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メンバーの将来像と会社の理念を統合し、組織を成長させる

2016/01/12(最終更新日:2020/07/17)

企業に新卒社員が入社して、9ヶ月が経過した。ここ数年景気が上向きになっているため、2015年度は新卒採用を強めた企業は多くあっただろう。来年度はさらに多くの学生を採用する企業もあるかもしれない。4月で入社した社員も学生気分が抜け、社会人生活も板に付いてきたところだろうか。

 

一般に、新卒で入社してから3年間の働きがその後のビジネス人生を左右すると言われている。これは役職や年収ではなく、「3年間の仕事に対する姿勢で、その人物の仕事観が決まる」ということだと思われる。
入社してから3年間、一生懸命働いた人はその後も手を抜かず働くことが出来るだろうし、のらりくらりと仕事をやってきたなら、その後もそういう姿勢で仕事をすることが予想される。もちろんこれは俗説であり検証データはないのだが、直観的に理解できる話ではある。「三つ子の魂百まで」ではないが、スタートダッシュは肝心という戒めだろうか。個々人の仕事観が醸成されるまでにきちんと仕事と向き合い続けることが、本人のキャリアにとってとても大切である。

 

ひるがえって新卒を「指導する側」の人間は、今年の新卒組に対し、現在どのような印象をお持ちだろうか。仕事の飲みこみが早いもの、またまだ指導が必要なもの。色んなメンバーがいるだろうが、教育が一筋縄ではいかないことは共通して感じていると思う。仕事帰りの飲み屋で「最近の若者は…」と愚痴ってしまいたい気持ちもわかるが、少し立ち止まって考えてほしい。前述したとおり、入社してからの数年間が今後の仕事観を決める。愚痴を吐く前に、指導する側の人間は新人が歩むその数年間に対し、きちんと向き合えているか。振り返ってみてはどうだろうか。

新卒の育成は、企業にとってとても大変な作業である。技術だけでなく、仕事に取り組む姿勢や心構えも同時に教えていかなければならないからだ。そのうえで、メンバーが主体性を発揮できるようなマネジメントをしなければならない。実務だけではなく、マインドの磨き方が重要なのだ。このマインドのマネジメントをきちんと行わなければ、5年後10年後、実務はある程度出来るようになっても、どこか責任感を感じられない「頼りのない社員」になってしまう可能性があるだろう。そのような社員が増えてしまうと、組織の弱体化に繋がるし、業務において大きなミスも起きかねない。

 

また立派なマインドを既に持ち合わせている「やる気のある新卒」に対しても注意を払わなければならない。この時期になると業務に慣れてきて、段々と自分のやっていることを客観的に見ることが出来るようになる。そうするとエネルギーはあっても「今まで言われた通り頑張ってきたが、この業務は何に役立っているのだろうか」や「今取り組んでいることは自分のキャリアにどう関係するのだろうか」等、業務を行う上での疑問が生じてくる。もちろんどの企業もその業務には意味があるからやらせているのだろうし、一見無駄に見えるような事柄も実は必要な下積みであることは多い。やる気があって業務の飲み込みは早いが、まだ俯瞰して物事を見ることが出来ない「これからが期待される新人」ほど、こういった疑問を持ちがちだ。自分の中でうまく折り合いをつけ仕事に集中出来れば良いが、そうでなければ日々の仕事を何となくこなし、何でも吸収できる貴重な時期を無駄に浪費してしまいかねない。最悪の場合、日々の仕事に意味を見つけられず退職してしまうことさえ考えられる。

 

キャリアの早い段階で、自身でモチベーションをコントロールし自走できるような人材に育ってもらうには、育成側の人間に何が出来るだろうか。

 

まず考えられるのは、相手の「将来なりたい像」を理解し、それに現在の業務を関連づける手伝いをすることだ。将来像が今の延長線上になくとも構わない。相手の本音を聞きだし、今の仕事がどんな場面で役立ってくるか、一緒に考えてあげることが大切だ。もちろんどんな夢でも否定してはいけないし、夢がなかったとしてもそれは決して悪いことではない。「今、一生懸命頑張る意味」を、共に模索する姿勢が大切なのだ。これだけでもメンバーは自分が大切にされていると感じるだろうし、やる気が再燃するであろう。

 

そしてそれを共有した後に、今度は会社側の考え、すなわち経営や育成における理念も同時に伝えることだ。理念はいわば「こんな人間であってほしい」という、社員に対する願いを言語化したもの。本人の将来像と会社からの願いを統合することで、組織人として大きく羽ばたくための土台が作られる。

 

メンバーの夢と会社の理念を統合させ、今この仕事を行う意味を明確にしていく。簡単なことではないだろうが、その取り組みは決して無駄にならない。新たな新人が入ってくるまでの間、今一度、メンバーと真正面から向き合ってみてはいかがだろうか。そして3ヶ月後、組織がさらに成長した状態で新たな仲間を迎え入れたい。

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