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Hot HR vol.116 -やる気のマネジメント

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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皆さんは、行動経済学という学問分野をご存知だろうか。
行動経済学とは、人間の心理的な側面が、経済活動にどのような影響を及ぼすかを
明らかにするためのアプローチである。従来の経済学では、人間は合理的な生き物であり、
常に自分の利得を最大化するという前提で議論が組み立てられているが、行動経済学では
人間の心理がいかに非合理的な行動を生み出すか、ということが描き出されている。

 

人材管理とは、つまるところ、人の心のマネジメントである。会社を持続的に成長させる
ため、人のやる気をどのように引き出し、人の頑張りにどのように報いていくか、
これが、人事の本質であるといえる。

 

本日は、社員のやる気のマネジメントについて、ハード・ソフトの両面から考えていきたい。

 

■仕組みによるマネジメント
社員のモチベーションを高める一番の方法は、やはり報酬である。金銭的な報酬はその中心であり、
給与テーブルや賞与の算定方法によって、社員への報い方は大きく変わる。以前、報酬管理について、
下記のチェックリストを掲載したが、覚えておいでだろうか。

 

□企業としてのメッセージを理解しているか
□メッセージはわかりやすいか
□メッセージを体現し得る制度であるか
□メッセージをわかりにくくする要因を理解しているか
□メッセージをわかりやすくするために必要な対処は明らかか
□5年後、10年後も持続可能な制度か

 

近年、トータルリワードという概念が入り、非金銭的な報酬が注目されつつあるものの、
やはり金銭での報酬体系がしっかりしていないと、非金銭的な報酬は生きてこない。
皆さんが10万円の商品券よりも、10万円の現金をもらったほうがなんとなく嬉しく感じるのと
同じである。このような「微妙な心理変化」をしっかりと捉え、社員のやる気を向上させる
マネジメントを行うことが重要なのである。

 

■コミュニケーションによるマネジメント
褒めて育てる、という言葉があるが、皆さんはどのようなときに喜びを感じるであろうか。
何かを達成したとき、欲しいものを手に入れたとき、人に感謝されたとき、などポジティブな
フィードバックが得られたときに、最も喜びを感じられるのではないだろうか。一般的に、
日本人は褒めるのが苦手といわれ、減点方式の社会と表現されることがある。しかし、
やる気のマネジメントの観点から言えば、加点と減点は「必ず両方伝える」ことが最も重要である。
そして、「加点はみんなの前で、減点は本人の前で」行うのが鉄則である。これに気をつけるだけで、
上司のフィードバックは簡単に意味のあるものに変わる。繰り返しになるが、「人の微妙な心理変化」
をうまくコントロールするのが「やる気のマネジメント」であり、これこそが会社の成長を生む大きな
原動力となることを覚えておいていただきたい。

 

本日お話しした内容は、人事ご担当の方であれば、すぐでも取り入れていけるのではないだろうか。
できるところからでよいので、「社風を変える」、「やる気を起こす」人事の実践に取り組んで
いただければと思う。

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