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新入社員のモチベーションを引き出し、維持させるには

2018.04.05

#イマジナ・ブランディングニュース

4月から新年度が始まった。暖かい春の陽気のなか、気を引き締め、思いをあらたに働いている方々も多いだろう。また今月の1日と2日には多くの会社で入社式が開催。新入社員が入られた会社も少なくないはずだ。彼、彼女らのそのやる気に満ち溢れた表情から、刺激を受けた方もいると思う。

今年、新社会人として社会に羽ばたいたのは約93万人と想定されている。本年度の新卒社員はいわゆる「売り手市場」の就職活動を乗り越えてきた方々。人手不足に悩む企業に採用されたケースも少なくなく、その活躍は大いに期待されている。しかし、昨今ではせっかく新卒で入社した会社でも、すぐに辞めてしまう社員がいるのも事実だ。すでにご存知の方も多いと思うが、厚労省に発表によると、入社後3年で3割の新卒社員が退職をするという。退職の理由や背景は諸説あるが、実はこの「3割」という数字そのものはここ最近の傾向ではなく、調査を開始した1987年以降、かねがね25~35%の範囲で推移しているとか。時代や環境が変わっても、全体で見れば3人ないし4人に1人は、3年以内に離職をしてしまう傾向にあるのだ。

しかし、いくら一定の割合で離職者が発生するとはいえ、雇用をする会社側としては複雑な気持ちもあるだろう。あまりに短い期間では、パフォーマンスを十分に発揮することなく退職を迎えてしまうかもしれない。それは本人にとっても、会社にとっても不幸なこと。予算と時間をかけて採用をした新入社員に、会社のことを好きになってもらい、末長く働いてもらうにはどうすれば良いだろうか。

『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』という本がある。著書はアメリカの作家のダニエル・ピンク氏。本書では、やる気とはなにか、またやる気はどのようにして生まれるのかが書かれているのだが、これがひとつのヒントになると思う。
ダニエル・ピンク氏は「モチベーション」を、コンピュータのOSのように、時代の流れや環境の変化によって変わっていくもの=アップデートされていくものだと定義した。

まず「モチベーション1.0」。最初の「やる気」の原型は、生存を目的としていた時代のことだ。生き延びるために狩猟をする。すなわち死なないために、生き残るためにはどうすればいいかの思考と行動を引き起こすやる気を「モチベーション1.0」とした。
次の「モチベーション2.0」はアメとムチ、すなわち信賞必罰に基づくものだ。簡潔にいえば、頑張ったものや成果を出したものには多くの報酬を与える、といった仕組みのこと。多くの社員は自身の評価が上がり、報酬が上がることを望んでいるので、結果を出すためにやる気をだすというのが、モチベーション2.0だ。これは「生き延びるため」という生存本能に基づいたやる気より、幾分か進んだ観念であると言えるだろう。また現代の人事制度にも通じるところがある。

しかしダニエル・ピンク氏によると、この「モチベーション2.0」は21世紀を迎えて機能不全に陥ったと指摘する。すなわち、「人の動機やモチベーションは、報酬によって変化しづらくなっている」ということ。ルーチンワーク中心の時代には有効だったこの手法。現代の労働環境下では、古いOSになってしまったというわけだ。
現在の「モチベーション3・0」は、自身の内面から湧き出るやる気に基づくもの。すなわち報酬といった見返りのためだけに仕事を行うのではなく、自身が「やりたい」と感じられるものや、仕事に取り組むことそのものが楽しいと感じ、内発的なやる気が引き起こされる状態を指す。

もちろん私たちの中には、これまでのモチベーション1.0、モチベーション2.0も機能している。しかし、やる気を左右するのは生存本能や報酬だけではなく、本人の内的な動機も大きく関与している、ということも理解をしておいたほうが良いだろう。とくに若い社員ほどその傾向は顕著。内的なやる気を重視する傾向にある。これを念頭に考えれば、会社を好きになってもらい、長く会社で働いてもらうには、モチベーション3.0を起動し、いかに持続させるかが重要になってくるのだ。

ではどのようにすれば、それが実現できるのだろうか。大切なのは、今取り組んでいる仕事や行なっている事業に対して、大きな価値や意義がある、と感じてもらうことだ。若手社員の離職理由には「何のために今の仕事をやっているかわからない」「仕事に意味を見出せなくなった」という意見が上位に来がちだが、これはまさにモチベーション3.0が機能していない証拠。自分たちの仕事は何を実現するためのものなのか、何を大切にして事業を行なっているのか、といったものをしっかりと言葉にして伝えていくのが大切だろう。
「そんなものは仕事に取り組んでいれば、いつかはわかってくる」と思う方もいるかもしれない。しかし、きちんと伝わる言葉にして話をしたり、コミュニケーションをとったりすれば、全員が仕事に対して「納得感」を持つようになるし、さらにはすべての社員が自身の仕事の価値に関して自分の言葉で語れるようにもなる。その効果は大きい。

仕事の価値や意義をきちんと言葉にして、社内外に発信していくこと。それは結果として、会社のブランドを上げることにつながってくる。「自分たちはこういう思いで、この仕事に誇りをもってやっている」という自覚は、個人の成長だけでなく、会社の成長をも促進させるものであることは、想像に難くないだろう。

春から多くの方が新社会人になった。社会人生活のなかでは様々な葛藤が生まれ、迷いが生まれることもあると思うが、その活躍には誰もが期待をよせている。一人でも多くの社会人が、自身の仕事に価値を感じながら取り組むことで、十分なパフォーマンスを発揮することを願っている。

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