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ブランディングの成功事例10選|成功のポイント・注意点も解説

2023/09/26(最終更新日:2023/10/23)

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ビジネスマンとダッシュボード

競争が激化する現在のビジネス環境においては、単に商品・サービスの質が優れているだけでは生き残ることはできません。

こうした激しい競争において生き残っていくためには強いブランドを作り上げることが重要です。

そこで、今回は実際のブランディングの成功事例10選を取り上げるとともに、ブランディングの成功のポイントや注意点についても解説します。

ブランディングは企業や製品の印象を形成し、消費者との長期的な関係を築く強力なツールです。

その重要性を理解し実際に効果的に適用することで、あなたのビジネスは大きな成長を遂げ、競争優位性を確保できるはずです。

ブランディングやマーケティングのスキルを磨き、自身のビジネスを成功へと導くための一歩を踏み出しましょう。

また、その一歩を踏み出すための学習方法として、セミナーへの参加を積極的に行う必要があることを解説します。

この記事を読んで、セミナーなどに参加してブランディングへの実践的な知識を積むきっかけとなれば幸いです。

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ブランディングとは?

ブランディングとは、製品やサービス・企業そのものに対して、人々に統一的なイメージを持ってもらうことで企業価値や競争優位性の向上を狙うことを指します。

また、ブランディングは単に製品やサービスの広告をするだけではなく、企業文化や顧客への直接的な対応などありとあらゆる企業活動が関わってきます。

強いブランドを築くためには、これらすべてが一貫性を持ち、ブランドの主張を反映していることが重要です。

ブランディングの成功事例10選

ブランディングが成功したというのは具体的にどのような状態でしょうか。その成功へのイメージを掴まなければ、ブランディングも考えられません。

そこで、ここではブランディングに成功した10の事例を紹介します。

ぜひ、これらの事例を読んでブランディングのイメージを掴んでいきましょう。

とらや

とらやは、日本の伝統的な和菓子を製造・販売する企業として知られています。

同社は、和菓子作りの伝統と技術を大切にし、一貫した品質の製品を提供することで、「高級で贅沢な和菓子」のブランドイメージを築いていきました。

商品は季節感や自然の美しさを反映する独自のデザインが施され、それが日本の美学と文化の象徴となっています。

さらに、特別な日や祝祭日に最適な商品を提供し、感謝の気持ちを表現する贈り物としての位置づけを強化しているのも特徴的です。

その長い歴史と豊かな経験はブランドの信頼性を高め、丁寧な接客と高品質な店舗デザインは顧客への尊敬と感謝の気持ちを示しています。

これらすべての要素が融合し、とらやは高級感・伝統・品質・信頼性を象徴するブランドとしての地位を確立し、消費者に認知されています。

湖池屋

湖池屋は日本を代表するスナックフードのメーカーとして、「楽しさ」と「創造性」をキーワードにブランドイメージを築いてきました。

新しい風味や異なる食感を提供することで、消費者に驚きと楽しさを提供しています。その一貫した商品開発は、ブランドの個性として認識されています。

また、湖池屋のパッケージデザインも同社のブランドイメージを強化する大きな要素です。

湖池屋の明るく個性的なパッケージデザインは、消費者の注目を引くことに成功し、商品の個性と楽しさを消費者に伝えています。

これらの要素が組み合わさることで、湖池屋は楽しさ・創造性を象徴するブランドとして、消費者から強く支持される存在になりました。

ダイソン

ダイソンは、革新的で優れた性能とデザインの商品を販売する企業としてのブランドイメージを確立することに成功した事例です。

このブランドイメージを確立するために、ダイソンはユーザー目線を徹底していることでも有名です。

例えば、ダイソンの創業者であるジェームス・ダイソンは最初の掃除機の開発プロセスにおいて納得のいく掃除機を作るために5,127台もの試作品を作ったことで知られています。

