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ニトリの島忠買収から紐解く、インナーブランディングの重要性

2021/07/13(最終更新日:2021/09/14)

#インナーブランディング #ブランディング事例

ブランディングニュース

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島忠をめぐるTOB、DCMとの争奪戦に

家具大手のニトリホールディングスが2020年11月13日、島忠を完全子会社化すると発表した事はまだ記憶に新しいだろう。島忠をめぐっては、ホームセンター大手のDCMホールディングスが完全子会社化に向けてTOBを実施しており、ニトリとDCMによる争奪戦に発展した。島忠はDCMホールディングスによるTOBへの賛同を取りやめ、DCMより高いニトリの買収価格を決め手とし、ニトリ案の受け入れに転じたのである。

「お、ねだん以上。」ニトリのブランド戦略

ニトリといえば「お、ねだん以上。」というコンセプトで知られる、家具・ホームファッションの専門店。最近は郊外だけではなく都心部への出店も目立ち、34期連続での増収増益を達成した。

良いものを安く提供する為、「SPA」というビジネスモデルを採用しデザインから物流、販売までを自社内で行う事でコストを削減。商品のほとんどがPB(プライベートブランド)であり、他店に同じものがなくデザイン性に優れて安いものを提供できるという強みがある。

さらに最近では新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要の増大で、販売が好調に推移しておりECの売上高も大幅に増加した。

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島忠の強みは首都圏集中

一方島忠は、バブル崩壊後雇用を求め首都圏に集中した人口を確実に取り込むべく、首都圏を地盤とした地域密着型の店舗戦略を重視してきた。さらに店舗の魅力を高めるためにホームセンターだけではなく飲食、食品スーパー、アパレルなど分野の異なる事業を加える事で集客とテナント収入を確保してきたのである。

しかし自社物件を多数保有しているものの、都心部に大型店を出店するというビジネスモデルゆえに、店舗開発に時間がかかる事や自社ブランド開発が課題であった。

またドラッグストアも競合として意識されるなど、ホームセンターの競争環境はさらに厳しくなることが予想されるなかで、企業規模を拡大しないと生き残りが難しくなる恐れもある。TOBが行われた背景はこうした理由からだろう。

初の融合店舗「ニトリホームズ宮原店」リニューアルオープン

そんな中、ニトリは2021年6月11日、埼玉県さいたま市の「ホームズ宮原店」を改装し、ニトリと島忠の初の融合型店舗「ニトリホームズ宮原店」としてリニューアルオープンした。

1階にホームセンター、2階に家具・ホームファッションを配置しニトリと島忠の商品を展開することで、ニトリと島忠のほぼ全ての商品を取り揃えた店舗となった。

 

この融合店舗第1号店の店長に抜擢されたのは「ニトリ」で店長経験を積んできた「ニトリ」の社員。ニトリで経験を積んできたスタッフたちも、島忠のスタッフと積極的にコミュニケーションを図りながら、現場を理解しようとする姿勢で挑んだ。一方で、島忠の社員たちからすると競合であり業界トップを走り続けているニトリが今日から同じ仲間である、というのは受け入れるのが難しい問題でもある。

戦略の違いから見える意識統一の難しさ

さらに、もともと自社のPB商品が主力の「ニトリ」に対し、「島忠」は様々なメーカーから目利きして仕入れる。店舗運営も「ニトリ」は徹底的に効率化している一方で、丁寧な接客が売りとなっていた「島忠」。

この全くと言ってもいいほど違う戦略の両社の社員を、管理職がマネジメントしていく事が課題となってくるだろう。

インナーブランディングが鍵に

両社の良いところを掛け合わせた戦略、というのは一見良さそうに聞こえる。しかし企業文化や体制が違った企業が融合する場合、社員は何を目的とし、何をこころがけながら日々の業務に取り組むべきか、見えにくくなってしまうケースが多い。M&Aは、その後の統率のとり方が企業の命運を握ってといっても過言ではない。

私たちの会社は社会に何を提供しているのか?お客様からどのようなイメージを持たれる会社なのか?

M&Aというタイミングで、今一度会社の想いや立ち位置を明確にすることで、社員たちの意識を統一し、ベクトルを揃えることが可能だ。

逆に言えば、ここを曖昧なままにしておくと、二つの企業文化がバラバラに混在した状態が続き、経営やマネジメントに問題が発生しかねない。

企業の社内ブランディングは、インナーブランディングと呼ばれ、今注目度を上げている。特にM&Aや事業承継というタイミングは、間違いなく企業にとってインナーブランディングに取り組むべき機会である。

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