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採用におけるブランディングの価値

2019.08.22

#イマジナ・ブランディングニュース

「実は世界4位の『移民大国』 採用難で広がる外国人材 」。先日、ある新聞に掲載されていたニュースの見出しだ。
日本企業をとりまく採用の状況は厳しいものになりつつある。少子化により働き手が少なくなっていることに加え、雇用の流動性が高まり、転職も珍しいものではなくなったからだ。仕事があっても人がいない、というケースは決して珍しいものではなく、企業は常に人材を求めている状況にある。

 

そこで現在、注目を集めているのが外国人の人材だ。日本は移民の少ない国というイメージだが、政府は人材難を背景に新たな在留資格を設け、労働市場を開放しつつある。その成果もあり、なんと現在では移民の受け入れ数がドイツ、米国、英国に次ぐ世界4位となっているのだ。カナダやオーストラリアなど、移民のイメージが強い国々をも上回る移民大国というから、日本は刻々と変化しているのだなと感じる。

外国人人材の働く場所についても確実に広がりを見せている。かつて外国人の働き場所といえば都心のコンビニやファミリーレストランといった繁華街でのパートタイムの接客が多かったが、それはすでに過去のもの。タクシーの運転手をしたり、地方のホテルで就業したり……ということも少なくない。例えばタクシー会社の日の丸交通は外国人を数年前から積極的に採用しているが、現在1,300人在籍するドライバーのうち、外国人ドライバーの数は20ヶ国40人以上。タクシー業界に限らずどのような業界でも現場で評価されている外国人は多く、日本の接客業の特徴である「おもてなし」や、キメの細かいコミュニケーションも身につけているという。かつて、このようなサービスは日本人ならではの強みという意見もあったが、もはやそうではないようだ。

 

このように外国人の雇用、また最近ではリモートワークやフリーランスの活用により労働力を確保する企業は多いため、一見人材難の問題は解決しそうに見える。しかし、それでもまだまだ「人が足りない」と感じている企業は多い。それはなぜだろうか。

 

このようなことを考えたとき、本当の問題は、「自社の仕事を任せるに足る人材がいない」ことにあるのではないか、と思えてくる。人材難は労働人口の増加だけで解決できる問題ではない。本質的な理由のひとつに、「仕事の高度化」があることも、決して見逃せない事実だろう。

現代は高度情報化社会である。5年前、10年前に比べてもテクノロジーの発展は著しいものがあり、それに応じて様々な仕事や雇用が生まれ、また就業者も様々なスキルを身につけることが求められている。単純労働は減少しつつあり、仕事はどんどん複雑化・高度化しているのだ。採用の現場において、「とにかく誰でもいいから頭数がほしい」というニーズは少ない。本当のニーズは、「自社での就労において必要なスキル+マインドセットがある人材がほしい」というもので、それに合致する人材がいないというのが、実際の悩みではないだろうか。

 

では、「自社での就労において必要なスキル+マインドセットがある人材」を採用するにはどうすれば良いのだろう。

 

有効なのは、採用における自社のブランディングだ。必要なスキルや資格は採用情報でPRできるが、なによりマインドの部分で自社に合致した人材を採用するときは、会社の想いと、求職者の想いを一致させ、共感させる必要がある。とくに現代のような人材難、また額面の給与以上にやりがいを求める傾向に強い時代には、想いにフォーカスし、ビジョンが実現できるような組織体制を作っていくことが大切だろう。

 

かつてはブランドイメージの低下に悩んだが、現在は信頼を回復し、人材獲得を確実に行っている企業がある。マクドナルドだ。同社の採用サイトには採用におけるブランディングのヒントがある。
外部リンク(マクドナルドのキーワード

 

「そのチカラでもっと輝くために。」というキャッチコピーとともに、いくつもの従業員インタビューが掲載されている。従業員インタビューの掲載自体は多くの企業が行っているが、特徴的なのはその構成。「マクドナルドを知るkeyword」として、「成長」「同志」「活躍できる舞台」といった形で、部署など単なる縦割りではない求職者の欲求やニーズに沿った形で情報を整理。3グループ24キーワードでインタビューを掲載し、関連するインタビューを読み進めていくと、仕事のやりがい、また全体像などについて理解ができ、働く先輩社員の考えに共感できるつくりとなっている。

また、「中小企業」「第一印象で印象付ける」という内容でのブランディングでは、関西のベンチャー企業であるTOMORROWGATEなどはそのひとつに挙げられる。
外部リンク(トゥモローゲート株式会社

 

同社は面白い会社づくりに専念し、「ブラック企業」を標榜。コーポレートサイトもオフィスも黒くし、ブラックマンデー制度といった制度をつくり、とことんブラック色を前面に押し出している。
しかし中身は意外に?ホワイト。有給休暇(年間20日)の消化率は全社員100%、年間休暇125日以上、またブラックマンデー制度の実態は「月末の月曜日は15時出社可」という職場環境が売りの会社だ。あえて印象付けるワードを取り入れることで興味を持ってもらい、実態を知っていくうちに会社のファンになってもらう、ことを狙いとしている。

採用について考えてきた。今後、たとえ労働人口が増えたとしても、自社の事業に適しており、想いに寄り添い、組織を好きになってもらう仲間を採用しなければ、本当の意味での採用の成功は難しい。数が揃っても全体的な能力が低下したり、離職率が上昇してしまったりするということもあり得るだろう。「採用しなければよかった」と悩むこともあるかもしれない。
そんな状況において、あらためて採用におけるブランディングの価値を考えてみたい。今後、日本は能力や人種を含め、多様な人材に溢れていくと考えられるが、そのなかで自社にとって最適な人材を採用するために、今できることはなんだろうか。本質的な意味での問題解決に取り組んでいきたい。

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