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Hot HR vol.159 – 企業が新卒採用活動でアピールすべきこと

2014.06.23

#Hot HRメールマガジン バックナンバー

曇天続きの毎日で梅雨明けを待つこの季節、大学生の就職活動の天気模様はどうだろうか。
2015年度卒大学生就職志望者のうち、5月1日時点での就職内定率は47.7%で、前年同月の39.3%に比べて8.4ポイント高いという結果が出た。(リクルート就職みらい研究所「2014年5月度 内定状況について」)
景気の回復を反映し、新卒採用の内定率も例年より高く、売り手市場ということが言えるだろう。裏を返せば企業も人材の確保に必死ということで、どの企業の採用担当者も大学生に自社をアピールすることに頭を悩ませている現状だ。他社に先駆けて内定を出してもその後のフォローで、内定者を惹きつけ、手放さない努力が必要になる。気が変わりやすい若者に向けて自社の魅力を訴え続けるのは決して簡単なことではない。

 

もし、あなたが採用担当者だとして、大学生に『御社で働くことのメリットは何ですか?』と尋ねられたら、何と答えるだろうか。
給与や退職金、福利厚生を魅力的なものとして1番に挙げるだろうか。仕事のやりがい、業務を通じての成長、知識、経験、コネクション……思いつくことのほとんどが無形の価値ではないだろうか。
変化めまぐるしいビジネスの世界において、企業が保持している有形の価値は安泰ではないことを多くの学生が理解している。その中で、学生も企業という場で得られる無形の価値、とりわけ『企業文化』を重要視し、強く求めている。
2013年4月末に実施した「2014年度卒学生・就職活動振り返り調査」(jobweb調査レポート)http://company.jobweb.jp/research/a-116098によると、企業選びの基準は「雰囲気・社風」と7割強(70.8%)の学生が回答し、第1位にランクインしている。
続く第2位以降は「成長できるか(58.5%)」「現場社員の対応(57.0%)」「自分のやりたいことができるか(55.0%)」と5割強を占めた回答は、企業内の雰囲気に関する項目となっている。

 

ここで、学生の意識の変化を見るために、企業を選択する際の理由に関する過去と現在を比較したデータを引用したい。
(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/13/dl/1-02-4.pdf)
「平成25年版厚生労働白書 -若者の意識を探る-」によると、企業の選択理由として挙げた『自分の能力・個性が生かせるから』、『会社の将来性を考えて』、『技術が覚えられるから』、『仕事が面白いから』の4つの内、約40年前と現在で大きく逆転した項目が2つある。
1971年、企業の終身雇用、年功序列制が疑いようもなかった当時、若者が会社を選択する理由は『会社の将来性』が約27%、次いで『自分の能力・個性が生かせるから』が約19%となっている。
その後、個人主義の風潮が高まり、1980年台は『自分の能力・個性が生かせるから』という選択理由が上昇し、安定して25%から30%の間を推移していく。
一方、『会社の将来性を考えて』という項目は90年代初頭から大きく下降し、現在では10%以下でその差約17%と、40年前とは大きな開きを見せている。
更に特筆すべきは、まだ記憶に新しいリーマンショックが起こった2008年に、『自分の能力・個性が生かせるから』という項目は10%以上の大きな伸びを見せたことだ。
不安定な経済の影響を受けて、学生が企業に求める価値は、過去と大きく変化している。過去の感覚に任せたままの採用活動であれば、本当に学生にアピールするべきは何なのかを見誤ってしまうだろう。

この事実を見て人事採用担当者は何をするべきだろうか。採用で成功するためには、学生へのアピール能力を高めることにあるのではなく、自社の組織文化を振り返ることに答えはあるのかもしれない。企業文化を理解して入社すれば、こんなはずじゃなかったという、双方のギャップが生じるリスクもおのずと減るだろう。
今年度の新卒採用は中盤までさしかかっており、冒頭で挙げた数字である、内定率47.7%に含まれていない学生たちの争奪戦が今後激しさを増していくだろう。
採用がアピール競争になっている現状を捉え、本来の企業が持つ魅力について今一度振り返ってみてはどうだろうか。新卒採用という限られたスケジュールの中で行われる活動ではあるが、雲の切れ間から差し込む光のように、学生にとっても企業にとっても未来を明るく照らすものであってほしい。

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