Hot HR vol.13-外国人労働者のマネジメント
2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)
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5分で分かる最新人事トレンド
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ローソンは2009年春に採用する新卒者のうち3分の1に当たる30―50人を外
国人とする方針を決めました。国内店舗におけるパート・アルバイトの人
手不足だけでなく、海外での出店も増えており、店舗の運営指導やサービ
ス開発には外国人社員の参画が不可欠と判断したようです。
◆日本における外国人労働者採用の現状◆
少子高齢化社会における日本企業の労働力不足を解消するために、現在日
本では外国人労働者の中でも、特に専門的・技術的分野における高い知識
を持った「高度人材」を積極的に採用する動きが活発化しています。しか
し日本企業と高度人材の雇用上のミスマッチが発生するケースも多いのが
現状です。
主要先進国における高度人材の外国人比率(経済産業省発表)は、日本にお
いてはわずか1.1%であり、カナダ7.2%やアメリカ6.0%などと比べて、
低水準です。その大きな原因として、
①日本は外国人に対して、閉鎖的であるという社会的背景
②企業側の受け入れ体制が整っていないこと
が挙げられます。
高度人材であるアジア系の優秀な学生はアメリカに就職すると言われてい
ます。日本企業は彼らから見ると、
『魅力がない』
と映るようです。
高度人材が日本企業に魅力を感じないという一番の理由は、
「企業の採用・育成・評価などの人事制度が不透明である」
ということが挙げられます。具体的には、採用時において職務内容や労働
条件が不明確であったり、処遇についても基準が定まっていないなどの
ケースがあります。
◆日本企業が外国人労働者を受け入れるための課題◆
では、企業が適切に外国人労働者を採用し、リテンション(優秀な人材の
引き留め)するにはどうすればよいのでしょうか?
まず、採用においては、企業と労働者側でのミスマッチを避けるために、
職務内容を明確にし、お互いのキャリアの方向性について合意する必要が
あります。例えば、日本企業は終身雇用を前提に長期的な育成をしようと
思って採用していても、高度人材は2-3年勤務して実務を身につけた後に、
帰国したいと思っているというケースがあります。
よって、企業側は高度人材の採用目的を明確にしなければなりません。
具体的には下記の3つの要素が、外国人労働者を受け入れるために重要です。
<1. ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)>
職務内容の明確化が大切であり、それには「ジョブ・ディスクリプション」
が欠かせません。ジョブ・ディスクリプションにはポジションごとの職務
内容や求められる学歴・経験や資質などが記載され、採用、目標設定や業
績評価に利用されます。
<2. 雇用契約書>
労働者を雇用する際には雇用形態に関わらず、必ず雇用契約書を交わしま
す。これは訴訟リスクを低減させるためです。そして労働条件や職務内容
について、企業と労働者が相互理解をした上で、雇用契約を結ぶのです。
外国人の場合、日本語の表現に認識の違いが発生する可能性があるので十
分気をつけましょう。
また就業規則についても見せるだけでは不十分あり、内容をしっかり説明
し、合意を得た上で、雇用契約書にサインをし、控えを本人に渡しておく
といった対応が必要です。
またよくある問題点として、労働条件や給与において外国人と日本人で差
があることが上げられます。差をつける明確な理由が見つからない場合は
同じ制度で運用すべきです。
<3. 評価と処遇決定の明確性>
評価と処遇についても、何に基づいてそれらの決定が行われるのかという
ことが明確かつオープンになっている必要があります。日本企業は評価が
属人的要素により決定される傾向にあるため、外国人労働者は能力に基づ
く正当な報酬を得られないと不満を抱くのです。
外国人を採用する際に最も気をつけなくてはならないことは職務や給与、
雇用条件について事前に説明すると言うことです。
例えば、ある企業では優秀な中国人の管理候補を雇いました。初日に社員
全員でオフィスの掃除をしていた際にトラブルが発生しました。彼は「自
分は幹部候補なので掃除はしない」と言ったのです。
これは入社前に職務内容をきちんと説明していないことから問題が起きて
います。諸外国では、掃除の人は掃除の人であり、大学出身者が掃除をす
ることは、稀なことです。
◆将来に向けて◆
今後は労働力不足だけでなく、市場における競争優位性を確保するために
も、様々な業種や職種において、外国人労働者の力が必要になっていきま
す。よって企業は国籍・年齢・性別を問わず、優秀な人材を採用し、適切
な人事マネジメントによって彼らをリテンションしなければなりません。
私たちイマジナは、将来を見据えての人事制度の構築や改定をお薦めします。