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Hot HR vol.154 – 10年後の働き方「ワークシフト」

2014.05.19

#Hot HRメールマガジン バックナンバー

「10年後、自分はどうなっているか?」誰しも一度は考えた事があるだろう。「どんな生活をしているのか?家族は?仕事は・・・?」

 

2012-2013年にベストセラーとなった「ワークシフト」の著者:リンダ・グラットン氏は、この著書の中で2025年における働く人々の様子を予測しており、「漫然と迎える未来」には孤独で貧困な人生が待ち受け、「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生があると指摘している。そして、次の「3つのシフト」によって「漫然と迎える未来」を変える事ができると言っている。
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1.ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
広く浅い知識しか持っていない「なんでも屋」の最大のライバルはウィキペディアやグーグルであり、未来で成功するには「専門技能の連続的習得」が求められる。これからニーズが高まりそうな職種を選び、高度な専門知識と技能を身につけ、その後もほかの分野に脱皮したりすることを繰り返さなくてはならない。同時に、自分の能力を取引相手に納得させる「セルフマーケティング」も重要になる。

 

2.孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
未来ではイノベーションが極めて重要になる。そのためには、多くの人と結びつくことが必要だ。キーになるのは、オンラインで築かれる世界規模のコミュニティを指す「ビッグアイデア・クラウド」、同じ志を持つ仲間を意味する「ポッセ」、そして情緒面で安らぎを得るための「自己再生のコミュニティ」。この3 種の人的ネットワークが、創造性を発揮する源となる。

 

3.大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
所得を増やし、モノを消費するために働く──こうした、仕事の世界の「古い約束事」がもはや機能しなくなっている。先進国の多くの人は、所得がこれ以上増えても幸福感は高まらない。働くことで得られる充実した経験こそが、幸福感の牽引役となる。時間とエネルギーを仕事に吸い取られる人生ではなく、もっとやりがいを味わえて、バランスのとれた働き方に転換しよう。
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つまりこれからは、主体的に学び続け、自由で創造的なコミュニティを自ら作っていく必要があり、そして幸福感はお金ではなく『働くことで得られる充実した経験』で得られるものとなる。これからの時代に求められる働き方はシフトしていき、また人が仕事に求めるものもシフトしていくという、非常に興味深い考え方である。

 

グラットン氏が予測している世界は約10年後の世界。働き方のシフトが重要になってくるという事は、すなわち、企業側もそのシフトに対応していく必要があるのではないだろうか。

 

国は40歳頃の人口がピークを迎える時に生産力が高く最も成長するという話がある様に、40歳前後はいわゆる働き盛りである。これから10年後に働き盛りを迎える世代は、実際どのような働き方を志向しているのだろうか。この世代は「Y世代」とも呼ばれるのだが、このY世代に関するデータをご紹介しよう。

 

あるアメリカの調査では、Y世代の89%が、『働き方に関する柔軟な選択肢』は、雇用主を決める上で重要な要素であると答えている。また別の研究によれば、彼らは働く時間帯を自由に選べるのであれば、長時間労働も厭わないという。彼らは、働く時間・場所を自由に選び、また自身の思い描く自由なキャリア形成を実現できる組織で働くことを望んでいる。つまり職場に求めるのは、自ら選択できる環境である事だと考えているのだ。企業とは主従関係ではなく、フェアな関係を望んでいるともとれる。
Y世代のこの傾向は世界的なものであり、共通性は強くなっているという。国が異なっていても、働き方に求めるものの考え方は共通してきているのである。

 

しかし一方で、日本人の場合、置かれている環境に、大きく2つの点で他国の人との違いが見られたという。一つは、ピラミッド構造の組織で仕事をしている事、そしてもう一つは、オフィスに長時間いなければならないという風土であるという事である。企業と従業員の関係は主従の色が濃く、会社の都合による異動が繰り返され、またオフィスには日々長時間縛り付けられている。
つまりY世代の日本人には、「働き方に求めるもの」と「実際の環境」の間にギャップが生じてしまっているのである。

 

これから日本企業がグローバルで勝ち抜くためには、これからの労働力を担う世代が求める環境を理解し、このギャップを埋めるべく対応していく必要があるのではないだろうか。さもなければ国内の人材は流出し、また海外の魅力的な人材を招き入れる事も難しくなってくるであろう。

 

皆様の会社の環境は、この『Y世代』にとって魅力的なものとなっているだろうか。
個人のキャリア形成を無視し会社都合の異動を繰り返してはいないか、また年功的で、オフィスに長時間いる事を良しとする風土となってはいないだろうか。

 

ぜひ、10年後の自社の姿を思い浮かべてみていただきたい。
その時、社員が自己のキャリアを主体的に築く事ができる、また長時間オフィスにいる事が価値ではなく、何を良しとするかが明確になっていれば、社員にとってより魅力的な会社となるだろう。
そのためにも、キャリアを選択できる制度や、何を評価するのかを明確にする仕組みを作っていくことをおすすめしたい。

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