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Hot HR vol.153 – 女性の活躍を阻害するものとは

2014.05.12

#Hot HRメールマガジン バックナンバー

昨年4月に安倍首相が「3本の矢」と言われる「成長戦略」を発表したのは記憶に新しい。
その柱の一つが「女性」の活躍であり、この取組みこそが「成長戦略」の中核をなす、とのものである。政府は指導的地位の女性の割合を2020年までに30%に増やす目標を掲げるなど、数値目標を設け、女性活用を促進したい考えだ。
その後1年が経過し、日本企業における女性の活躍、活用は進んでいるのだろうか。

 

ここに興味深い調査結果が2つある。
日本能率協会が毎年行っている新入社員向けの意識調査によると、「あなたは、将来子どもが産まれた場合、仕事を続けたいと思いますか」という質問に「ぜひ続けたい」と回答した女性は、8年前の2006年度は24.6%であったのが、今回の2014年度では38.0%に増加した。一方で「育児に専念したい」と回答した女性は、2006年度の16.3%から2014年度は4.6%と減少していることが明らかになった。

 

しかし一方で近年、女性の間で専業主婦願望も高まっているとの調査結果もある。厚生労働省の調査では、独身女性の3人に1人は専業主婦を希望。
内閣府の2012年の調査でも「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」と考える人の比率が前回(2009年)より10.3ポイント上昇し51.6%になっている。しかも20代では20ポイント近く伸びたようだ。

 

これらのデータには、意欲もあり前向きにキャリアを積もうと会社に入りながら、そこにある大きな壁にぶつかり、意欲を低下させてしまっている女性の姿が見て取れないだろうか。「仕事量は男女平等でも家事・育児は女性」「長時間労働で家族を犠牲にするのはやむなし」といった社会の意識が女性の働く意欲を萎(な)えさせてはいないだろうか。

 

私たちはいま改めてもう一度見つめなおさなければならない事実がある。それは人口減少という劇的な環境変化に私たちが直面しているということだ。
総務省が4月に発表した人口推計によると、在日外国人を含む総人口は、前年に比べて21万7000人減少し、1億2729万8000人となった。そして15〜64歳の生産年齢人口の割合は62.1%となり、1992年以降、毎年低下を続けているのである。
総務省の推計によると、2060年には総人口は8674万人となり、そして2.5人に一人が65歳以上の高齢化社会を迎える。

 

この大幅な総人口の減少・生産年齢人口の減少は、これまでの組織構成のままでは企業は立ち行かなくなる、という事実を私たちに伝えている。男性だから定年まで継続して働いてくれるだろう、という安易な意識で長年作りこまれてきた組織体制においては、今後もその事業規模を維持、あるいは拡大するだけの人員を、同じ男性だけで構成していくのは、誰の目から見ても不可能である。
成長を志向するすべての企業・組織は「日本社会に閉じ込められている女性」を、その門扉を押し開け、活用していかなければ、企業の維持・存続すら難しいのである。

 

サイバーエージェントでは新たな女性支援制度「macalon(マカロン)パッケージ」を5月から導入すると発表した。女性特有の体調不良の際や、不妊治療中の女性社員が治療のための通院等を目的にそれぞれ月1回取得できる特別休暇、また妊活に興味がある社員や将来の妊娠に不安がある社員が、専門家に月1回個別にカウンセリングを受けられる制度などを含んでいる。
このようなユニークな制度がいま多くの大手企業で動きだしている。しかし多くの中小企業にとっては、このような制度構築、環境整備にはコストもマンパワーもかかり負担が大きい。だが大手のような制度が用意できなくても、中小企業でもできることがある。いやむしろまずやらなければならないことがある。

 

それはこれまでの男性中心で作り上げてきてしまった組織とそこに根付く男性社員・男性管理職の意識を変革することである。男性社員たちは、無意味な残業を無言のうちに強いたり、せっかくの制度の活用を暗に否定するという、自らが作り出す環境で女性の活用を阻害し、ひいては自社の成長と存続すら阻害してしまっていることに早く気づかなければならない。
彼らは長期的視点にたてば、本来は組織力向上や会社に新たなイノベーションを生み出すであろう可能性ある女性人材を、その近視眼的志向により自ら排除してしまい、結果会社に大きなダメージを与えているのである。
そして組織に定着してしまったマイナスの文化は、本来求められる企業カルチャーを明確にし、それを徹底して理解・共有し、浸透させていくしかその変革の術はないのである。男性社員たちの意識を変革し、男性・女性ともにその会社らしい働き方を実現させていくカルチャーを浸透させていかなければならないのである。

 

あなたの会社においても、女性活躍を阻害するカルチャーがないか、真摯に向き合っていただくことを切望している。

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