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企業に関わる全ての人がブランドを作る―マクドナルドの事例から考える

2021.05.20

#イマジナ・ブランディングニュース #ブランディング事例 #ブランド構築

 

新型コロナウイルスの猛威はとどまることを知らず、緊急事態宣言が5月末まで延長され、宣言の対象地域も広がりつつある。そしてその影響を最も受けているといってもいいのが飲食産業だ。時短営業や営業自粛が求められるなかで、廃業する飲食店が後を絶たない。 

このような状況の中で、ファストフードの代名詞とも言えるマクドナルドが、2020年12月期の全店売上高が創業以来、最高売上になったという驚きの発表をした。このコロナ禍において、マクドナルドが躍進を遂げた理由をブランディングの観点から考察していきたい。

テイクアウトが増加した飲食業界で、よりブランド力が重要になってくる

マクドナルドを含めたファストフード業界を見てみると、商品の値段は多少の差はあれども、セットなら500円~1000円に収まることが多い。テイクアウトが増え、店内で食べることが減った昨今、顧客は何を根拠に飲食店を選ぶのだろうか。その要因の一つがブランド力だと考える。ファストフードに限らず、「何となくここがいい」と思われる根底には、ブランド力がある。昼時になるとファストフードのテイクアウト窓口に人が列をなす様子が見られるが、並んででも食べたいと考えるほどのブランド力が、この状況下で売れているファストフード店にはあるのだ。では、その中の一つであるマクドナルドは、どのようにブランド力を作っているのであろうか。

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マクドナルドのブランド戦略

マクドナルドのブランド戦略の大きな柱の一つに、教育がある。今回はこの教育に着目していきたい。

マクドナルドの店舗はクルーと呼ばれるアルバイトやパートによって成り立っている。社員は非常に少なく、店舗の店長だけが社員という状況も珍しくはない。しかし、顧客から見れば社員もクルーも同じマクドナルドの店員だ。社員とクルーで対応や能力に著しく差があれば、顧客からのブランドイメージの低下は避けられない。マクドナルドはそのような事態が発生しないよう、クルーを徹底的に教育している。その教育制度のポイントは、クルー自身に考えさせるということだ。ただマニュアルに従うのではなく、クルー一人ひとりに理念を理解させ、マクドナルドの看板を背負っていることを自覚させることで、社員であってもクルーであっても変わらないクオリティを提供しているのである。

さらに、社員やクルーの中でも、時間帯責任者にはハンバーガー大学という社内機関を活用し、教育が行われる。そこではリーダーとしての心得が教えられる。ここでのポイントの一つに、クルーはリーダーに準じた行動をとるというものがある。マクドナルドではその現象を「リーダーの影」と言っている。当然クルーにも万全の教育を施すが、リーダーがブランドを損失するような行動をした場合、その影響は店舗のクルー全体に及ぶ。そのような事態を起こさないために、マクドナルドはリーダー格の店員にはプラスワンでブランド教育を施している。

当然、マクドナルドは社員教育のみでコロナ禍を乗り切っているわけではない。決算説明資料のなかでも、デリバリーを「今後も大きく成長が期待される、ポテンシャルの高いマーケット」だと言及。2019年12月時点では710店舗にすぎなかったデリバリー対応店舗は、この1年で倍増(1518店舗)している。コロナ以前からデリバリーやモバイルオーダーへの先行投資をしてきたことも売上げの要因の一つに挙げられる。

ただ、マクドナルドの社員教育も、「マクドナルド」というブランド創造に大きく寄与していることは間違いないだろう。実際、マクドナルドはコロナ禍となって以降、一層社員教育に投資している。2021年12月期 第1四半期決算短信において、デジタル端末を使ったトレーニング教材である「デジタルCDP」を日本語以外の5ヶ国語に対応させ、クルーの理解度の向上、トレーニング時間の短縮に繋げていること。また、前述のハンバーガー大学ではオンラインによる授業を継続し、当第1四半期連結累計期間において合計5,920名が受講したと発表した。

ドライブスルーの拡充やモバイルオーダーの対応といったハード面の投資だけでなく、ブランド作りのための人への投資を惜しまない姿勢が、マクドナルドの躍進を生んでいるのではないだろうか。テイクアウトの普及によって勝負できる要素が減った昨今、社員やクルーの教育を徹底し、顧客に食事以上の価値を提供しているマクドナルドの戦略に学ぶところは多いだろう。しかし、ここで忘れてはいけないのは、マクドナルドは新型コロナウイルスが広まったため、急ごしらえで社員教育に力を入れているわけではないということだ。マクドナルドは日本に上陸した1971年から社員とクルーの教育に注力してきた。一朝一夕で完成させたものではなく、長い時間をかけて「マクドナルド」というブランドを作ってきたということである。

 

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企業に関わる人がブランドを作る

マクドナルドはたとえ非正規雇用であるクルーにも、教育を欠かさない。その姿勢がクルーを自走させ、マクドナルドのブランド力を維持・向上することに繋がっている。この事例からわかることは、ブランドは企業に関わる全ての人が作るということだ。それには社員はもちろん、アルバイト・パートも含まれる。いずれ辞めてしまうと考え、教育をおろそかにしていると、企業のブランドを損失させるような事態を引き起こしてしまうかもしれない。

しかし、教育の時間を惜しまず、企業の想いやブランドの共通認識をスタッフにしっかり浸透させることで、その企業で働くことを誇りに思い、ブランド価値向上に寄与してくれるかもしれない。その利益は計り知れないだろう。

もちろん、企業に関わる人すべてに理念を浸透させ、強固なブランドを作っていくことは即席でできるものではない。しかし、今後社会の変化がますます早くなってくる中で、変わらないブランド力は大きな武器になる。マクドナルドにならい、社員の教育からブランド作りを始めて見てはいかがだろうか。

弊社では社員が働くことに誇りを持ち、価値向上に寄与したくなるような企業のブランド作りをしている。ブランド力が大事になってくるこのコロナ禍だからこそ取り組みたい『社員だけでなく顧客も魅力的に感じるブランドづくり』について学べる無料ブランディングセミナーを対面またはオンラインで定期的に開催しているので、ぜひ参加して頂きたい。

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