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Hot HR vol.129 -海外展開の課題

2013/12/18(最終更新日:2020/07/14)

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日本の中小企業の海外展開の目的は、様々な日本経済の影響から多様化し始めている。
リーマンショックによる先進国市場の落ち込み、東日本大震災によるサプライチェーンの分断、
中国の人件費の高騰で一極集中生産のリスクを感じ、グローバルでのリスク分散が必要になっている。
そんななかで、企業の海外展開の目的と展開先は多様化した。

 

中小企業白書にあるように、中小企業が海外に直接投資を開始する条件のなかに、
「進出先の法制度や商習慣の知識があること」、
「信頼できるパートナーがいること」、
「海外直接投資に詳しい人材を社内に確保していること」がある。
海外展開に際してはこういった知識を持つ「ヒト」の確保が、
中小企業にとって大きな課題の一つとなっている。

 

本日は、海外展開の際の課題である「ヒト」について触れる。

 

■優秀な人材の確保

 

日本でも海外でも同じように優秀な人材を採用し、引き留めることは、
人材の流動が激しい中で押さえなければならない企業の命題のひとつである。
特にアメリカでは
2010年発表の米国労働省の『平均転職率』では、18歳から44歳で11回,
中国では、1.5年に1社転職する、というようなデータもある程、
人材の入れ替わりは激しい。
転職の激しい市場では公平な評価、成長の機会、報酬の基準を説明・提供しないと、
優秀な人材はすぐに競合他社に目を向けてしまう。

 

では、日系企業はどうしたらよいのか?
1) 会社のミッションを明確にする
2) 事業戦略の再構築
3) 権限と責任の委譲
4) 日本人赴任者の再選定
が必要となる。

 

■法的リスクの最小化

 

海外展開をした日系企業が撤退する理由の一つに、
法的リスクを未然に最小限に抑えることができなかったことが挙げられる。
海外は日本とは違い訴訟が当たり前のように起こる。

 

アメリカの大手総合電機メーカーは、解雇を不当だとする従業員に訴訟を起こされ、
懲罰的賠償金1,000万ドルを含む1,110万ドルを支払う判決を下された。
現在これを覆そうと係争中だ。
業績評価制度の素晴らしさで知られ、秀逸な人材活用システムが世界中で
研究対象になっているというこの企業にして、これである。
どこの企業でも起こりうることなのだ。
米国の連邦裁判所に提起される雇用関係の訴訟の数は、
1990年に8,273件であったのに対し、2006年は14,353件。
これを氷山の一角として、法廷に持ち込まれない案件が数知れずあるのだろう。

 

また、中国では、中国事業の規模が拡大し、多拠点化した現在、
有効な人事制度の導入は、現地のみでは手に負えない課題となりつつある。
本社のグローバルに精通した人事部門のプロが積極的に関与し、
中国の事情を深く理解したうえで、現場と連携して総合的な施策を打っていくことが必要だ。
社内にグローバル人事の専門家がいない場合は、専門家のアウトソースが
必要となる。
中国風に味付けをした人事評価制度設計が必須となる。

 

日本では、法的なことは法務部、人事部など、
一部の部門が理解していればいいように思われがちだが、
海外では全ての管理職が理解して日々の業務に携わる必要がある。
また、ただ法律の内容を理解するだけではなく、
それらが日々の言動、人事管理の中で、どのように反映されるのかも理解をしていなければ、
気づかないうちに訴訟リスクを高める事にもなるので十分注意が必要だ。

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