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Hot HR vol.118 -人事の科学 ~統計学と人事~

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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長らく感覚と経験が支配していた日本の人事分野に、近年、科学の力が入り込んでいる。
定量分析やKPI分析など、人材の生産性をできる限り可視化し、戦略立案に結びつけようと
試みが多く見られるようになった。こうした試みは、日本の人事がマネジメントと近づいた
証でもあり、喜ばしい変化であると考えている。しかし、数値化は短絡的な結論や誤った
メッセージを発信する危険性もはらんでおり、使いこなすには一定の分析力が求められる。
定量化は機械的なイメージを受けがちであるが、戦略に落とし込むにはデータの解釈が
重要であり、人事の力がより問われる時代がやってきたと考えられた方がよいだろう。

 

■科学の着眼点
人事領域に科学はどのように入り込んでいるのか。下記はその一例であるが、いかに科学が
活用されているかが実感していただけるだろうか。

 

● 向こう5年間の人件費の変動に関するシミュレーションを行い、採用や昇給制度の見直しを行った。
● 社員のスキルや経験を可視化し、社内研修や専門職採用方針の見直しを行った。
● いくつかのKPI※を設定して現状と目標の乖離を分析・管理し、社員研修や人材の採用・配置に役立てている。

 

人件費など、最初から数値化されたものに対してだけでなく、社員のスキル管理や研修、
あるいは採用といった定性的な内容に対しても科学が適用できることがおわかりいただけたであろうか。
人のマネジメント、という複雑なテーマを扱う分野だからこそ、問題の原因や成長の要因を、
化学を使って「分析」することが非常に重要となるのである。

 

■科学の活用に向けて
冒頭にも述べたように、科学を活用するためには、結果の分析と解釈が重要になる。
そのために大切なのは、ビジネスの計画や目標の達成に資する分析結果が提供できるよう、
計画をしっかり練ることである。そして、計画段階から経営企画や財務などの他部署を、
巻き込んだタスクフォースなどを作っておくと、マネジメントレベルの合意を取るのも
スムーズに進むはずである。あなたが経営者であれば、是非人事領域にとどまらない
チーム設計をお勧めする。前述のように、科学の活用には分析力を要求されるので、
多様な視点からの分析を早めに加えて置いた方が、結果的に高いパフォーマンスが出せるはずだ。

 

科学を使えば、あなたの会社の人事はもっと強くなれるはずである。
会社経営の厳しい時代、「人事を科学する」ことは、もはやツールの一つではなく、
会社の発展になくてはならないものだと言えるだろう。

 

※KPI(Key Performance Indicator):会社や部門、人材のパフォーマンスを図るために設定する指標の総称

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