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Hot HR vol.94 -ジョブディスクリプションの使い方 

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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日本企業の間で、近年急速に必要性が高まっているのは、
グローバル人材である。少し前は、「語学堪能な日本人」
「留学経験のある日本人」であったが、最近では、外国人の採用も活発化してきた。

 

■ジョブディスクリプションがなぜ必要か?

 

国内でも、海外の拠点においても、外国人、あるいはグローバル人材の採用となれば、
手法を変えなくてはならない。
経済産業省が公表している
「平成22年度・企業の人材マネジメントの国際化に関する調査」の報告書によれば
海外展開企業では、64%が中間管理職を、35%経営層を、
もはや日本人だけではまかなえないと認識していると回答。

 

その調査の中からいくつかの質問を抜粋してみた。

 

問:ジョブディスクリプションを作成しているか?(海外拠点あり)
答:45.8% 作成していない

 

問:ジョブディスクリプションを作成しているか?(海外拠点なし)
答:51.4% 作成していない

 

問:幹部人材には所属や国籍を問わず世界共通の人事評価基準を設定しているか?
答:70.7% 設定していない

 

上記の調査では、国際化の取り組みごとに必要な対象への取り組み
を質問したものだ。優秀な人材の採用、配置に成功しても、
適切な評価、処遇、キャリアパスの説明がなければ、
人材のリテンションは難しい。
そのため、この調査から初めて新設された
『ジョブディスクリプションを作成しているか?』の質問に関しては、
ほぼ50%前後の企業がなんらかの手を打ち始めた。

 

しかし、まだ、評価制度に関しては、
日本は、日本以外の国は世界共通に統一していても、
『日本はずし』のまま、評価は日本だけ別で動かしている。
評価を統一するには、まずは、日本の評価制度のものさしである
年功制、職能等級制度をなんとか廃止しなくてはならない。
そして廃止するためにはその代りとなるものが、必要となる。

 

弊社では、1500社以上の日系企業の海外拠点の人事制度作成をサポート
してきた経験から、ジョブディスクリプションは変更に適していると考えた。
きちんと取り入れれば、強力なツールとなる。

 

■ジョブディスクリプションの内容と目的

 

各ポジションに応じて作成されるジョブディスクリプションには
さまざまな内容が記載される。
たとえば、具体的な職務内容や職務の目的、目標、責任、権限の範囲のほかに、
そのポジションとかかわりをもつ社内外の関係先、
必要とされる知識や技術、資格、経験、学歴などが挙げられる。

 

なぜ、このように非常に細かく職務内容を明記する必要があるのか。
一番の目的は、そのポジションを担当する社員の職務内容を明確にするためである。
ジョブディスクリプションを作成することにより、
各自の責任や遂行すべき仕事、期待される成果など、
「会社全体に対する貢献度」がわかる。昇進や異動によって新たなポジションを
与えられた場合でも、戸惑うことなく自分の役割を理解できるというわけである。
また、企業が採用活動をする際にも有効に活用できる。

 

グローバル企業では、各ポジション毎に応じた人材採用を行うので、
求職者は企業があらかじめ明示したジョブディスクリプションの内容を理解して応募する。
企業が求める人材像と候補者とのマッチングが高い確率で実現できるため、
より優秀な人材の採用が可能になるのだ。
さらに、社員の評価にも用いられる。

 

職務に対して期待されていた成果と実際の結果を比較検討できるので、
職務の対価を査定できるほか、今後必要とされるトレーニングについても
的確に明示することができる。また、昇進や解雇の人事決定を行う際にも、
客観的に判断する基準となるため、訴訟などの法的なリスクも軽減されるのである。

 

■上手に使いこなすために

 

ジョブディスクリプションとは、そのポジションの職務内容及び職務上期待されていることに
ついての概要を示したものであって、すべての具体的な業務が網羅されているものでは
ないということを、まず説明してください。できるだけ具体的に職務内容を示したい場合には、
目標設定のプロセスでよくコミュニケーションを取ることが大事です。
従業員がジョブディスクリプション及び目標の範囲外のことに従事する時間が
あまり長くならないようにすることは、会社にとっても従業員にとっても重要なこととなります。
管理職はこのことをよく認識しておいてください。

 

また、ジョブディスクリプションの作成は、グローバル企業では、外注に出し作成するのが一般的だ。
日本企業も、恐れず外注にだし、空いた時間は人事戦略を立てることに利用することをお勧めする。

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