部下とのコミュニケーション、信頼関係構築、理念浸透、指導育成、、、あらゆる状況において「全体観を伝える」ことが何より大切であると、これまで弊社の提供する管理職研修やセミナー、メルマガにて発信してまいりました。
「全体観」とは“地図”を持つこと
ここで改めて、全体観とは何かについて考察してみましょう。
「全体観を正しく認識している」とは、自分が取り組む仕事や課題の経緯、背景が見えており、どこが重要なポイントかを理解しているということです。その仕事に関わる人物の性格や考え方の癖などの特徴も含めた物事の全体像であり、地図です。
正しく把握していれば、どのような問題が起きそうで、それがどのくらい深刻かもしっかりと認識できます。道筋やプロセスがどのように選択肢として分かれるのか、それがどのように変化するのかということもつかめます。部分ではなく、一面ではなく、空間的に、時間的に全体が見渡せている状態です。
もう少し分かりやすく例えてみましょう。
夜、真っ暗な道で前がほとんど見えないのに、自転車で高速で走るのはとても危険です。しかし、ライトをつければある程度安心して走ることができます。さらに、街灯がついていて、一本道で数十メートル先まで見通せるようなときは、かなりのスピードで走っても安全だし、怖いと思うこともないでしょう。
進行方向に大きな陥没がないか、空き缶が散乱していないか、路面が滑りやすくなっていないか、車が横道から突然飛び出してきたりしないかなどがわかっているのが、全体観を持った状況と言えます。
全体を見渡すことができれば安心して前に進むことができますが、見渡せなければ怖くて一歩も動けなくなってしまいます。本人の性格がどうとか、役割がどうとかいった問題ではなく、全体観の有無が、行動できるかどうかを決定する要因になるということです。
ここに目的やゴールが加われば、更に行動がしやすくなります。
上記の自転車の例で言えば、自分のタバコが切れてコンビニに買いにいくのか、急病の家族のために薬を買いにいくのかでは重要度や緊急度が全く異なります。自転車を漕ぐスピードや選択する道筋も変わってくるでしょう。
いかがでしょうか。
全体観の全体観を少しでも掴んでいただければ幸いです。