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大学の生き残りをかけ、大学の理念をブランディングする

2016.03.07

#ブランディング・レビュー

近畿大学が日本の大学としては文字通り先駆者として本格的に「ブランディング」を推し進めている。

 

みなさんご存知のとおり、近年の「近代マグロ」によるブランディング活動が功を奏し、2015年度の大学志願者数は明治大学、早稲田大学を抜いてついに日本一になった。

 

みなさんのご記憶にもあると思うが、数年前に、明治大学もちょっとしたブランディングを推し進めたことがあり、結果として早稲田を抜いて志願者数日本一になった。ところが2015年は近畿大学が志願者数で明治を上回った。

 

明治が実行したブランディングは、いわゆる「リブランディング」というものである。学校のロゴの変更、スクールカラーの徹底化、校舎の近代化(全面的建て替え)、そして人気のある芸能人をまとめて入学させる、という手法によって自身のブランドを「やり直し」することで、メディアと受験生の注目を集めたことが志願者数の高騰につながった。

 

一見大成功だった明治のリブランディングであるが、残念なことにあくまでも「表面的な作業」だけしか印象に残っていない。確かにロゴはスマートになったし、校舎はきれいになったし、芸能人も入学したのだが、明治のリブランディングにおいては「大学としての理念・カルチャー」が何なのかが明確にならず、また、それらを明確化した上で大学内外にコミュニケートして浸透させるという最も肝心な作業が十分ではない。わたし自身、明治大学は昔よりこぎれいでオシャレなイメージなったことは確かに感じるものの、「明治大学は大学として一体何をしてどこへ行くのか、何を提供していくのか」という大学としての明確な理念は全く伝わってこないのだ。

 

それに対して近大が進めてきたリブランディングは、近畿大学が「大学として何をやっていくのか」、という「大学としての理念」、つまり、近大マグロを中核とした「産業プロジェクト大学」のトップランナーとなるのだ、という近大の理念が非常に明確なメッセージとして発信されている。そのブランディングの中核となっている近代マグロから派生し、「ウナギ味のナマズの開発」、「製菓メーカーとの共同によるマグロ由来コラーゲンを使った化粧品開発」、「語学学校と共同による国際学部の設置」など、大学としての理念を基盤に具体的にどうように日本の産業の発展に貢献していくか、という近大の目指すものがブランドとして市場にダイレクトに伝わり、受験生に浸透した。結果として明治を抜きさって志願者数日本一となったのである。

 

近大のウェブサイトを見ると、ブランドとしてのトーン&マナーについてはまだまだ改善中と見受けられるが、大学の理念の学内外への浸透がきちんと進んでいる現状を鑑みると、早いうちに統一感のあるトーン&マナーによる「見える部分」のブランディングもきちんと推し進めてくるであろう。

 

少子化傾向がこのまま継続する日本の未来を考えると大学の需要は低くなる一方であり、その対策を講じない大学は消え去る運命にある。国公立大学を含め、いかなる大学も近畿大学が推進している「大学としての理念を基盤としたブランディング」を参考に独自の「大学としての明確な理念」を構築し学内外へ発信浸透させるというブランディングを実行して是非とも生き残りを図っていただきたい。

 

 

筆者プロフィール

野田大介

コンサルタント

 

■略歴 

神奈川県生まれ 神奈川県立七里ガ浜高等学校

立教大学 理学部 数学科卒。

The University of Alabama MBA 経営大学院修了

 

14年半の米国在住後帰国。MBA修了後、米国にて建設会社でプロジェクトマネジャー、化粧品会社にて米国支社長、帰国後マーケティングリサーチ会社勤務。

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