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マーケティングミックスの事例~4Pを活かしてマーケティングを成功させるための方法

2019.12.26

#スペシャルコンテンツ

「どのようなユーザーにどんな価値を、どうやって提供するのか」を決めるのが、企業のマーケティング戦略ですが、最近そのマーケティング戦略の一つである「マーケティングミックス(4P)」に注目が集まっています。

 

マーケティングミックスとはどのような手法なのか、「4P」「4C」の用語解説や企業の導入事例も取り入れながら紹介します。

マーケティングミックスの意味

マーケティングミックスとは、マーケティング戦略の一つであり、ターゲットユーザーに働きかける具体的施策を考える役割を果たします。

 

企業がある製品やサービスを売るためには、販売計画、パッケージデザイン、価格、ブランディング、流通経路、販促手段、市場調査等々、さまざまな背景を考えなければなりません。単に「デザインがいい」「安い」という理由だけで製品やサービスが売れるとは限らず、これらの1つ1つの要素をミックスさせて最適な状態にする必要があります。この考え方を、マーケティングミックスと呼んでいるのです。

 

マーケティングミックスを実行する際には、「4P」「4C」という概念の理解が欠かせません。「4P」「4C」について、以下に詳しく解説します。

「4P」とは、製品を売るために考えるべきことの中でも、“企業=売り手側”の目線から見た以下の4項目を重視するという考え方です。

 

【4P理論】
●Product(製品)
●Price(価格)
●Promotion(プロモーション)
●Place(流通)

 

Product(製品)とは、その企業の利益の元となる製品・サービスを指します。

 

これは製品・サービスそのものだけでなく、品質やデザイン、製品名、パッケージなども含まれており、「この製品・サービスによって、どのような顧客ニーズを満たせるか」を包括的に考えなければなりません。

 

Price(価格)とは、自社製品・サービスの販売価格のことです。

 

価格の設定によって、どのようなユーザー層をターゲットとするのかが決まります。製品やサービスの価格は、ユーザーの購買行動に強い影響力を持つため、「購入してもらえる価格か」「製品・サービスの価値に見合った価格か」「適正な利益を得られる価格か」といった議論が不可欠です。

 

Promotion(プロモーション)とは、ユーザーに製品・サービスの存在を知ってもらい、購買行動を起こさせるための戦略のことです。

 

代表的なプロモーションの例としてCMや広告などがありますが、近年ではインターネット広告の比重が高まっています。また、プロモーションのやり方を誤ると、逆効果になってしまうこともあるため、ターゲット層や予算などに合わせて慎重に検討する必要があります。

 

Place(流通)とは、製品・サービスを市場に流通させるための流通経路や販売する場所のことです。

 

実在店舗としてはスーパー、コンビニ、SC、百貨店などがあり、近年は実店舗以外のオンライン通販も主流です。同じ商品でもコンビニと高級スーパーで売られている場合とでは、ユーザーは違った印象を持つため、購買行動にもつながる大事なポイントです。

マーケティングミックスの「4C」とは

「4P」に対して、「4C」とは“顧客=買い手側”の目線から見た以下の4項目を重視するという考え方です。

 

【4C理論】
●Consumer Value(顧客にとっての価値)
●Cost(コスト)
●Communication(コミュニケーション)
●Convenience(流通の利便性)

 

Consumer Value(顧客にとっての価値)とは、製品・サービスがユーザーにもたらしてくれる価値のことで、4PにおけるProductにあたります。その製品・サービスを購入することでどのようなメリットがあり、どのようなソリューションが与えられるのかを考えます。

 

Cost(コスト)とは、その製品・サービスを手に入れるために、ユーザーが支払わなければならない対価のことです。4PのPriceにあたり、これには商品・サービスを実際に手にするまでにユーザーが費やす時間や労力なども含まれます。

 

Communication(コミュニケーション)とは、4PにおけるPromotionにあたります。4Pでは、企業がユーザーに対してどのようなアプローチをするかという点を考えますが、4Cでは逆に、ユーザー側から企業側へ接触するコミュニケーション手段について検討します。

 

Convenience(流通の利便性)とは、製品・サービスがユーザーにとって手に入れやすい場所にあるかどうかを考えます。4P分析でのPlaceにあたり、ターゲットの生活スタイルや住んでいる場所・地域の特性などから最も手間をかけずに製品・サービスやその情報を入手できる方法を考えます。

マーケティングミックス(4P)の事例

マーケティングミックスを活用してマーケティングを成功させるための参考として、実際にマーケティングミックス(4P)を導入した企業の成功例・失敗例を紹介します。

スターバックス

 

スターバックスはコーヒー豆の挽き売り専門店として、アメリカ・シアトルで1971年に創業されました。実質的な創業者であるハワード・シュルツ氏が、ミラノ出張の際に現地のカフェ文化に魅了されたことにより、1987年より本格的なカフェ事業に乗り出したのです。