このようにダイソンはユーザーのニーズを解決するために、徹底した品質を追求することで、ダイソンはその製品が価値を提供するというブランドイメージを確立できています。

サントリー

サントリーは環境保護に力を入れている企業として確固たる地位を築き上げている企業です。

サントリーは2005年から「水と生きる」というキャッチコピーを掲げています。

このキャッチコピーが示しているのは、柔軟でありながらも躍動しつつ成長し続ける企業理念と環境保全活動への注力です。

サントリーはこのキャッチコピーのもと、外部機関の認証を積極的に受けることで、取り組みの方向性の正しさを確認しています。

その結果として、環境・社会・ガバナンスの観点からブランド力を調査したESGブランド調査において2020年は日本企業の中で総合2位に輝いています。

このように、サントリーは効果的なキャッチコピーの設定とそれに基づいた企業行動を一貫して取ることによって、環境に配慮した企業というブランドイメージを作り上げた成功事例です。

NIKE

NIKEはパフォーマンス・革新・勇敢さのシンボルとして世界的に認知されています。

NIKEは最新の技術を用いて高品質な製品をアスリートに提供することで、一流にも受け入れられているスポーツブランドとして高いパフォーマンスをもつ印象を与えています。

また社会問題についても、積極的に解決する取り組みを行っている点もNIKEの特徴です。
社会問題を反映させたプロモーションを行うことで、革新的なイメージを作り出しています。

また、スローガンの「Just Do It」は挑戦精神を推奨し、社会的な取り組みはブランドと消費者との深いつながりを育んでいます。

ユニクロ

ユニクロは、シンプル・機能性・手頃な価格をキーワードにブランドイメージを構築しています。

このファッションの流行を追わずにベーシックな定番商品に力を入れていることがユニクロの特徴です。

ベーシックな服であるがゆえに老若男女問わず受け入れられ、大量生産が可能になりコストが低下します。

また、定番商品に力を入れているがゆえに毎年少しずつ商品自体の改良とその生産工程の効率化を達成させやすくなります。

このように、ユニクロはベーシックな服というコンセプトを掲げることによって低コスト化と高品質化の両方を実現させているのです。

それによって、ユニクロは「シンプルで機能的」で「手頃な価格の」製品を提供するブランドとしてのイメージを確立しています。

コカ・コーラ

コカ・コーラは世界的に認知されたBtoCブランドの一つで、“楽しみ”や”幸せ”といった感情を引き出す広告戦略で知られています。

その広告には家族や友人との楽しい時間を過ごすシーンが多く描かれ、コカ・コーラがそのような幸せな時間を演出する一部となるというメッセージが込められています。

ハーレーダビッドソン

ハーレーダビッドソンは、単なるバイクという枠組みを超えて自由・冒険・アメリカンスピリットの象徴として見なされるまでブランディングに成功した事例です。

ハーレーダビッドソンはそのブランドを作り上げるために、製品デザインやメッセージを工夫するだけでなく、顧客コミュニティの形成も積極的に行っています。

ハーレーダビッドソン所有者のクラブや集会を開催することで、オーナー同士の人間的なネットワークを形成させ、より魅力的なブランドイメージの構築に役立てています。

Apple

Appleは革新的で洗練されたイメージを消費者に抱かせることに成功した事例です。

Appleは他社に先駆けて新しい技術を導入した商品を高い品質で、またシンプルなデザインで投入し続けています。

また、Apple製品が使用されている状況をストーリー仕立てで見せるプロモーションを行うことで、消費者にApple製品を使うことでもたらされる可能性を効果的に伝えています。

このAppleの事例は、新しく革新的で洗練された生活様式を提案するブランドイメージを作り、一種のステータスシンボルとして企業を確立させた優れたブランディングの事例です。

Google

具体的な商品における確固たるイメージを築き上げているAppleとは対照的に、ソフトウェアサービスの分野で高い名声を得ることに成功しているのがGoogleです。

Googleは、そのシンプルで直感的なデザインによって使いやすいサービスを提供するとともに、常に新しいアイデアと技術を導入しています。

これらの施策によって、Googleはイノベーションの先駆者というブランドイメージを獲得でき、それによってユーザーからの高い信頼と忠誠心も得られています。

こうしたブランディングに成功した最新の事例をより学びたい場合にはセミナーへの参加がおすすめです。より最新の事例について学びたい方はセミナーへの参加も検討するとよいでしょう。

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ブランディングの目的は?

