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Hot HR vol.112 -雇用形態の多様化に対応する

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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統計局が毎月実施している労働力調査で、パート・アルバイト、契約社員、嘱託社員などの
いわゆる「非正規労働者」の割合が35.2%に達した。実に従業員の3人に1人である。
本件については、労働環境の改善、再雇用等、従業員視点で多くの課題が語られている。
本日は、企業経営の視点から、雇用形態の多様化の影響について、考えてみたい。

 

■雇用形態多様化のメリット
企業にとっての多様化のメリットは、言うまでもなく、コスト効率の高さである。
ビジネスの多様化、複雑化に伴って、従業員に求められる専門的スキルが増えつつある。
例えば、財務業務であっても、制度会計、税務、管理会計等、それぞれに高い専門性が
求められるようになっており、社内のリソースだけではまかなえない状態にある。
しかし、業務が専門的であればあるほど、外注費は膨らむ傾向にあるため、一定程度は
社内のリソースで対応せざるを得ない。新たなリソースを確保するまでの間、
契約社員や嘱託社員を雇用することで、不要なコストを抑えるとともに、社内に必要な
ノウハウを蓄積することが可能だ。また、業務によっては繁閑期がはっきりしており、
無期雇用者で対応するには高コストになることがある。この場合も、有期雇用のスタッフの
投入を検討できるが、こちらは法的要件や、コスト面でのメリット・デメリットを踏まえて
しっかり検討したい。

 

■雇用形態多様化の注意点
雇用形態多様化の背景については、様々な意見があろうが、雇用主側と従業員側の双方に
理由がある、と考えることが重要だ。すなわち、雇用主、従業員のどちらか一方だけが、
自らの都合で多様化の恩恵にあやかろうとすると、手痛いしっぺ返しをくらうことがある。
雇用主として企業が注意すべき点は、従業員の意向である。契約社員の中にも、
会社に縛られずに仕事をするために契約社員でいる人材もいれば、ゆくゆくは正社員登用を
見据えて日々の業務に取り組んでいる人材もいる。彼らを契約社員としてひとまとめに
扱うことがあってはならない。なぜなら、会社において、より高いパフォーマンスを
発揮させる方法が違うからである。例えば、前者に対しては、成果報酬のように本人のやる気
次第で報酬が上がる仕組みを整える、後者に対しては、正社員登用までの明確な道筋を示し、
定期的な面談を通じてモチベーションの維持と人材の見極めを図る、などだ。特に、
後者に対しずるずると契約社員としての雇用を続け、本人のモチベーションが下がらないように
することが重要である。これこそが、雇用形態多様化のメリットを最大限に活かす鍵になるだろう。

 

雇用形態が多様化しても、「人をマネジメントする」ことに変わりはない。人材マネジメントの
本質は雇用形態が変化しても同じであることを念頭におき、真の「平等」を目指すことが、
人事の仕事だと思う。

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