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Hot HR vol.106 -海外現地法人社長のローカル化

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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2011年、グローバル人事に関する話題で、最も取り上げられたのは、
現地化の話題ではないだろうか。様々な「現地化」の中から、
今回はトップの現地化を取りあげる。

 

一昔前までは、海外に支店や現地法人を出すと、主要ポストには
日本人を置くのが一般的であった。しかし、文化や法律の異なる国では、
阿吽の呼吸で成り立つ日本流のマネジメントはほとんど使えない。
人材の管理がままならない状態が続き、現地からの撤退を余儀なくされる。
そういった事例は枚挙に暇がない。

 

■日本式マネジメントの改革
一方、グローバル化の加速、日本の消費市場の縮小、円高といった外部環境の
変化は、日本企業に海外進出をせまった。ビジネスの拡大のためには、
日本企業は海外に出ざるを得ない状態であった。各企業は社内外のリソースを
活用し、異文化理解の促進、グローバル向け人材管理システムの導入など、
マネジメント改革を進めていった。しかし、文化や歴史的な背景に基づいた
現地住民との対立、言語の壁、コストの増大など、様々な課題が立ちはだかった。
海外進出による飛躍的な成長は必ずしも期待できない今、現地の人材より
相対的に人件費の高い日本人は、限定的な登用にならざるを得ない。

 

■トップの現地化
さらに、ITの進化や金融のグローバル化は、国境をまたぐビジネス展開を加速させ、
多くの分野で企業間の競争が高まった。グローバルなサプライチェーンが形成され、
もはや企業の国籍は意味を成さなくなりつつある。他方、企業が事業を展開する
領域を広げるほど、人材不足の影がつきまとった。ビジネスのスピードも進化し、
もはや国内の人材を現地に送って教育する時間も費用もない。近代ビジネスの
スピードについていくには、現地化せざるを得ないというのが、日本企業の
本音ではないだろうか。

 

以上を踏まえると、トップの現地化にはプッシュ要因だけでなく、
プル要因も大きいのがわかる。現地化「せざるを得ない」企業にとって、
どうやって現地をコントロールするかは重要な課題となっている。

 

■カギは人材管理にあり
トップの現地化を効果的に進めるためには、評価と報酬体系を整えて交渉に入ること
が重要だ。これが整っていないと、利益の大半を報酬として持っていかれてしまう。
気づいたときにはもう遅く、解雇でもしようものなら訴訟のリスクは避けられない。
円満解決にも費用がかかり、海外進出は失敗に終わる、というシナリオをいくつも
見てきた。

 

評価と報酬体系の整備はそれほど難しいものではない。何をもとにトップの価値を
認め、対価として、どのように、いくら払うかを決めるだけである。

 

ポイントは、決して曖昧にしないこと。

 

直接的な交渉が日常茶飯事の海外では、曖昧な決定はタブーである。
絶対に譲れないポイントは、現地に詳しい弁護士やコンサルタントの力を借りて、
リスクを減らす努力をしてほしい。

 

現地化は望むと望まざるとに関わらず、これから皆さんが経験する現象である。
いざという時のために、今から準備をしておくことが、将来の成長に繋がるのだ。

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