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東ティモール紹介レポート②『若者たちを支援する教育支援』

2015.10.13

#Hot HR ニュースイマジナインターン責任編集

21世紀最初の独立国である東ティモール(※ )において著者が所属する学生団体HaLuz(※ )が実施したプロジェクトや生活の中で学んだ現状をご紹介するレポートである。今までのバックナンバーは下記リンクにて紹介している。
バックナンバーへ

 

筆者は編集長の加藤と同じく東ティモールで活動する団体に所属している。今年(2015年)の8月末から9月中旬にかけて、約3週間東ティモールに滞在し現地において活動を行ってきた。この度の渡航では教育関係の活動をメインで行った。それに関連して今回のレポートでは東ティモールの若者等に対する教育支援等に焦点をあてて考えてみたいと思う。
なお、以前紹介させていただいた東ティモールの教育事情に関しての記事は、以下のリンクを参照して頂きたい。
東ティモールの教育事情へ

 

▼キリスト系団体による教育支援

東ティモールは先進国に比べて満足のいく教育環境が整っているとは言えない。子供の数に対して学校の数、教室の数さらには、教科書の数までもが足りていない現状である。家事の手伝いなどのため、学校に通うことが出来ない子供たちも多く存在する。
東ティモールの人口において約45%が14歳以下の若者たちである。そのような中で、十分な教育環境が整っていないことは、東ティモールの今後を担っていく子供たちのとって好ましくないことである。東ティモールの将来の為にも教育体制を整えることが重要になってくる。

 

その現状の中で、教育支援に大きな影響を持っているのがキリスト教系のNGOである。東ティモールの宗教がキリスト教であることもあり、教育の現場でもキリスト教系の団体が多く支援を行っている。実際に筆者が今年の夏東ティモールに行った際もキリスト教系の団体が教育の現場でも支援を行っているのを確認することが出来た。特に印象に残っているのが、首都ディリの近郊で運営されている中高一貫校である。建てられたのが二・三年前だということも関係あると思うが、公立の学校と比べて教室の数、設備等も十分に整っていた。多くの子供たちが二部制で午前と午後に分れて学校に行っている状況とは異なり、一日中学校に通うことが出来ている。生徒たちもスクリーンとスライドを使って調べたことを発表するなど極めて良い環境で勉強出来ていた。これらの充実している教育設備のほとんどは寄付・寄付金で賄われている。

訪問した学校の図書室(本はほとんどが寄付品)

▼問題なく支援は行えるのか

キリスト教系団体以外にも教育支援に関わっている団体は多い。しかし、その中でもまだまだ多くの問題が残っている。特に資金面での問題は大きい。私立の学校や私塾のような教育支援を行っているところだと、どうしても授業料を徴収する必要が出てくる。そのため比較的裕福な家庭の子供たちのみが、勉強する機会を得ることが可能となる。もちろん資金面での余裕がない家庭の子供にも考慮して、入学時成績が優秀な子どもは授業料の一部が免除されることも行われている。非常に良い教育を受けられることは非常に良い事ではあるが、裕福な家庭の子は十分な教育を受けられる一方でそれを受けられない子供たちもいるとなると、教育格差がより大きくなるといった可能性がある。

 

トレーナーとなる教師にも多くの問題がある。東ティモール人の教師を雇う場合に様々な問題が見えてくる。特に目につくのは授業が始まる時間に間に合わないことである。もちろん家事などを行って遅れてくる女性の教師の方もいるのだが、それが慢性化して時間通りの来る教師が非常にすくないということもある(全ての教育支援機関でそうであるわけではないが)。外国人の教師を雇って授業を行ってもらう場合、授業面では大きな問題はないがその場合、現地人教師の雇用が少なくなるという問題も起きる。東ティモールでは若者の雇用も大きな問題となっており、東ティモールで良い給料をえることが出来る教員の仕事が減ることは、東ティモールの若者の雇用機会を奪うものとなりうる。

▼今後必要となってくるのは何なのだろうか?

では、何が今後必要となってくるのだろうか?まず金銭的な問題で学校や学校以外の私塾に通うことが出来ない子供たちのために公立学校など授業料無料の学校の増設が不可欠となるだろう。それと併せて、子供たちへの教材の寄付なども行っていく必要がある。また、教員/トレーナーへの意識改革や訓練も必要となってくる。今後東ティモールの将来を担っていく若者たちへの教育を行う教員への指導も必要だろう。

 

これらの支援というものは、ほとんどがNGOなどの団体では賄いきれない部分が多く関わってくる。というのも、学校の増設などは教育省などの官公庁の果たす役割が多くなってくるからである。実際に官民合同で教育支援を行っている団体も存在し、いい成績が取れた人は外国への留学費を貸与という形で官公庁が負担するといった仕組みを作っているところも存在する。

 

東ティモールは独立してまもなく15年である。今後の将来を作っていく若者の教育が急務だということは前述している通りである。しかし、教育に関しては複雑な問題が絡み合っており、支援なども並大抵ではいかない。だからこそ、東ティモールの政府も東ティモールの将来像を明確にする必要がある。その中で、政府主導で教育改善を行いながら政府と支援団体が足りない部分を補っていく必要があるのではないだろうか?官民合同でのプロジェクトが今度増加し、より質の高い教育を多くの若者が得られるよう願うばかりである。

 

 

 

編集長プロフィール
武正泰史(たけまさやすふみ) 法政大学人間環境学部二年生
2015年1月からイマジナにインターンとして活動中。主に資料作成等を担当している。編集長同様、アジア最貧国の一つである東ティモールの支援を行う学生NGO HaLuzで活動を行っており教育支援事業や交流事業などを行っている。

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