Hot HR vol.91-優秀な若手社員を辞めさせないために・・・
2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)
==================================================================
5分で分かる最新人事トレンド
==================================================================
最近、東京の街中ではスーツを着た学生を多く見かけるようになりました。
近年、一層厳しさを増す就職活動を経験しているのは
実は「ゆとり教育世代」なのです。
◆◆就職率80.5%で、前年同期より3.1ポイント上昇◆◆
新卒採用がやや持ち直しているもようです。円高が和らぐとともに、
株価が上昇基調に転じるなど景気に明るい兆しも見え始めたため、
厚労省は「最悪期は脱した」とみています。
◆ゆとり教育世代といってはいけない◆
近年の新入社員の特徴は、協調性が際立って高いことです。
雑誌プレジデントの調査によれば、2011年度の新入社員は、
「集団生活への取り組み姿勢は積極的」という項目が83.3%と高く、
前年度より2.7%上昇している。
弊社は年間何百回の講演を実施しているが、最近の若手社員は
やはり協調性があり、素直という印象を持つ。見た目もきちんと整えており、
自分たちがどう見られているかを強く意識しているように思う。
「空気を読む」能力も高い。
その半面、周囲に合わせる傾向が強く、主体的にチームを引っ張ろうと
いう意識に欠ける。11年度の新入社員への調査でも、
「型から外れることへの恐怖がある」という回答が60%と、
前年度より11%も高かった。
「間違えを気にせず、とにかくやってみる」も50%で、
前年度より10%ダウンしている。この背景には、
08年のリーマンショック以後の就職難が、
学生を保守的にさせている側面があると思われる。
今年の新入社員も、ほぼ同じような傾向にあると予想される。
4月に入社予定の内定者に対して行った調査によると、
3年後にどうなっていたいかという質問に対し、
1位は「会社から役に立っていると思われる存在になりたい」」
という何とも消極的な回答だった。
(ソース:雑誌プレジデント)
◆今までどおりの指導方法でいいのか!?◆
このような新人を今後どうやって指導していけばよいのか?
「これだからゆとり世代は・・・」などという表現は彼らのモチベーションを下げてしま
うので絶対に避けるべきですが、世代の違う部下とうまくやっていくためには、
その世代の特徴・傾向を理解した上でのマネジメントが必要になってきます。
若手社員に関して、以下にそのポイントをあげてみました。
「できる社員ほど早く辞める」「できない社員ほど長く居座る」
社員育成に携わる仕事をしていて、現場で実際におきていること
それが、「できる社員ほど早く辞める」「できない社員ほど長く居座る」。
一橋大学大学院商学研究科 守島基博教授は次のように述べている。
「働き手の多くは、企業にも“成果”を求める。その企業で働くことの
自分にとってのメリットが何か、その結果、どういうキャリア上の成果
が手に入れられるのか。こうした点を重視して企業選択が行われる
“逆成果主義”が働くことの前提となりつつあるのである。
(中略)なかでも新しい心理的契約のもとで重要なのが、
成長機会(チャンス、仕事)の提供である。」
できる社員が更に成長できる機会を、会社として提供できなければ、
彼らは会社を見捨てて離れていくのである。
ゆとり世代に限らず、世代によって育ってきた時代背景が違うため価値観や行動に
ズレが生じてしまうのは仕方がないことです。それを真っ向から否定するのでは
なく、会社の目標を達成するためにどのように様々な人材を最大限に生かしていく
かを考えることが大切です。
教える能力の高い人=これからの管理職
「みればわかるだろ。」ではなく、説明上手な上司になりましょう。
世代を含めた、性別、出身国などすべての違いや特性を理解し、
積極的にコミュニケーションをとっていくことで、
本当に強いチームを作る第一歩になるのではないでしょうか。