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Hot HR vol.109 -シニア世代の活用~グローバル規模での人材育成~

2013/12/18(最終更新日:2021/11/09)

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5分で分かる最新人事トレンド
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先日のメールマガジンで、定年延長について書いた際、シニア層の活用について
少し触れさせていただいた。シニア層の活用が課題に上げられるのは、一言で言うと、
社内で活躍させる機会が限られているからである。
日本企業のキャリアパスは終身雇用を前提としており、その道筋は極めて明解である。
大量に新卒採用を行い、同期で競わせながら、より優秀な人材をマネジメントポストにつける、
というものだ。そのため、マネジメントポストに比して採用した社員が多いと、
非管理職のシニア層、あるいは、当初の想定年次より遅れて管理職ポストに着く者が出てくる。
彼らは、会社のビジネスを回すために活躍してもらわなければならない人材であるが、
適切なフォローがなされず、その役割を全うできていない者も少なからず存在する
(最も、それはどの年代でも同じであるが)。

 

では、どうすればよいのか。
今後の対策を検討してみよう。

 

■目標管理の徹底
まず大切なのは、彼らと適切なコミュニケーションを取り、会社の期待を伝えることだ。
彼らの中には、会社での自らの位置づけに悩んでいる社員がいることを念頭においてほしい。
彼らに会社としての正しい期待値を伝えることで、進むべき方向性や働き方を伝えることが重要だ。
目標管理の仕組みは、会社の期待を社員に伝え、その貢献度に基づいた評価を行うのに非常に
適しているので、まだ導入済みでない企業の方は是非導入を検討していただきたい。

 

■報酬体系の見直し
もし、あなたの会社が実質的に年功序列的な報酬体系を採用しているなら、少しずつでも
日頃の業務の取り組み方が反映されるように改革してほしい。ぬるま湯は、人のチャレンジ精神や
危機感を奪い去り、会社のムードを停滞させがちである。頑張りが正しく認められる企業文化こそが、
社内の競争を促進し、会社の再活性化につながる。自動昇給を停止し、その原資を賞与や月々の
インセンティブ等に振り分けるだけでも、社員に対して明確なメッセージを伝えることが
できるであろう。

 

■新たな活躍の場の提供
最後に重要なのが、シニアが活躍しやすい環境を整えることだ。専門職向けには、海外での技術移転等、
自らの力を存分に発揮できる機会を提供する、総合職向けには、ルーチンワークを中心に、
ワークライフバランスを重視した働き方を提供する、等である。
注意したいのは、以前にも申し上げたように、キャリアパスを一本に固定しないことだ。
多様なキャリアパスを認めることで、それぞれが適正な力を発揮し、会社の歯車を回せるように
なるだろう。無論、報酬水準は、各々が発揮する「適正な力」と会社への貢献度が重視されるのは
言うまでもない。

 

シニアの活用は、課題それ自体の重要性だけでなく、より大きな問題を俯瞰するためのきっかけにもなる。
ぜひ、この課題と真正面から向き合い、企業の真の再生へとつなげていただければと思う。

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