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『北欧、暮らしの道具店』に見る、ブランドをつくるストーリー

2021/03/04(最終更新日:2021/03/04)

#アウターブランディング #ブランディング事例 #ブランド構築

ブランディング

GDPが伸び悩む一方、成長しているのがEC業界だ。そのため多くの企業がECに参入しているが、そこで大事になってくるのがブランディングである。業績が好調な企業とそうでない企業の明暗が分かれる中、消費者が求めているのは、どんなサービスや製品なのだろうか。

GDPはマイナス成長の中、ECとコンテンツ配信が伸長

この1年はとても大きな変化のあった1年であったが、もっとも大きく変わったのは消費動向ではないだろうか。

先日15日、内閣府は2020年の国内総生産(GDP)速報値を発表した。これによると、7~9月期、10~12月期と前年比で伸びた期もあったが、通年だと4.8%減。リーマンショックがあった2009年以来の11年ぶりのマイナス成長であるという。7~9月期、10~12月期はGOTOキャンペーンがあった時期。政府の施策が経済効果を押し上げた一面もあったが、通年としてはふるわない結果となった。

出歩くこともはばかれ、人によっては収入も不安定な状況である。大きな買い物をしたり、遠出をして消費をしたりする人は、少なかったのだろう。

一方で、伸びている状況にあるのがECやコンテンツ配信だ。JCBとナウキャストは、JCBカードの取引データを活用した国内消費指数「JCB消費NOW」を用いて、2020年1月から12月までの消費動向の総括を発表した。これによると、ECとコンテンツ配信は、安定的な伸びを見せている。

 

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EC・D2Cが伸びている背景には、ブランドに求める価値観の変化が

ECの活用は、多くの小売業にプラスに働いている。「アパレル」「医療品・化粧品」は、対面消費の減少分を上回る伸びをEC売上で記録。「飲食料品」も、対面売上の減少分をECでカバーしているという。

また意外に思うかもしれないが、BtoBにおいてもECの活用は伸長している。今回のコロナ、またDX(デジタルトランスフォーメーション)の追い風を機に、受発注システムを新たに導入する企業が多いのだ。タブレット端末でも操作しやすいUIを開発することで、現場やテレワークなど、職場以外からの発注に対応している。

さらに現在伸びているのが、D2C(ディーツーシー)という分野だ。D2Cとは、Direct to Consumer(ダイレクトトゥコンシューマー)の略で、消費者直接取引と訳される。中間流通業者を通さず、自社のECサイトを通じて製品を顧客に直接販売する形態を指す。

これは従来の小売と比較して中間流通業者を通さないため、低コストで販売できたり、消費者の個人情報(趣味嗜好、購入頻度、決済額など)がダイレクトに手に入り、それを掌握できるなど様々なメリットがある。

しかし、商品やサービスを直接売るという点では従来の通信販売と大差はない。今改めて注目されているのは、企業やブランドに求める消費者側からの価値観が変化しているということだ。

より重要性を増す、ブランドの背景にあるリアルなストーリー

消費のキーワードは、機能を求める「モノ消費」ではなく、ブランドを通じて得られる体験価値を中心とした「コト消費」と言われて久しいが、ECビジネス、特にD2Cビジネスにおいてはサイトから直接購入ができるため、ブランディングがより重要になっていく。

インターネット上で商品を販売しているのは自社だけではない。ありとあらゆる企業が商品を販売しており、消費者は膨大な情報から、自分にあった製品やサービスを探すことになる。

サイトの滞在時間は数秒から長くても数十秒だろう。短い時間のなかで、「なんかいいな」と感じてもらうには、ブランドやストーリーへの共感がより重要性を増すのだ。

消費者は、ブランドの背景にあるリアルなストーリーを大切にし、自分に合った情報を取捨選択する。広告を嫌い、透明性を大切にする。一部ではこれを「イミ消費」と呼ぶ動きもあるが、単にテレビCMで見たから、知名度が高いからというのではなく、その言葉の通り、自身がそのブランドを選ぶ「意味」を大切にして、購買行動を起こすのだ。

 

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ブランディングECの先駆者である『北欧、暮らしの道具店』

「ブランドのストーリー」「世界観」を大切にして成功している企業に、『北欧、暮らしの道具店』というECサイトがある。

こちらでは北欧をはじめとする様々な国で作られたインテリア雑貨、またオリジナル商品ブランドのアイテムを販売している。

北欧の家具や雑貨は日本でも人気だが、同サイトでは商品を単に並べるのではなく、記事コンテンツを中心として、その商品が生まれた背景、どのような想いを持って作られたかなどを併せて語ることにより、商品にまつわるストーリーも同時に訴求している。

また『【シャンプー迷子、卒業しました】愛用歴1年。スタッフ2人がこのシャンプーを選んだ理由』のように、等身大かつ日々の生活に密着した形で商品を紹介しているのが特徴的だ。記事を読むとわかるが、近所の友人が「このシャンプーいいよ」と話すように、オススメを紹介している。テレビCMのように有名芸能人を起用せず、ブランド価値を高めているのだ。

『北欧、暮らしの道具店』はそのほかにも、様々な切り口のコンテンツで商品を紹介しているが、すべての根底には<サイトのブランディング×商品×ストーリーで伝える>という方法がある。EC全般の市場が伸びている時代、この発想はあらゆる企業において必要となっていくと思う。

まとめ

ブランディングというと、広告イメージでの訴求が思い浮かぶ。しかしコンテンツとの掛け算をして、サイト上でブランディングを行なっていくことは十分可能だ。もちろんその背景には、どのようなブランドを作りたいかという思いが大事になってくるが、それを形にして、継続的に訴求することが、大きな付加価値を生んでいく。

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