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Hot HR vol.140 「職務と役割」

2014/03/06(最終更新日:2021/11/12)

企業が人事評価を導入する際にまず考えるのが「従業員の何を評価するのか」である。そして多くの企業が従業員の「仕事の範囲」を定義することを試みるが、その作業に頓挫してしまうのである。

 

何故、頓挫してしまうのか?それは、評価するべき「仕事の範囲」自体を人事の担当者が理解できていないからである。仕事の範囲を決める際に人事担当者がおこしがちな誤りとして、各部署の責任者に仕事内容をアンケート等で書かせて集約する、というのがある。この方法だと大まかな部署の目標だけ書いてくる部署から一つ一つの作業まで事細かく仕事内容を書いてくる部署まで、バラバラになってしまう。それをまとめただけでは全体で企業が各人に何を任せたいのか見えてこない。第一これでは公正な評価につながらないのである。

 

ここで考えるべきことが従業員の「職務」と「役割」の違いである。ただ、残念なことにインターネット等でこの違いを検索しても思うような回答に辿りつかないのが現状だ。日本においてはこの定義が依然曖昧であることと、それを定義すること自体の目的をはっきりと理解している者が少ない為だ。

 

「職務」と「役割」を理解する上で分かり易い有名な逸話がある。
昔、ある旅人が城を建てている作業場で石垣用の石を切っている職人達にであった。旅人は一人の職人に「あなたは何をしているのか?」と尋ねたところその職人は「私は石を切っています」と答えた。旅人は別の職人に同じ質問をしたところ、「私は今将軍様がお住まいになる城を建てています」と答えたそうである。
この逸話は各人が仕事をする際のそのモチベーションの違いを示したものであるが、ここでは、与えられた仕事の作業の一つ一つを「職務」と捉え、その職務の集積と彼に課せられたより上位の仕事の意義を「役割」と捉えることができる。
従業員に課せられた「職務」と「役割」は何なのか?これを整理することで、部署毎の仕事の定義は随分と整理することができる。

 

イマジナでは、企業に評価制度を導入する際にまず、この「仕事の範囲」を定義する「職務記述書(ジョブ・ディスクリプション)」を部署毎に作成している。これが公正かつ従業員のモチベーションを上昇させる評価制度の導入の第一歩となるのである。

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