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エニタイムフィットネスが描く、新しいブランド像

2020.12.17

#イマジナ・ブランディングニュース #ブランディング事例 #ブランド構築

大躍進を続ける企業に、今年東証マザーズ上場したエニタイムフィットネス(ANYTIME FITNESS)がある。ジム業界において、革新的なビジネスモデルで成長を続ける同社だが、その背景には創業者の素朴な想いがあったことを知っているだろうか。

1年半で、500店舗から800店舗に拡大した
エニタイムフィットネス

エニタイムフィットネスという、フィットネスジムがある。紫色のブランドカラーで構成されたロゴが特徴的で、全国様々な箇所に店舗を有しているため、看板を目にしたことのある方も少なくないだろう。

現在、世界28カ国に5,000店舗を有し、日本では今年8月に、国内出店数が800店舗を達成したというニュースが流れた。2019年3月頃には500店舗であったというから、新型コロナウイルスの影響が懸念されるこの1年半で160%以上、店舗数を増やしている計算になる。今、非常に伸びているフィットネスジムであり、ブランドなのだ。

エニタムフィットネスの誕生は2002年。創業者であるチャック・ラニヨンとデイブ・モーテンセンは、日々ジムに通うなかで、「マニアでも何でもない、ごく普通の人たちにとって、本当に必要なフィットネスジムって、どんなモノなのだろう?」という疑問を持ったという。

確かにジムというと、マッチョな男性が、汗をダラダラとかきながら黙々とトレーニングに打ち込んでいる……そのような光景が目に浮かぶ。慣れていない人は萎縮してしまい、入会したものの居心地が悪く通わなくなってしまったというのはよくある話だ。チャックとデイブは、このような状況をなんとかしたいという思いがあった。

 

これまでのジムとの違いは、そのシステムにある

「私たち、ごく普通の生活者に必要なのは、過剰なサービスでもラグジュアリーな空間でもなく、かといって、ベルトコンベアに載せられた工業製品の様な扱いを受けたい訳でもない……。ちょうどよい空間と、親切でフレンドリーなサービス、そして何より、『ワークアウトしよう!』という、やる気を決してムダにしたくなかったのです」。コーポレートサイトで、チャックとデイブは創業時の想いをこう語っている。2人はアメリカのミネソタ州・ミネアポリスに1号店をオープン。その後、アメリカ国内はもとより、世界で成長しているのは、冒頭の通りだ。

エニタイムフィットネスとそれまでのジムの大きな違いはシステムにある。特徴は「24時間年中無休」「低価格(月会費1万円以下に設定)」「マシンジム特化型」「一度登録すると全店利用可能」といった、これまでのフィットネスジムとは真反対のものだ。通常であれば、ジムは昼間に営業しており、月会費は1万円以上。登録した1箇所のみに通うことができる。しかし、これでは通いたい時に通えないし、どんなに施設が充実していても、通えない月があれば、少々割高に感じてしまう。また引っ越しをした際などは登録店舗を変更する手間が発生するため、不便を感じることも少なくなかった。

エニタイムフィットネスはこのような業界の「不」をつき、まさに逆転の発想でビジネスを構築したのだが、このモデルが「これまでジムに通ったことはないけど、通ってみたい」「自分の好きな時間にトレーニングをしたい」という一般消費者のニーズに合致した。このモデルであれば、場所と時間を問わず通えるので、「仕事の合間に、会社の近くのジムにちょこっと通う」「家に帰れば、家の近くのジムに通う」ということもできる(世界のジムが利用可能なので、海外出張の際に使うこともできる)。多くの人がなんとなく壁を感じていたフィットネスジムという存在を、エニタイムフィットネスはより身近にしたと言えるだろう。

「昨日より気分が良ければいい」。
押し付けのないブランドメッセージ

そんなエニタイムフィットネスに、実は筆者も3年ほど前から通っているのだが、すべてのジム内にはテレビがあり、そこでエニタイムフィットネスに関するニュースがよく流れている。

ある日、何気なくテレビを見ていたら、創業者のチャックが、ジムのあり方についてこのように語っていた。「ジムに通うからといって、誰もがマッチョになる必要はないし、必ず健康でいなければいけないだなんて、私たちはまったく考えていません。ただ昨日よりも、少しだけ気分がよくなればいいのです」。

何気ない一言であったが、この一言に、エニタイムフィットネスのブランドの本質が隠れているのではないかと感じた。エニタイムフィットネスの企業理念は「ヘルシアプレイスをすべての人々へ!」。別にマッチョにならなくていいし、掲げたトレーニングを完遂しなくてもいい。ジムという場所通じて、その人の毎日が、昨日より少しでも輝かしいものになればそれでいいのだ。そんな想いが根底にあるから、これまでのジムの常識を覆し、成功することができたのではないか。トレーニングをしながら、こんなことを考えていた。

 

まとめ

運動は嫌いでも、「汗をかく心地よさ」は誰もが知っている。「昨日よりも気分がよい状態でいたい」というのは、人類共通の欲求である。ユーザーが増えている背景には、単に利便性や価格だけではなく、思想やブランドが全世界の店舗で共有されており、共感を生んでいるということがあるのではないだろうか。

ジムやスポーツ業界は古くからあるが、既存の業界でも、想いと視点の違いで成功することができるのだということを、エニタイムフィットネスは教えてくれた。

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