ブランディングを成功に導くためにもそもそもブランディングは何のために行うのか、という目的の明確化は欠かせません。

そのため、ここではブランディングの主な目的として6つの目的を取り上げ、それぞれの意義と重要性を解説します。

他社と差別化するため

ブランディングが重要となる理由の1つ目は他社との差別化です。

自社の特徴や個性を明確に伝えることで、消費者は自社の商品・サービスを他の競合と区別できます。

消費者が自社と競合企業との商品・サービスの間で違いを理解できていなければ、市場での強い地位を獲得することはできません。

それに対して、そのブランドイメージに強い魅力を感じてくれれば、それが他の競合商品・サービスとの差別化の要因となります。

そして、強いブランドイメージを作り上げられれば、実際には競合企業と同質の商品・サービスを提供していたとしても消費者からの強い支持を得ることも可能です。

このようにブランディングによって、差別化が可能となり、市場での強固な立場を築きやすくなります。

自社の強みを明確にするため

次に、ブランディングは自社の強みや独自性を明確にする助けになります。

ブランディングを成功させるためには、企業の強みや商品・サービスの優れている点を一貫して主張することが重要となります。

そのため、ブランディングを行うプロセスにおいて、自社の強み・弱みや、商品・サービスの強み・弱みを分析する作業が欠かせません。

そのため、ブランディングを行うことによって、これまで曖昧にとらえていた自社の強みや独自性を再認識するきっかけにもなります。

価格競争に巻き込まれないようにするため

ブランディングによって価格競争に巻き込まれないようになるというメリットもあります。

消費者が自社と競合企業との商品・サービスの間で違いを理解できていない場合、消費者が購入する商品・サービスの選択基準は価格の安さです。

そうなると、自社と競合企業との間で価格競争が生じやすくなり、自社・競合企業ともに共倒れとなりかねません。

それに対して、ブランディングによって消費者が自社のブランドイメージに魅力を感じてくれれば、価格は商品選択の決定的な要因にはなりません。

そのため、ブランディングを成功させることによって、価格競争に巻き込まれないようになり、高い収益性を達成しやすくなります。

ファンを獲得するため

ブランディングによって自社を強く支持してくれるファンの獲得にも繋がります。

ブランディングとは、その企業が何を重視し、何を目的としているかという「ストーリー」や「哲学」を伝え、消費者に共感を呼び起こす活動です。

こうしたブランディングによって、消費者が自身の価値観やアイデンティティをそのブランドと結びつけ、ブランドを自分自身の一部と感じられるようになります。

このようにブランディングによって消費者が自己表現をする手段としてブランドを活用するようになり、単なる顧客以上のファンへと育てられます。

信頼性を高めるため

ブランディングは、企業の信頼性と信用性を高める役割として重要です。

企業が一貫性を持ってブランドメッセージを伝え、約束した価値を提供することによって消費者の中に信頼感を構築できます。

例えば、企業が品質に重きを置くことを強く訴えている場合、その企業の製品が高品質であることを消費者は期待するでしょう。

この期待を裏切らないことで、消費者の中に企業への信頼感が高まります。

さらに、信頼感はブランドへの忠誠を生み出してリピート購入や推奨行動につながるため、企業にとって非常に重要です。

このため、ブランディングは企業が約束した価値を一貫して提供し、その結果として信頼性を高めるための重要な手段となります。

人材を確保しやすくするため

ブランディングは優秀な人材を確保するためにも重要です。

ブランドイメージが良好であればあるほど、その企業は働きがいのある場所としての魅力を増し、多くの求職者を引き寄せられるでしょう。

また、良好なブランドイメージは企業の長期的なビジョンと安定性を示す証ともなります。このことが、優秀な人材がその企業に長期間働き続ける動機付けにも繋がります。

