「わからないなら質問してほしい…」「先に聞いてくれれば答えるのに…」
部下や後輩に対して、こう思った経験がある方は多いのではないでしょうか。
なぜ、質問をしない・できない部下が多いのでしょうか?
その答えを探るヒントは意外にも、部下の「自己肯定感」に隠れているかもしれません。
日本人の自己肯定感が国際比較において非常に低いのは有名な話です。
では、自己肯定感が低下する原因は何なのでしょうか?
東京大学の心理学研究室によると、「自尊感情の低さ」と「理想の自分と、現実の自分のギャップの認識度合い」には相関があるといいます。
つまり、「自分はもっとできるはずなのに、もっとこうしたいのに、実際はできていない…」と思うほどに自己を肯定できなくなっていくということです。
日本人の自己肯定感の低さは「謙虚さ」と結びつくのではなく、「本当は自分はもっとできるはず」という思い込み・理想の高さと結びついている、という見方で考えたとき、
質問をしない部下も、もしかすると「自分はできるから上司に聞かなくてもいい」と思っているかもしれないという可能性が浮かび上がってきます。
実際、マネジメントに関する意識調査にて「上司からのアドバイスを有益だと感じない」と回答した人が7割というデータも存在しているのです。