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Hot HR vol.22 – 社員を引き留めるエンプロイ・エンゲージメント

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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最近、「エンプロイ・エンゲージメント」という概念がマネジメントにお
いて注目されています。若年層の離職率の高騰に悩む企業が多い中、エン
ゲージメントの高い社員を保持・育成することが、業績向上のポイントに
なります。

 

◆エンプロイ・エンゲージメントとは?◆

 

「エンゲージメント」は、組織と個人の双方の成長が貢献し合える関係を
意味し、個人と組織の目指す成長の方向性がどれだけ連動しているかとい
う関係性をあらわします。
また、会社がその状態を作りだすことを「エンプロイ・エンゲージメント」
と言います。エンゲージメントが高い状態とは、「その組織で働くことに
より自分のありたい姿に向かって成長できるという実感があり、自己実現
のための努力が会社のビジョン実現と合致している」と思う社員が多い状
態です。
このような状態にある会社は、社員が意欲的に働き、さらに離職率の低下
も期待できるといえます。

 

◆エンゲージメントの実現に求められるもの◆

 

働く人のモチベーションの源泉は、個人によって優先順位が異なりますが、
一般的には下記のような要素の組み合わせとなります。

 

- 仕事内容/やりがい
- キャリアアップの機会
- 人間関係
- 職場環境
- フィードバックの質
- 報酬
- コーポレートブランド
- 経営理念

 

エンゲージメントの観点では、個人の意欲と組織の生産性がテーマになり
ますので、報酬(給料)よりも、経営理念や仕事内容が重要になります。

 

受身の姿勢で仕事をしている人には期待以上にパフォーマンスを発揮する
ことは望めません。しかし向上心をもって、自発的に仕事を行う人は高い
パフォーマンスを発揮することが期待できます。
よって経営理念と仕事内容を明確にすることでポテンシャルの高い社員と
会社が相互の成長に貢献できるような関係の構築が期待できます。

 

また、エンゲージメントを高めるには、会社が職場環境の向上に全面的に
努力する必要があり、また全社員が多様な価値観を認め、社員自身が「ど
うなりたいか」について意見を積極的に交わす必要性があります。

 

◆評価制度の重要性◆

 

先にエンゲージメントの場合は、報酬よりも経営理念や仕事内容が重要と
書きましたが、日本企業では報酬の見直しをすることがまず必要です。
日本企業では徐々に金銭的報酬は会社と個人の業績に基づいて決定され始
めていますが、年功制がまだ中心であり、

 

“業績と報酬がリンクしていない”あるいは“その関連性が不明確である”

 

ために、「報酬を上げるために仕事を頑張る」という意識を持つ社員は少
ないのが現状です。
逆に言えば、企業が明瞭かつ公平な評価制度を構築すれば、ロールモデル
や目標が見えやすくなり、社員のモチベーションを上げることができます。

 

もちろん人は金銭的報酬のためだけに働くのではありませんが、努力して
成果を残した人とそうでなかった人で報酬に差をつけなければ、いずれ他
の社員も成果を残そうと努力しなくなってしまいます。

 

評価制度の運用の仕方は会社ごとに自由に決定できます。
例えば、プロセスを問わず業績(結果)のみを問う方法、
逆に、プロセスと業績を何割かで案分する方法など、
様々な運用が可能です。

 

会社として「どのような評価/報酬制度を持っているのか」という明確なポ
リシーを社員に公開し、納得性を高めることが重要なのです。

 

◆エンゲージメントを高める人事制度◆

 

「結果だけを問う成果主義は日本企業には馴染まない」、
「成果主義がうつ病の原因だ」

 

と結論付けるというのは時期尚早です。
人事制度は運用次第で社員を能力をさらに活かすことができます。成功す
る人事制度のポイントは目標設定、業績評価、報酬がリンクしていること
です。このことは「業績が悪ければすぐに解雇する」、または「報酬を大
幅に減給する」などのドライな結末を必ずしも意味する訳ではありません。
長期雇用を目指す場合にこそ、職務ベースの人事制度は重要な役割を担い
ます。

 

目標設定は本来、社員が組織/部門目標やジョブディスクリプション(職
務記述書)を元に、自分で立てるものであり、会社側が一方的に押し付ける
ものではありません。目標設定の目的は、社員のやる気を向上し、さらに
社員と管理職のコミュニケーションを促進させる手段です。
そもそも他人から強要されるものよりも、自分から自発的に取組んだもの
の方が、やる気を出すものです。

 

経営理念や組織としてのあるべきを姿をベースとして、企業と社員が相互
に歩み寄りながら共に発展/成長していくことが、エンゲージメントを高
め、結果としてリテンション(引き留め策)に繋がるのではないでしょうか。

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