したがって、ブランディングは人材確保だけでなく、優秀な人材の長期的な定着にも寄与するのです。

ブランディングの種類

ブランディングと一言でいっても、その種類は様々あり、それぞれブランディングの対象となるターゲット・目的・有効な方法が異なります。

そこで、ここではその様々なブランディング手法とそれぞれの特徴について詳しく解説していくことにしましょう。 

インナーブランディング

インナーブランディングは、企業内部のステークホルダー(特に従業員)に対するブランディング活動のことです。

一般的にブランディングといえば、企業のイメージなどを消費者に抱かせるアウターブランディングだと捉えられがちですが、企業内部に向けたブランディングも重要です。

企業のビジョン・ミッション・価値観を従業員に深く理解させ、共感してもらうことで、ブランドを体現する行動や意思決定を促します。

これにより、外部に向けて一貫したブランドメッセージを発信する土壌が作られたり、従業員のモチベーションの向上にもつながりったりします。

アウターブランディング

アウターブランディングは、企業が外部のステークホルダー、つまり顧客・取引先・投資家などに対して行うブランディングのことです。

その核心的な目的は、企業やその製品・サービスのイメージを形成・強化することで、ブランドの認知度や好感度の向上を高めることです。

また、その結果として、商品・サービスの売上向上や企業価値の向上に繋がり、長期的な事業の成長にも繋がります。

次に説明する以下の4つのブランディングはアウターブランディングの一種といえます。

  • 商品ブランディング
  • サービスブランディング
  • BtoBブランディング
  • BtoCブランディング

以下ではそれぞれのアウターブランディングについて、より詳しく解説しましょう。

商品ブランディング

商品ブランディングは、特定の商品に焦点を当てたブランディングのことで、商品の特性・利点・価値を消費者に明確に伝えることを目指します。

商品名・パッケージデザイン・広告活動などを通じて商品の認知度と魅力を高め、他の競合商品との差別化を実現させることが目的となります。

サービスブランディング

サービスブランディングは、サービス提供企業が行うブランディングのことです。

商品と違って直接目に見えないサービスを消費者に理解させ、魅力を伝えるためには、特異な戦略が求められます。

一般的にこうしたサービスは経験財といわれ、そのサービスの質は事前の調査では分からず、実際に経験しなければなりません。

そのため、サービスの特性・利便性・価値を伝えるために、実際に経験をした人の顧客体験・口コミ・社員の行動などが重要になります。

BtoBブランディング

BtoB(ビジネス・ツー・ビジネス)ブランディングは、企業が他の企業を顧客とする市場におけるブランディングです。

ここでは、製品やサービスの機能性・信頼性・コストパフォーマンス・アフターサービスなどが重視される傾向にあります。

また、企業間取引では長期的な信頼関係が重要なため、安定性や信用性の訴求も重要になります。

BtoCブランディング

BtoC(Business-to-Consumer)ブランディングは、企業が直接エンドユーザーである一般消費者に対して行うブランディングです。

BtoCブランディングによって、企業やその製品・サービスのブランド認知度を高め、消費者の好意度とロイヤルティを獲得できます。

BtoCブランディングにおいては、消費者の感情・ライフスタイル・価値観に訴えるストーリーテリングやライフスタイルマーケティングが有効です。

消費者が商品やサービスを選ぶ際に、単に機能性や価格などの経済合理的な側面だけで購入を決めているわけではありません。

そのブランドが自分のアイデンティティやライフスタイルに適合するかどうかも重視する傾向にあります。

そのため、BtoCブランディングではBtoBブランディングとは異なり、消費者の心に響くブランドイメージを構築し、消費者との強いエモーショナルなつながりを築くことが重要です。

