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【第7弾】「評価制度の構築」もブランディングの一環【新書籍発刊記念特別コラム】

2020/07/27(最終更新日:2020/09/30)

●「評価制度の構築」もブランディングの一環

お客さまや取引先に向けて、理想的なブランドイメージを構築する「アウターブランディング」
それと同じか、それ以上に積極的に進めることを意識すべきなのが、従業員に対して行う「インナーブランディング」です。
インナーブランディングの目的は、企業の価値を社内に浸透させることで、従業員の会社に対するエンゲージメントを高めることです。そんなインナーブランディングを成功させるためには、「評価制度」も大事な要素です。企業のブランディングに関わる際に、このお話をすると、たいていの場合は驚かれます。日本の企業では、評価制度の構築や運用は、あくまで人事部の領域です。「なぜ、人事部が決める評価制度が、ブランディングと関係するのか?」と思うのではないでしょうか。

●日本と海外での「評価制度で重視する点」の違い

海外だと、人事というのは、本社ではなくたいてい事業部ごとに置かれています。「自分たちの事業に必要な人材は、自分たちで選んで採用する」と、人事に関する権限が各部門に委譲されているのです。ですから、採用方法も多種多様になります。人材確保で他社や他部門に負けないようなアイデアをひねり出すことが求められるので、海外企業の人事部には、ユニークでアグレッシブな人が多くなる傾向があります。
これに対して、日本の人事部では、会社の中でも比較的おとなしくてまじめな人が配属されることが多いのです。

たしかに、納得できる面もあります。社員の入社から退職までの諸問題にかかわる人事部の仕事は、労働関係の法令と密接な関係があるからです。多くの会社の人事部にとっては、法令に則って人事に関するさまざまな問題を処理する、つまり「リスクを避けること」が優先順位の最上位になっています。だから、おとなしくてまじめな人が適任、という考えをもとにした配属になりがちなのです。

さて、その人事部が決める評価制度についても見てみましょう。たとえばアメリカだと、評価制度とは、「その人の能力をどうやって引き出して戦力にし、事業部や会社の成長につなげていくか」というところに主眼を置いて人事部が設計するものです。

ところが日本企業では、評価制度で一番大事なのが「法令に抵触しないこと」、2番目が「不公平だと社員から文句が出ないこと」。このようなことを念頭につくられることが多いと言えます。だから、日本の評価制度を海外に持って行ったとしても、正直なところ、あまり使えないことが多いのです。

●「信頼関係」はインナーブランディングから醸成される

評価制度が法令を守ってつくられていなければならないというのは、もちろん必要なことです。ですが、2番目に「公平な評価制度」が優先されることには、疑問を感じます。最近は、いわゆる「360度評価」を取り入れる企業も増えてきていますが、そうしたさまざまな工夫をしつつも、残念ながら「100%公平な評価制度はない」と言えます。どんなに評価軸を増やしたところで、人が人に点数をつける限り、公平になりようがないのです。

たとえば、上司からの評価が5段階のうちの3だった人がいたとします。さらに、面談で上司から「なぜ3なのか」という説明もきちんとされるかもしれません。しかし、それで納得できない場合もあるでしょう。たとえ口では「わかりました」と答えてはいても、心の中では「いったいどこを見ているんだ。自分だってたいした仕事もしてないじゃないか。あぁ、隣の課の木村さんが上司だったらよかったのに……」と悪態をついている可能性は大いにあります。

では、どうしたらいいのでしょうか?

ポイントは、「信頼関係」にあります。

上司との間に信頼関係ができ上がっていれば、評価が何点であろうが、部下はその評価を受け入れ、次はもっとがんばろうという気持ちになります。逆に、信頼できない上司だと、たとえいい評価であっても「なんであの人と私が同じ評価なんだ」とどこか文句をつけたくなるものです。
部下は上司を選べません。ならば、誰が上司になったとしても、上司と部下の間で信頼関係が生まれる組織にすることを目指すべきではないでしょうか。
そのような信頼関係のある組織であるために必要なこと、それは、「自分たちはこういうものを大切にしている」という共通の想いです。そして、「自分たちの想いを実現するためには、こんな評価制度が必要なのだ」というストーリーをつくり、みんながそれを受け入れるなら、その評価制度は必ずうまくいくはずです。これを形づくっていく過程も、まさにインナーブランディングだと言えるのです。
ブランドイメージというのは、みんなの「想い」に「輪郭」を与えたもの。評価制度が正常に機能している企業ほど、社員の想いは強固になり、それが社内外で輝けるブランドイメージとなっていくのです。

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