imajina

  • トップ
  • 記事
  • Hot HR vol.71 格差を乗り越えて。希望のある会社を。

Hot HR vol.71 格差を乗り越えて。希望のある会社を。

2013.12.18

#Hot HRメールマガジン バックナンバー

==================================================================
5分で分かる最新人事トレンド
==================================================================

 

◆◆世界最大の世代間格差を持つ国ニッポン◆◆

 

「世代会計」について皆さんご存知でしょうか。
それは、国民が生涯を通じて、政府に対してどれだけの負担をし(社会保障や税金)
政府からどれだけの受益を得るかを推計することをいいます。

 

日本では、世代会計によって推計される現在の60歳以上の世代と若者世代の
格差額が、なんと1億2300万円もあると言われています。その額世界最大といいます。
近年、年金をあえて払わない若者がたくさんいるように、現在納めている社会保障や
所得税・消費税に対して、将来国から還元してもらえる額は少なくなってしまうことが
目に見えているのです。続く不況により若者の雇用情勢も厳しく、将来に悲観的に
なるのもしょうがありません。

 

そして、膨らむ財政赤字をカバーしていくために国民の負担は今後も増え、「世代間
格差」はますます開いていくことでしょう。

 

このように、制度や国の事情によって社会全体に格差や悪循環が生じるのは
人事に関しても同じで、社会構造に大きな影響を及ぼしています。

 

◆◆いろんな格差で悪循環◆◆

 

では、どのような格差が実際に生じているでしょうか?

 

┏┓正社員・非正社員
┗◆━━━━━━━━━━━━━━
正社員と非正社員の格差は大きく分けて3つ。
①賃金などの労働条件格差、
②社会保険などの社会制度格差、そして
③キャリア形成における職業教育機会の格差。
所得や福利厚生のみならず、未来のキャリア形成に関しても大きく差が開いて
しまうのです。リーマン・ショックが起こってからの派遣切り然り、一度非正規雇用
になってしまうとそこからの再起も難しいのが日本の社会です。
セカンドチャンスを得られるのが非常に難しいのです。
また、更に格差が広がれば、経済的に子供を育てるのが難しいと考える人が
増え、少子化をますます深刻化させてしまいます。

 

┏┓男性・女性
┗◆━━━━━━━━━━━━━━
女性の社会進出は進み、今や総雇用者数に対して女性が占める割合は41.9%
まで成長しました。更には2009年の全国消費実態調査によると30歳未満の
単身世帯の女性の所得は、男性の所得を上回ったという驚きの事実も表われています。
ただ、それでもなかなか増加しないのが女性の管理職比率です。
2008年時点で8.8%となっています。人生のイベントにおいて出産の可能性もある女性だと、
たとえ高い業績をあげていたとしても昇進のチャンスを逃してしまうこともあるそうです。
また、不況によって女子学生の内定率は最も低くなっており、「仕事よりも結婚、
就活より婚活」と社会に出る前から安定思考で考える女子学生が増えているとさえ
ききます!厳しい雇用情勢の中で、やはり結婚、出産、育児というライフステージ
が働く上で壁になってしまっているのです。

 

┏┓新卒•既卒
┗◆━━━━━━━━━━━━━━
日本の新卒内定率はリーマンショック以降下がるばかりです。
その数値、10月1日時点で57.6%。
つまり、約2人に1人が卒業後の進路が決まっていないのです。それに伴い就職留年と
いうかたちで大学に残る学生が増えています。それは採用で優勢になるには新卒という
ブランドが必要不可欠だからです。一方、経済的な理由等で留年を避け、既卒者として
就職活動を続けている人には依然として厳しい風当たり。
第二新卒の採用枠を設ける企業も少しずつ増えていますが、それも就業経験がなければ
評価はされづらいでしょう。最近では卒業後3年までは新卒と同様に扱うべきだという提言
もされていますが、そもそも新卒、既卒という枠組み自体が雇用をますます硬直させている
のかもしれません。

 

これらの格差について考えると、日本では長期的に見て人材力がどんどん低下していく
ように感じられませんか??少子化が進み人口が減少していく中で、いかに意欲のある
人達を正当に評価し、満足いく形で働き続けられるよう環境・制度を整えられるか、
これは大変重要な課題です。

 

◆◆他国にみる人材パワーとそれを支える制度とは◆◆

 

日本に代わるアジア経済圏の中心となっているのがシンガポールです。
シンガポールは小さく国土の狭い国であるため、資源があるわけではありません。
そのため人材の育成に余念がないのです。高い語学能力や世界を跨いだ高度教育機関での
学習環境の良さが突出しており、国家を支える優秀な人材がどんどん輩出されています。

 

同時に、女性の活躍も大変進んでいます。
女性の管理職比率が50%にも及ぶというシンガポールは、もともと夫婦共働きの世帯が多く、
出産後も殆どの女性が職場復帰しています。考えられる理由の1つとしてあげられるのが、
政府が支援する産休・育休制度の充実です。
日本同様、シンガポールの出生率も2009年時点で1.22%ととても低く、2008年から少子化対策
を政府で推進し、そこから決定した様々な制度によって、女性の産後復帰が支えられています。

 

①16週間の産休(有給)
②ベビーボーナス制度
③保育所の増設
④控除率の引き上げ

 

特に、ベビーボーナスは2人目までは約26万円支給、3人目以降は約38万円支給となっており
更に母親が働く場合は控除率が通常5%から15%にまで拡大されます。
これによって、さらなる女性の戦力の活用を促進しているのです。

 

このように、シンガポールは人材パワーで満ち溢れ、世界同時不況に陥っても確実に回復している
国家なのです。

 

◆◆格差を乗り越えて。希望のある会社を。◆◆

 

日本は先進国であるにも関わらずもっとも元気がない国になってしまっていることは自明です。
その背景には、上記にてあげたような「格差」が生まれてしまっていることがいえるでしょう。
その格差が社会の硬直を及ぼし、悪循環に陥っています。
今こそ、全員にチャンスがあり、性差関係なく活躍できる社会、若者がどんどん力をつけて働ける
フレキシブルな仕組みを持つ会社が求められています。
誰もが希望をもって元気よく働き続けられるように…!!!

 

国家によって、決まってしまう制度も多々ありますが、まずは会社でどのような人材が必要なのか、
その人材が活躍するためにはどのような制度やルール、環境が必要なのか、これらを固定概念
にこだわらずに考えてみることが必要だと思います。
それを実践する企業が増えた時、長期的にみると日本も優秀な人材のいる国へと生まれ変われるでしょう。

 

参考

 

「平成20年働く女性の実情」厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0326-1.html

 

日経ビジネス「サンデル教授に問いたい『搾取』の正当性」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101007/216538/

 

「世代間格差は事前積立の導入で解決できる」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101105/216962/

 

「女性部下の昇進を止めた、『僕たちの正当な評価』」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090420/192442/?P=1

 

経済産業研究所「雇用危機:克服への処方箋 正社員と非正社員の格差解消の方向性」
早稲田大学大学院法務研究科教授 島田 陽一
http://www.rieti.go.jp/jp/projects/employment_crisis/column_07.html

 

海外駐在員ライフ From Singapore
http://journal.rikunabi.com/work/oversea/oversea_vol25.html

 メルマガ会員募集  メルマガ会員募集

無料ブランディングセミナー