これにより、消費者のロイヤルティとリピート購入を促進し、企業の収益の向上に繋がりやすくなります。

ブランディングの実施方法

ブランディングは企業にとって重要なマーケティング戦略であり、強力なブランドを構築することは製品やサービスを成功に導くための鍵となります。

しかし、効果的なブランディングを行うには、一定の手順と戦略が必要です。

ここでは、ブランディングを行う上での主要なステップとその具体的な実施方法として以下の5つについて説明します。

  • 目的を明確にする
  • 状況を分析する
  • ブランドアイデンティティを設定する
  • ブランドを浸透させる
  • 定期的に調査や改善を行う

これらの手順を理解し適切に実施することで、企業は一貫性のある強力なブランドを構築し、そのブランド価値を最大限に活用できます。

目的を明確にする

ブランディングの第一歩はその目的を明確にすることです。

何を達成したいのか、そのためにどのようなメッセージを伝え、それがどのような印象を与えるのかをはっきりさせることでブランド戦略を一貫したものにできます。

目的を設定する際には、具体的かつ測定可能な目標を立てることが重要です。

具体的で測定可能な目標でなければ、ブランディングが計画通りに進んでいるのか、それとも失敗しているのかを把握できず、失敗していても修正できなくなってしまいます。

そのため、ブランディングの成否を把握し、それを次のアクションに活かすためにも具体的で測定可能な目標を立てる必要があるのです。

また、企業のビジョン・ミッション・価値観もブランディングの目的設定に大きく影響します。

企業全体が環境保護を重視するメッセージを打ち出していないにもかかわらず、単品の商品において環境保護のイメージを打ち出しても信頼性に欠けてしまいます。

そのため、個々のブランディングと企業全体のブランディングの間で整合性を取ることが重要です。

この目的設定のステップは、ブランディング活動全体を指導する道しるべとなるため、非常に重要です。

目的が明確でないと、ブランドのメッセージが一貫性を欠く可能性があり、それは消費者の混乱を招く可能性があります。

そのため、この初期段階での目的設定には十分な注意と時間を割くことをおすすめします。

状況を分析する

企業が今どのような状況に置かれているのかを理解することもブランディングの重要なステップです。

状況を分析することで企業イメージや各商品・サービスのイメージをどの方向に向かわせるべきかを見極めることに繋がります。

この状況を分析する際には、企業を取り巻く外部環境だけでなく、自社の強みや弱みなどの内部環境についても分析するようにしましょう。

外部環境だけを分析してブランディングの方向性を決めても、それが自社が弱い分野であればブランディングの成功には繋がりません。

また、内部環境だけを分析して、自社の強みを活かす方向にシフトしても、それを顧客が求めていなければ意味がありません。

このように状況を分析する際には企業を取り巻く外部環境と、企業自身の内部環境の両方について分析を行うことが重要となります。

ブランドアイデンティティを設定する

「ブランドアイデンティティを設定する」とは、企業の本質・価値・目指す方向を定義し、それを体現するようなブランドの個性を設計することを指します。

その際には、ブランドのビジョンやミッション・ブランドの価値・ブランドの個性について考える事が重要です。

ブランドのビジョンやミッションでは、ブランドが目指す理想像について考えます。

ただし、ブランドが目指す理想像は顧客にとって何らかのメリットがないと魅力的なブランドにはなり得ません。

そのため、ブランドが顧客に対してどのような価値を提供するのかというブランド価値を考えることが重要です。

また、そのブランド価値を提供しやすくするために、ブランドロゴやメッセージなど具体的な特徴や性質も考えることが必要となります。

このようにブランドアイデンティティの設定では、抽象的なビジョンからより具体的なブランドの個性までを一貫したものになるように考えることが重要となります。

ブランドを浸透させる

ブランドアイデンティティを設定したら、次に行うのはそのブランドを広く浸透させることです。

このブランドを浸透させるプロセスにおいて重要なことは持続性と一貫性です。

ブランドアイデンティティを頻繁に変えてしまうと、企業や商品に対するイメージを構築できません。

また、同時期に行うブランディングの各施策においてバラバラのメッセージが伝えられてしまうと、ターゲットはブランドのビジョンや価値を深く理解することはできません。

そのため、持続的に一貫してブランドアイデンティティを伝えることによって、ブランドに対する理解と信頼を深めることがこのプロセスでは求められます。

定期的に調査や改善を行う

ブランドの浸透のための施策の成否について定期的に調査・改善を行うことも重要です。

物事は計画通りに進まないものであり、完璧なブランディングの計画を設計できるわけではありません。

長期的な成功を実現させるためにも、「目的を明確にする」プロセスにおいても説明したように、ブランド浸透のための施策の効果を理解し、次の改善に繋げていくことが求められます。

