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Hot HR vol.144 – 伸びる会社の失敗に対する取り組み方

2014.03.06

#Hot HRメールマガジン バックナンバー

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◇伸びる会社の失敗に対する取り組み方
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企業理念とは、常に従業員の頭の中に入っており、選択を迫られた際や問題に面した際の判断基準となることが理想である。
今回は、理念を基にした判断によって、困難な問題を迅速に乗り越えた例をご紹介する。

 

◆最も重要な物を見極め、危機を乗り越えた例

 

ゴム・タイヤなどの製造・販売行うブリヂストン社は、世界25カ国に事業拠点を持ち、グループ全体で14万人を超える従業員を抱えている。約10兆円規模といわれるタイヤの世界市場の中で、ミシュラン、グッドイヤーなど強豪相手にトップシェアを保持しており、今年2月18日付けで発表した2013年12月期の連結決算の純利益が前年比17.7%増の2020.53億円の過去最高益となるなど、まだまだ成長し続けている。
今回、自動車用ゴム部品の価格カルテル等で罰金を支払うことになったもののチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)を立てており、今後は社外からも人員を募るなどより一層の管理をしていくようである。
このように、失敗に対する真摯な姿勢と確かな品質が、顧客からの信頼を築いているのだ。
ブリヂストンは過去にも大きな問題を乗り越えている。

 

1999年、アメリカで当時ブリヂストンの子会社のタイヤを使用していた自動車が横転し運転手が死亡するという事件が起き、同じような事故がほかにも発生していることがテレビなどで発表された。
その際に、事故車両を製造していたフォード社との間で、車両とタイヤのどちらに原因があるのかをめぐる対立が起き、世間の批判を浴びることとなってしまったのだ。

 

ブリヂストンは、責任をめぐる対立よりも顧客に対する対応を優先させ、問題がある可能性のある650万本ものタイヤの自主回収を約1年という短期間で終了した。この期間に行われた対応は、タイヤを無償で交換するとともに、他のメーカー製品に交換した顧客に対して、その費用を一部払い戻すというものであった。
また、問題となった商品を含むすべてのタイヤで無償点検を行うなど、顧客の不安を取り除くことに注力した。

 

フォード社との和解金も含め、このタイヤリコール事件では13億ドルかかったものの、それよりも事業を再開することと、消費者の信頼を守ることに専念したのだ。
2001年末、暗い状況を乗り越え、もう一度再生するための従業員への指針として、企業理念の再構築が行われた。この新しい企業理念は、創業からの社是を継承した「最高の品質で社会に貢献」をブリヂストン社全体の「使命」にし、新たにしながらも創業者の経営理念を一部継いでいるものである。理念を見直すことで、より深く浸透することを目指したのだ。

 

自主回収の影響で、2001年には株式上場以来初めての赤字となってしまったが、翌年には黒字へ回復している。
回復の裏には、品質の追求による自社商品への自信があり、責任問題での対立をつづけることによる顧客への対応の遅れは、むしろ信頼の喪失につながると考えていたのだ。
理念の追求に基づき生まれる商品への自信によって、下された選択が業績を再び上向きさせており、理念のさらなる追求は現在でも成長を支えるカギとなっている。
ブリヂストンのようなグローバル企業の例を一般として捉えることは困難かもしれないが、基本的にどのような企業においても何らかのトラブルは発生するものである。
その際に、判断基準があるかないかの違いは、決断のスピードや質に影響し、最終的に生き残ることができるかどうかの命運を握る。また、今の時代に企業を存続させていくには、常に起きている変化に対応していかなければならない。
そのために、積極的に企業理念の不動であるべき点と変化すべき点を見極め、再構築していくことが必要なのだ。

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