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Hot HR vol.40 – 優秀な社員のつなぎ止め方

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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厳しい経済状況の昨今、どの企業も人事制度と給与制度の改革・改善を余儀なくされております。
このような状況下で今、企業から受ける一番多いご相談は、
『給与を上げ続けなくても、社員を引き留める方法はあるのですか?』 というものです。
この問いに答えるためには、一つ大切なことを知る必要があります。

 

「働く目的は、おカネなのだろうか?」

 

さまざまな職種、職位、年齢、性別、国籍の社員を1,000社以上に渡ってヒヤリングしてきた経験から、日本企業でもグローバル企業でも、特に優秀な社員ほど、「おカネは二の次」と考えていることが分かりました。
(おカネを一番にあげているのは、現在急成長をしている中国企業の社員などです。)

 

◆ ある企業の話◆
ある企業が、優秀な研究者を競合から引き抜いてきました。しかし1年半ほど経って、その研究者が会社を辞めたいと言ってきたので、
その企業の人事担当者から「彼を引き留める為に、給与の大幅アップを提案したいのですが、どうでしょうか。」というご相談を受けたことがありました。
会社が給与アップを提示することは、少し待っていただくように話をしました。
それよりも彼が「なぜ」辞めたいと思ったのかを知るために、まずは話をじっくりすること。
そしてその方の上司が、彼に新製品開発や仕事へのご自身の思いや情熱を語りかけ、「よし、この上司と一緒に頑張ろう!」と彼に思ってもらうことが大事であることを伝えました。
ここで話をしなければ、たとえ今回の引き留めに成功したとしても、1年後にはまた同じように「辞めたい」と彼が言い出すことは分かっていたからです。
しかし、この企業の人事担当者は話を聞き入れることなく、給与アップを交渉し、そしてやはりその研究者は会社を退職しました。

 

◆会社に魅力がなければ、社員はつなぎ止められない◆

 

今回、本当に伝えたかったことは、
――― 彼が辞めたいと言っているのは、会社に魅力を感じないからではないでしょうか。
この会社に魅力がないままでは、同じ事の繰り返しになってしまいます。つまりおカネだけの問題ではなく、この会社に社員を引き留めるだけの魅力があるかどうかという問題なのです。―――

 

この企業は、彼が会社を辞めた本当の理由に気付いていたのでしょうか。

 

◆「人事制度」がきちんと機能するためには◆

 

もちろん皆さん、おカネは大切です。しかし、おカネだけに重きを置いた経営を続けていると、
自然に社員はおカネと引き換えにしか仕事をしない文化ができます。そのような企業では、優秀な社員を引き留めるために
永続的に給与をアップし続けなければいけないということです。
それを未然に防ぐためには、まずこのような既成概念を壊さなければなりません。

 

多くのグローバル企業には、職務に応じた給与レンジがあり、その中での職位の上限に達すれば、給与は基本的にその位置で止まります。
そもそも高度成長を時代の背景とした給与制度を使い続けること自体に無理があることに、企業はようやく気付き始めてきたのです。

 

『給与を上げ続けなくても、社員を引き留める方法はあるのですか?』
――― 答えはYES です。
その会社に魅力を感じるかどうか。それはつまりその会社が、

 

・ 仕事を通じて、自己成長できる環境であること。
また社員がやりがいを持って仕事に望むことができ、
・ 自己のスキルや能力がその仕事に役立つこと。
・ 仕事ぶりに対して、正当に評価してくれる上司がいること

 

なのではないでしょうか。

 

やりがいとは、何か?
『自己の成長が仕事を通じて実現でき、自分の存在価値がコミュニケーションを通して実感でき、
目標を持って働けること』 と言い換えることができます。

 

また制度改革の成功は、マネージャー層の部下への定期的なフィードバックやコーチング、
必要な時のサポートや公平な評価基準が鍵となります。

 

給与改定を検討、実施されている企業の皆さん、
皆さんの会社の社員は、やりがいを感じていますか?

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