ブランディングの失敗例

ブランディングは成功すれば大きな利益をもたらす一方で、失敗すると企業の評価や信頼性に大きな打撃を与える可能性があることには注意が必要です。

例えば、コカ・コーラ社はペプシコーラのシェア拡大に対応するために、1985年にコカ・コーラの味を刷新してニューコークという触れ込みで大体的なプロモーションを展開しました。

この際に、コカ・コーラ社はブラインドテストを行い、これまでのコカ・コーラの味よりもリニューアル後の味の方が美味しいと消費者が感じることも分かっていました。

しかしながら、蓋を開けてみるとこのニューコークは消費者からの反発が強く、コカ・コーラ社はわずか数ヶ月でコカ・コーラの味を元の味に戻すことになったのです。

コカ・コーラがそれまで強く支持されてきたのは、その独特の味で、かつそれが多くのアメリカ人の青春の味だったという感情的なつながりがあったためでした。

しかしながら、ニューコークのキャンペーンではそれらのブランドイメージを壊してしまったために、ニューコークのブランディングは失敗したといわれています。

ブランディング成功のポイントは?

コカ・コーラ社はかつてニューコークキャンペーンでブランディングに失敗してしまいました。では、逆にブランディングを成功に導くためにはどのような点に気をつければよいのでしょうか。

結論からいえば、明確さ・一貫性・差別化・感情的なつながり・柔軟性がブランディングでは重要な要素となります。

ブランドが目指すところや何を達成しようとしているのかをはっきりと示すことによって、人々はブランドイメージを理解しやすくなり、支持も得られるようになります。

また、そのブランドイメージを一貫性を持って伝え続けなければなりません。

メッセージがブレてしまうと、人々はブランドイメージも理解できなくなってしまいます。一貫性のあるメッセージを送ることで、ブランドが語る物語の理解度や信頼性を高めることにも繋がります。

先程のコカ・コーラの事例ではこの一貫性が途切れてしまったために、失敗したといえるでしょう。

ただ、一貫したメッセージを伝えたとしてもそれがありふれたものであれば、強い支持を得ることには繋がりません。

そのため、競合するブランドと異なるブランドイメージを構築する差別化も重要となります。
そして、強いブランドを作り上げるためには感情的なつながりを築くことも重要です。

コカ・コーラは、青春という人々にとってかけがえのない時間を多くの人々と共有することで強い感情的なつながりを築いています。

こうした感情的なつながりはそのブランド独自の確固とした価値である、ブランドロイヤリティを高めることにも繋がります。

最後に、市場の変化に柔軟に対応することも重要です。

一貫性のあるメッセージを伝えるべきだという主張と矛盾するように思われるかもしれません。

しかし、ブランドの核となる価値は一貫性を保ちながらも、細かい部分においては変化に対応することで、一貫性と柔軟性を両立させることも可能です。

これらをすべて考慮に入れてブランディング戦略を策定し、実行することが、ブランディング成功のための鍵となります。

こうした失敗事例について学びたい場合は、専門家によるセミナーへの参加も検討しましょう。

愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶともいいます。

そのため、賢者としてブランディングを成功させるためにもセミナーなどに参加して、より多くの事例について知っておくことは非常に重要です。

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ブランディングの注意点

ブランディングを行う際には、全社一丸となっての取り組みが求められる点に注意が必要です。

一般的に企業の中でマーケティング部門は他の部門とは独立しており、研究開発部門や営業部門などとは別々に活動しています。

そのため、そのブランディングのコンセプトに基づいた行動を商品開発や現場での営業担当者などがとってくれない可能性があります。

この場合、マーケティング部門がどれだけ優れたブランディングを行っていたとしても、組織としての一貫性が保たれず、ブランディングは失敗に終わってしまいかねません。

こうしたことから、仮にマーケティング部門がブランディングを設計したとしても、そのコンセプトを全社的に周知して全社一丸となって行動することが必要となります。

ブランディングを成功させるには知識とスキルが必要

これまで解説してきたブランディングを実際に成功させるためには、ブランディングに関する知識やスキルが必要です。

ブランディングのターゲットが、何に魅力を感じているのかを理解するための分析能力や、それをもとに魅力的なブランドを具体的に作り上げるデザインセンスが求められます。

また、ブランディングの方針を社内に周知徹底させるコミュニケーション能力やリーダシップの能力もまた重要です。

ブランディングについて学べるおすすめの本は?

