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Hot HR vol.32 -成功する転職活動と企業のリテンションマネジメント

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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近頃、毎日のように人員削減のニュースを目にする中で、自分の将来や
会社の将来に不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は採用・雇用という観点から、個人と企業に求められていることを
お伝えします。

 

◆企業と人材のスキルギャップ◆

 

昨年からの不況の影響により、世界中でリストラ、人員削減のニュースが
報道されています。このように時代に大きな変化がある場合は、それに伴
い、市場の動きも変化します。つまり、今まで主流であった市場が縮小し、
新たな市場が生み出されたり、需要の少なかった市場が勢いを増すように
なるのです。

 

その結果、企業は事業を遂行するために必要な人材の再定義を余儀なくさ
れます。つまり今のように景気が停滞している時には、企業は、より即戦
力を求めるようになり、人材に求める要求を高める傾向にあります。しか
し、市場に溢れている多くの人材は、企業が求める要件を満たしていない
ケースが多く、需要と供給のバランスが保たれないのが現状です。

 

◆役職に頼らずスキルを明確にする重要性◆

 

現在、組織改革や事業縮小により退職を余儀なくなれる多くの従業員は、
会社が期待する役割とその従業員のリターンが合わない人です。特に年功
企業の幹部層の転職は多くなるでしょう。これまで
“大手企業の●●部長で●千万円の年収”
で働いてきた管理職が、転職することになったら大幅に年収は下がってし
まったというケースはよくあります。年功序列の制度では、スキル以上に
報酬が高騰していることがしばしばあり、転職活動をして初めて、良い条
件でこれまでの企業で働けていたことを認識したという声もよく耳にします。

 

現在、多くの企業がリストラを敢行せざるを得ない状況になっています。
転職活動ではこれまでの役職が通用しないものと思ってください。スキル
ベースの転職活動が大切です。まずは、「できる職務」「これまでの実績」
を明確にし、「誰にも負けないというスキルを確立しておく」ことが重要
です。

 

グローバルな転職市場では、一般的に、同じ企業に8年以上在籍すると売
れない人材のカテゴリーに該当する可能性が高いです。というのは、通常、
企業や人材紹介会社は数年ごとにキャリアアップを図っている人材に目を
つけるからです。しかし一方で、1-2年ごとに転職をしているなど、転職
回数が多すぎる、または転職により年収が下がっているケースも、次の転
職が難しくなっていきます。日本企業間では、このようなシビアな見方は
まだありませんが、いずれこのような動きが出てくるでしょう。

 

◆市場が求める人材、転職成功人材◆

 

ではこれからの時代にはどのような人材が求められるのでしょうか?

 

ポイントとしては以下が挙げられます。
1. 特定の分野におけるプロフェッショナル・スキルを持っている人
2. セールスとマーケティングができる人
3. 5年以上のマネジメント経験がある人
(プレーイングマネージャーや名ばかり管理職ではなく、
本当の意味で部下をマネジメントできる人)
4. コミュニケーション能力の高い人
5. グローバルに活躍できる人

 

当然ながら、上記項目が当てはまる人ほど、市場価値が高くなります。
しかし、これらのスキルは一朝一夕で身に付けられるものではありません。
重要なことは、常にプロフェッショナルとしての自覚を持ち、今いる場所
で仕事を通し、確かな実績や経験を積み、同時に自己啓発に励むという姿
勢ではないでしょうか。
皆さんは毎年、自分の履歴書を更新していますか?去年の自分より今年の
自分の市場価値が上がっているか、確かめてください。

 

◆企業に求められるリテンションマネジメント◆

 

さて、それでは、かたや企業サイドはどうでしょうか?厳しい時代を生き
抜いていくためには、コア人材が欠かせません。前述の通り、高いスキル
を持った人材は日本だけでなく、グローバル規模で求められています。
よって、それらの人材を流出させないためにも、適切なリテンションマネ
ジメント(優秀な人材の引き留め策)が重要になります。コア人材に対し
ては、金銭的な報酬だけでなく、面白い/やりがいのある仕事、ワークラ
イフバランス、表彰、労働時間/職場環境の柔軟性などの非金銭的報酬を
与えることが大切です。また日頃から、上司がコア人材に対して、
“重要な存在であり、期待しているよ”
というメッセージを送り、態度などで本人に示すことも欠かせません。

 

企業によっては、コア人材の育成に注力しているケースもあると思います。
不況時には特に、人々の安定志向が高まり、新卒採用を重要視する企業も
多くなっています。採用時に人材を見極めることも重要ですが、それ以上
に大切なことは、長期に渡り人材を育成し、確保することです。

 

適切なマネジメントとは目標設定→業績評価→研修のサイクルを効果的に
回していくことを意味します。そのためには、経営戦略に基づいた人事制
度/ポリシーの確立と日頃の上司と部下とのコミュニケーションが欠かせ
ません。

 

現在、業績管理が正当に機能している日本企業は少なく、むしろ業績評価
などを避けたがる傾向にあります。年棒制にすれば、社員のやる気がでる
という単純なものでもありません。しかし、個人の成果・評価に基づいた
報酬を決定したり、場合によってリストラ/解雇などの決定をする際には、
業績評価の記録がベースになります。社員からの訴訟などの雇用リスクを
削減しつつ、社員のモチベーションを向上させるための制度構築/運用が
大切なのです。

 

いつの時代も企業は人で成り立っています。企業と社員が歩み寄い、
お互いに成長を図れるような人事マネジメントを心がけましょう!

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