本政府が副業を推奨したこともあり、労働者の副業・ダブルワークを認める企業も大幅に増加しました。これにより、従来の戦略人事制度では多様化した働き方に対応できない箇所が出てくることも想定できます。

働き方の多様化や労働環境の変化は、今後も進むと考えられます。問題のさらなる深刻化を防ぐためには、働き方の多様化に応じた人事戦略立案や人事制度の見直し・改定が必要です。

 

評価制度への理解度が低い

人事評価制度を運用している企業は多い一方で、人事担当者や管理者を含む経営陣から評価対象者である社員の全員までもが、評価制度の概要と重要性を理解しきれていないというケースも珍しくありません。評価制度をきちんと導入していても上手に活用できていなければ、正しい評価が行えず、社員のモチベーションを下げてしまう可能性もあります。

評価制度への理解度が低まる原因には、「そもそも評価制度の導入時から明確な目的がなかった」「評価制度について十分な周知ができていなかった」の2点が主に挙げられます。

評価制度に対する社員の不満が大きくなると、人材不足の深刻化にもつながるでしょう。人材不足の深刻化を防ぐためには、評価制度の目的を明確にした上で対象社員全員に周知し、組織全体で評価制度への理解度を高めなければなりません。状況に応じて、適切な評価制度への見直しや全面改定も必要です。

 

人事制度の整備・運用がされない

人事制度をきちんと運用するためには、時間をかけてでも十分に整備することが重要です。しかし、整備に必要な時間を確保していない企業の場合、適切な人事制度を整えることはもちろん、人事制度に重要となる社員との対話・面談も実施できなくなってしまいます。

とは言え、人事制度や人事評価システムの構築・整備のための時間を確保するには、それだけ人手やコストも必要です。人手やコストを確保すれば解決する問題ではあるものの、余裕のある中小企業は少なく、かつ早期退職者が増加傾向にある近年、スムーズな解決が困難であることも実情です。

 

人事制度改定の方法は?

売り手市場とも言われる近年、企業は人材確保・多様化した働き方への対応に向けて、人事制度の適切な見直し・改定が求められています。しかし、人事制度改定の具体的な方法を理解できていないという担当者の方も多いのではないでしょうか。

人事制度改定の主な方法・手順は、下記の通りです。

  • (1)現状を把握する
  • (2)基本的な方針を決める
  • (3)人事制度を見直す
  • (4)目標管理制度を見直す
  • (5)実際にシミュレーションする

ここからは、手順に沿って具体的な人事制度の改定方法を詳しく説明します。

 

現状を把握する

人事制度を改定する際は、必ず最初に現状把握から行いましょう。現行の人事制度を理解するだけでなく、よい点・課題点まで洗い出すことが大切です。よい点・課題点を洗い出すためには、人事制度と経営理念の方針にズレが生じていないかといった点を確認したり、従業員アンケートを実施したりするとよいでしょう。

現状把握の工程を踏むことによって、今後の方針や改善点を発見できるだけでなく、変更すべきでなかった点まで見直してしまうという事態の防止にもつながります。

 

基本的な方針を決める

現状把握によって現行の人事制度のよい点・課題点を洗い出した後は、人事制度改定における基本的なコンセプトや方針を固めます。基本コンセプトは、主に明確化した課題にもとづいて設計することがおすすめです。

決定したコンセプト・方針は、後に定める具体的な見直し項目のベースとなります。経営理念はもちろん、現行の人事制度から「残したほうがよい」と判断した箇所とマッチしているかもあわせて確認しておきましょう。

 

人事制度を見直す

基本コンセプト・方針を設計したら、いよいよ人事制度の具体的な見直しに進みます。各項目に細かく分けて、洗い出した課題の解決策を考案しましょう。等級制度を見直した後、評価制度と報酬制度を見直す、という順番で行うことが基本です。

等級制度・評価制度・報酬制度は、それぞれ重要なポイントが異なります。等級制度は、どのような制度を採用するかはもちろん、設定する等級数についての見直しも必要です。そして、評価制度は社員のモチベーションを大きく左右する要素となるため、公平性のある評価基準をより具体的に設定するとよいでしょう。

また、報酬制度では等級制度・評価制度の相互影響に応じた適切な報酬の反映がされているか・労働基準法に反していないかなどの確認も欠かせません。他企業の水準も参考にしつつ、慎重に解決策を考案することが大切です。

 

目標管理制度を見直す

人事制度の具体的な見直しが終わったら、目標管理制度(MBO)の見直しも進めます。目標管理制度とは、各社員に個人目標を定めてもらった上で、業務進捗や達成度合いに応じて人事評価を行うマネジメント方法のことです。社員の自主性を育てるだけでなく、やりがいを得られる仕組みであることから、非常に注目されています。

目標管理制度の見直しにおいては、「評価基準が不明瞭となっていないか」「現実的な評価基準となっているか」「全社員を同じ基準で評価できるか」の3点に着目しましょう。これらをクリアできていない場合、改定後の人事制度による適切な評価は反映されません。すべての社員がモチベーションを維持しながら仕事に取り組めるよう、目標管理制度の再設計を進めましょう。

 

実際にシミュレーションする

人事制度と目標管理制度の見直しが終了した後は、すぐに導入するのではなく、改定後人事制度のシミュレーションを実施しておきましょう。全社員に向けて一定期間、試験的にシミュレーションを実施するケースもあれば、一部の社員のみを対象に実施するケースもあります。

シミュレーションを実施する際は、対象となる社員一人ひとりにしっかりと説明した上で、協力体制を整えておくことが重要です。また、シミュレーションを実施する中で社員から不満や意見が見られた場合は傾聴し、内容に応じて改善策・対応策を検討するとよいでしょう。

 

まとめ

人事制度とは「会社が抱える従業員の処遇に関する仕組み全般(広義の人事制度)」や「従業員の処遇決定に関する枠組み(狭義の人事制度)」のことです。当記事では、後者の「狭義の人事制度」について説明しました。

人事制度の改定を行う際は、現状把握や基本方針の決定から始めて、人事制度・目標管理制度ごとに具体的な見直しを行った後、実際にシミュレーションを実施することがおすすめです。

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