では、こうしたブランディングを成功に導くための知識とスキルを学ぶためには何をすればよいのでしょうか。

まずは書籍や雑誌などで独学することが一般的な学習方法の1つでしょう。

ここでは、その第一歩としておすすめの本を2つ紹介します。

Branding 本質から学ぶ付加価値の意味

これまで説明してきたようなブランディングの重要性や、その具体的なブランド戦略の構築と実行について理解を深める上で役に立つ本が関野吉記著『Branding 本質から学ぶ付加価値の意味』です。

本書は、企業が「付加価値」を生み出し、社会にその価値を伝えていくためのブランド戦略を詳細に解説しています。

その中でも、企業理念の形成や組織強化のためのインナーブランディングやデジタル化への対応など、現代のビジネス環境に対応するための具体的な方法が提供されています。

また、関野著者自身がビジネスの現場で経験した多くの実例や、2,800社以上のブランドコンサルティングで得た知見も盛り込まれている点も特徴的です。

これによって、読者は理論だけでなく、現実的な視点からブランディングの知識を学べます。

特に中堅・中小企業の経営者や、ブランディングに興味を持つビジネスパーソンにとっては大いにおすすめできる本です。

世界で勝てるブランディングカンパニー ブランド力でマネジメントを強化する日本企業の挑戦

グローバル市場でのブランディングに興味がある場合におすすめできる本が『世界で勝てるブランディングカンパニー ブランド力でマネジメントを強化する日本企業の挑戦』です。

本書は、成熟・衰退している国内市場から脱却し、海外でブランド力を強化し、成長の道を模索する7社の事例を詳細に紹介している点が特徴的です。

また、良品計画の前会長である松井忠三氏へのインタビューも行われており、日本でも屈指のブランド力をもつ企業を作り上げたその経験からは優れた洞察を得ることもできます。

この本を読むことによって、企業ブランド力の強化や海外市場を開拓するための示唆を得られます。

そのため、特に中小企業のリーダーが新たな成功への道を見つけるための手引としておすすめです。

この2つの本の著者である関野吉記氏はセミナーを開催しているため、直接コミュニケーションを取ってこの本の内容について理解を深めることも可能です。

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実践的なスキルを独学で学ぶのは難しい

ブランディングを独学で学ぶ際の役立つ2つの書籍を紹介しましたが、本を読むだけでは実践的なスキルを得る事はできません。

野球のピッチャーがどのようなフォームで、どのようにボールを握って投げているのかを理解しても、それを繰り返し練習しなければ正確に実行することはできません。

ビジネスにおいてもそれは同じです。

実践的なスキルを高めていくためには、専門家と議論をして理解を深めたり、実際にブランディングを実践してトライアンドエラーを繰り返したりすることが有効です。

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ブランディングに必要な知識を学びたいなら

ブランディングに必要な実践的な知識やスキルを学ぶためには、まずは専門家が開催するセミナーへの参加をおすすめします。

実践してトライアンドエラーを繰り返しながら理解を深めることは頭でっかちではない活きた知識を得られるため、効果的な学習方法です。

しかしながら、その一方でいきなり実践に入ると大きな失敗を犯してしまうリスクもあります。

それによって、企業のブランドイメージを大きく毀損してしまったり、その失敗によって担当者を外されてしまったりするということは避けたいものです。

そのため、まずはブランディングの分野で経験を積んできた専門家が開催するセミナーに参加することをおすすめします。

専門家が開催するセミナーに参加することで、その専門家と直接議論して深い理解を得られます。

また、そのセミナーの参加者と交流することで他企業の状況や人的ネットワークを築くことも可能です。

そのため、ブランディングについての知識を得たい場合には独学で勉強を行うだけでなく、セミナーも有効に活用しましょう。

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