 

シアトルの小さなコーヒーショップに過ぎなかったスターバックスは、今や世界中で知らない人のいない一大カフェチェーンへと成長しています。

 

【Product(製品)】
スターバックスは、世界中に店舗を展開しているカフェチェーン店ですが、提供する商品は国によって少しずつ種類が異なります。例えば、抹茶クリームフラペチーノや抹茶ティーラテなどの“抹茶系ドリンク”は、日本とごく一部の国のみで提供される商品です。

 

また、実は他国にはトールより小さい「ショートサイズ」もなく、小食な人が多い日本独自のサイズ展開になっています。国によって、その国民が好む味付けや提供商品を変えることで、ファン層を拡大しています。

 

【Price(価格)】
スターバックスのドリンクは1杯300円~500円台で、他のカフェチェーンやコンビニのセルフコーヒーよりは割高ですが、ホテルのラウンジや昔ながらの喫茶店よりは安いという、絶妙なラインに設定されています。これは、今までホテルのラウンジや喫茶店でコーヒーを飲んでいた層をターゲットにして、割安感を与えるためです。

 

逆に、これよりも安い価格でコーヒーを飲んでいる層はターゲット外とし、顧客層をきちんと切り分けていることも勝因となっています。

 

【Promotion(プロモーション)】
スターバックスは広告宣伝活動を一切行わず、ユーザーからの自然発生的な口コミとPRのみでプロモーションを行ったことは有名です。

 

プロモーションの際に企業側が打ち出したコンセプトは、「家と職場に次ぐ、落ち着ける第三の場所=サードプレイスを提供する」というもの。また、マイタンブラー等を持ち込んだユーザーには少し安くコーヒーを提供するという、ユニークな施策も話題となりました。

 

スターバックスのロゴがさりげなく入ったカップやタンブラーをユーザーがテイクアウトすることで、他社への認知度を自然に高めることにも成功しています。

 

【Place(流通)】
スターバックスのターゲットが、一杯500円以上のコーヒーを好んで飲んでいたリッチ層と、おこづかいにゆとりがあるビジネスマンだったため、店舗立地でインパクトを与えるべく、銀座に一号店を出店するというマーケティング戦略を打ち出しました。

 

この戦略がターゲットに印象付けたことは、「立地も店の雰囲気にも高級感が漂い、味もしっかりしている中で割安である」というブランディングでした。

 

【マーケティングミックスの結果】
スターバックスが日本進出してから約四半世紀が経ちましたが、国内売上は2015年時点で1,200億円超、店舗数も1,000店舗を超え、47都道府県制覇も達成しました。

 

これだけスターバックスが広く浸透しているのは、ターゲットとしてとらえた層が的確だったことと、コーヒーそのものの味の良さ、そして店のコンセプトである“サードプレイス”として活用する方が多いという複数の理由が挙げられるでしょう。まさにマーケティングミックス(4P)の成功としての好例です。

 

 

ニトリ

 

大手家具・生活雑貨メーカーのニトリは、「お、ねだん以上。」のキャッチコピーが広く知られるように、低価格で高品質な商品がヒットし、年々顧客数と売上高を伸ばしています。

 

もともとは創業者の似鳥昭雄氏が札幌に開いた小さな家具店から始まった会社で、一時は経営難に陥りましたが、似鳥氏がアメリカの家具に影響を受けたこと、そしてマーケティングの成功により、業績を回復させています。

 

【Product(製品)】
ニトリが提供する商品は、顧客ニーズ優先の製品開発と、誰にでも買いやすい安価な値段設定が特徴です。「こんな物が欲しかった」「他店で見たけと高くて買えなかった」という顧客の欲求に応えて、新商品の開発にも意欲的で、スキレット鍋や滑らないハンガーなどの大ヒット商品を連発しています。

 

まさに「お、ねだん以上」のキャッチコピーを体現しており、独自のブランド確立にも繋がっています。

 

【Price(価格)】
企画、デザイン、製造、物流、販売などを全て自社で行うことにより、徹底した低コスト化を実現。価格帯を限りなく安く設定することが可能となり、スゥエーデンの低価格家具メーカー「IKEA」にも引けを取らないと評判です。「物によっては100円ショップよりもお得」という場合もあり、主婦や学生層を中心に人気が広がっています。

 

「安かろう悪かろう」ではなく、値段相応もしくはそれ以上の品質を保っていることからも企業努力が伺えます。

 

【Promotion(プロモーション)】
寝室であればベッドフレームからマットレス、布団・まくらなどの三点カバーまで、トータルコーディネートができるのがニトリの強みです。郊外型の大型店舗が多いことを活かし、ショールームに実際のトータルコーディネート例を展示して、顧客のまとめ買いを促進しています。

