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Hot HR vol.111 -グループ経営のための人事戦略

2013.12.18

#Hot HRメールマガジン バックナンバー

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5分で分かる最新人事トレンド
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近年、企業の多角経営化が進み、グループ経営に関する議論が熱を帯びている。
グループ経営といっても、人事の観点から言えば大きな違いはなく、グループ=企業体として
考えればほとんどの問題は解決する。しかし、下記に挙げた点に注意をしなければ、
思わぬしっぺ返しがあるかもしれない。

 

今日はグループ経営における人事戦略の要点について見ていきたい。

 

■全体最適vs個別最適
グループを一つの企業体として捉え、人事戦略を考えるうえで、グループ各社の自主性を
どの程度認めるかが論点となる。例えば、各社が親会社の子会社として、商品の部品の製造や
組み立てを行う場合など、グループ各社の競争を煽る必要がない場合は、グループ全体として
統一した人事制度を展開することも可能だ。しかし、例えばアパレルやインテリアのSPAで、
ブランドや商品ごとに分社化しており、各社間での競争を求める企業の場合は、
硬直的で全体的な仕組みよりも、各社ごとに人事戦略も含めた経営戦略の立案と遂行に
裁量を持たせる方がよい場合もある。一方で、各社の自主性を強めすぎると、全体最適が
可能な部分まで個別最適化され、かえってグループ全体の利益を押し下げる場合もある。
経験則で言えば、グループ内に競争原理を持ち込むかどうかが、人事戦略を考える上での重要な
ファクトになるであろう。

 

■共通人材の持ち方
グループを一つの企業体としてみた場合、ある会社に入社した社員は、状況によって他の会社に
転籍しながらマネジメントポストを目指すのがあるべき姿のように見える。しかし、グループ各社が
個々の人事制度を有している場合に、転籍時の報酬や評価のあり方を巡り、調整が難しくなる場合もある。
例えば、ある会社の事例をみてみよう。
Aさんは、グループのある会社で立て続けにヒット商品を開拓し、業績を大きく伸ばした成功体験を持っている。
今回、事業のテコ入れのため、別のグループ会社へ転籍させようと考えた。別会社は人事制度も異なり、
今の基本給は確保できるものの、多額のインセンティブについては、現時点では保証できそうにない。
ただ、Aさんならわかってくれるだろうと面談で話をしてみた。その場では特に反対意見も聞かれず、
円満な話し合いに思われたのだが。翌日、Aさんは会社に辞表を提出し、出て行ってしまった。

 

これは、グループ間の人事制度の違いによって生まれた弊害の一つである。報酬や待遇の違いによって、
転籍拒否や辞職を申し出る社員も出てくる可能性がある。一方で、特例を認めれば、以前からその会社で
順調にキャリアを築いてきた将来有望な別の社員がモチベーションを失うこともあるだろう。
グループとしての戦略を明確にしておかないと、思わぬ形で優秀な人材を失うこともあるかもしれない。

 

皆さんにとって、以上の考察が、今後の人事戦略を考える一助になれば、幸いである。

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