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Hot HR vol.149 – スタートアップ企業にみる事業成長へのきっかけ

2014/04/07(最終更新日:2021/11/12)

「スタートアップ企業」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
「ベンチャー企業」という和製英語に対して、「スタートアップ企業」というのは米国シリコンバレーを中心に使われ始めた言葉であり、日本でいうベンチャー企業にあたる「スモールビジネス」の中でも特に、<新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長とエクジットを狙う事で大きなリターンを目指す組織体>である。
もちろん新たな企業を生み出す起業家精神は、日本のマーケットを活性化するものであるが、その急激な成長を目指す働き方は、価値観が多様化し、変動要因が複雑化する現在の経済環境において、全ての企業にとって経営判断の迅速性を促進するうえで極めて示唆に富むものである。

 

一般的に「スタートアップ企業」に必要な要素は、最小限の「資金」「時間」「チーム(人)」と言われている。スタートアップ企業はすべての行動を、最小限の資金、人が集まり次第すぐにスタートさせなければならない。
なぜなら市場のトレンドは日々変化し、その変化もIT技術の進歩により激しくなっているからである。そしてそれを最小限のチームが最大限の領域をカバーし合いながら事業化していくのである。
これらの「スタートアップ企業」が、どうすれば事業を継続させ、成功していくのか。インテルやポラロイドなど数々の大企業でマーケティングや顧客戦略を担当し、現在はベンチャー企業の戦略系コンサルティングを行うVonavona Ventures社の代表たるアンディー・スミス氏によって、失敗するスタートアップ企業が犯しがちな「7つの過ち」が公開されている。
http://firstround.com/article/The-Seven-Deadly-Sins-of-Startup-Storytelling
<1:見せずに語ること>
サービス内容を顧客に伝えるときは、事業内容や商品・サービスを相手にイメージできるように伝えなければならない。
「視覚効果」を効果的に活用して共感をよぶことが必要である。
<2:専門用語を多用すること>
企業と顧客の関係において、相手に合わせるべきなのは会社である。決して顧客を会社に適合させてはいけない。
顧客に知って欲しいことは、シンプルにストレートに伝えなければならない。
<3:あまりにも抽象的であること>
ストーリーが抽象的で、リアルでない場合には人は共感してくれない。
逆に、ストーリーが具体的であれば、人は共感し、時にはそのストーリーを家族や知人にまで共有してくれるものである。
<4:一から順に説明すること>
相手に説明する際「時系列に沿っていて飛躍していないこと」は、「面白さ」ほど大切ではない。ストーリーは、連続的であることよりも面白いこと、情緒的であることが重要である。
<5:欠点がないこと>
事業に失敗はつきものである。しかし失敗したときに、企業の責任・謝意・アフターケアを示すことでリカバーすることは可能で、かえって顧客の信頼を勝ち取ることもあり得るのである。
<6:でっち上げること>
人々は「真実」によって感動させられたいのであって、「偽り」は人を感動させないだけでなく、大きな反感を生み出すものである。
会社が「真実」を語るためには、等身大の企業文化を伝えることも有効である。そして、企業文化をうまく語る方法は、従業員がどう考えているのか、どのように働いているのか、どれだけ素晴らしい働きをしているのかをアピールすることである。
<7:「人財」を活用しないこと>
企業の活動は「人」との付き合いなくして成り立たず、顧客の声だけでなく、従業員からの声も貴重な財産である。
スタートアップ企業がとるべき最良の戦術は、社内に「ストーリーのデータバンク」を持つことであるとスミス氏は述べている。
このストーリーのデータバンクには顧客からのフィードバックに加えて、従業員の体験談なども盛り込むべきで、このため込んだストーリーのデータによって、企業はより顧客に近づくことができるから、と続けている。

 

この指摘は「スタートアップ企業」のみならず、すべての「経営の迅速化を図り、事業成長スピードを高めたい企業」にとって示唆に富むものである。
どのように顧客に自社のことを知ってもらい、感動を生み出し、スピード感ある事業成長へと導くのか。
そこには、企業文化を理解、共有し、想いをひとつにする従業員が不可欠である。社内外に自社の企業文化を伝え広め、社外からの貴重な経験と情報を持ち帰り、自社の企業文化をさらに高める従業員が一人でも増えていくことで、あなたの企業の未来と成長スピードは変わってくるだろう。

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