 

またターゲット層の刷新にも敏感で、リーマンショック後は年収200~500万の顧客層が中心でしたが、2013年頃からは年収800万ほどの層をターゲットに。近年は都心部への出店を繰り返し、それまでのメイン顧客の30代、40代だけでなく、20代や50代以上まで幅広い層に受け入れられています。

 

【Place(流通)】
ニトリは実店舗での販売と、オンラインストアがメインです。郊外に大型店舗を出店することで、家具、カーテン、雑貨などがすべて同一店舗内で揃う利便性を実現しました。

 

一部店舗では、マイカーを持っていない顧客には持ち帰り用の軽トラックを無料で貸し出すサービスも行っており、4C理論のConvenience(流通の利便性)から見ても満足のいくかたちとなっています。

 

【マーケティングミックスの結果】
上記のようなマーケティングミックス(4P)の結果、ニトリは順調に業績を拡大。2015年の売上高は4,000億円、店舗数は400店舗を達成しています。日本経済新聞社と日経広告研究所が2015年に行なった、流通関連企業のイメージランキングでは、ニトリは「顧客ニーズへの対応に熱心」で1位、「研究開発力・商品開発力が旺盛」で4位を獲得するという快挙を成し遂げています。

マーケティングミックス(4P)の失敗例

上記はマーケティングミックス(4P)の成功例ですが、失敗例はどのようなものがあるのでしょうか。ある化粧品会社を例に挙げ、失敗談をご紹介します。

 

某化粧品会社

 

ある化粧品会社では、40代の女性向けに肌の調子を整えるための保湿クリームを製造・販売し、大々的なプロモーションを展開しました。

 

【Product(製品)】
40代女性の乾燥しがちな肌を潤せるように、研究開発を重ねて保湿成分をたっぷり配合したクリームを開発しました。このクリーム一つで、同時にエイジングケアも行えます。

 

【Price(価格)】
高級感あふれる赤いパッケージで、30gの内容で5,000円に価格を設定。40代向けの保湿クリームとしては高すぎず、安すぎず、ちょうど良い価格帯です。

 

【Promotion(プロモーション)】
発売に合わせてテレビCMを流し、CMには大人気の女優を起用しました。

 

【Place(流通)】
40代女性がよく利用するデパートの化粧品売り場で販売しました。

 

【マーケティングミックスの結果】
この商品は、発売直後は20代女性に人気が出て一定の売り上げも確保できましたが、口コミサイト等での評価が低くリピーターを獲得できなかったため、早々に製造中止となってしまいました。

 

これはCMによるイメージングの失敗が原因とされています。CMに起用したのが20代女性に人気の女優だったため、そのターゲット層の認知が高まり購入につながりましたが、いざ使ってみたら、40代女性用のクリームは20代には濃厚すぎたようです。年齢層が合わない商品は「べたつく」「肌に合わない」などと酷評され、その口コミを見たユーザーは商品から離れてしまいました。

 

しかし、口コミを40代に絞って見ると高い評価を受けていたので、クリーム自体の品質は良かったのです。もし、CMに40代女性に人気の女優を起用していたら、ロングセラー商品となっていたかもしれません。

 

これはプロモーションとその他の要素がかみ合っていないために起こった、マーケティングミックス(4P)の失敗例です。

マーケティングに4Pを上手く活用するためのポイント

これらの成功・失敗事例からは、4Pを上手く活用するためのポイントが以下のように整理できます。

 

【マーケティングに4Pを上手く活用するためのポイント】
●4Pの矛盾を解消する
●4Pのバランスを取る
●4Pの相乗効果を実現させる

 

4Pの矛盾を解消するとは、4つの要素の中でバランスの取れていないところがないかを精査するということです。

 

たとえば、厳選された食材を用いて作った高級なシュークリームを、スーパーで1個100円のシュークリームと並べて売ったところで、勝負になりません。デパ地下など、商品にふさわしい適切な場所で販売するべきでしょう。

 

4Pのバランスを取るというのも同じような意味で、100円ショップで売るような商品をテレビCMを流してまで宣伝すると、かえって赤字になってしまいます。商品価値に見合った、費用のかからないプロモーションを考えなくてはなりません。

 

4Pの矛盾を解消しバランスを整えた後は、相乗効果が期待できます。低価格のスーツをPB(プライベートブランド)化し、デパートではなく自社店舗でのみ販売、在庫管理を徹底して無駄を出さないといったように、4Pがそれぞれ引き立て合って利益をもたらしてくれるのです。

まとめ

企業がマーケティングの成果を最大限に高めるには、マーケティングミックスを上手に使いこなすことが欠かせません。「4P」「4C」の違いを理解し、成功例と失敗例を自社の事業に当てはめて考えてみましょう。

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