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Hot HR vol.62 パワハラ対策は万全ですか??

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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◆◆パワハラ対策はまだまだ未発達◆◆

 

仕事に関する悩み・ストレスNo.1は、職場の人間関係の問題という中で、
パワーハラスメントの存在は避けて通れません。
パワーハラスメント(以下パワハラ)は職権などのパワーを背景にして、本来の
業務のカテゴリーを超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の
働く関係を悪化させたり、雇用不安を与えたりすることを言います。
パワハラは、相談件数が近年大変増加してきている労働問題となっています。

 

中央労働災害防止協会が平成17年に上場企業に対して行った調査では、
パワハラまたはこれに類似した問題が「発生している」あるいは「発生したことが
ある」と答えた企業が40%ほどにのぼります。

 

それにもかかわらず、パワハラ防止に向けた活動を特に行っていない企業が約
30%もあるのが事実です。以下のような対策を差し置いて何も対策をしていない
企業が多いことは大変残念です。
・相談窓口の設置 約30%
・講演や研修の実施 約20%
・就業規則や社員の行動基準への導入 約20%

 

調査当時に比べ、現在は対策企業の割合は増加しているかと思いますが、
中小企業も含めれば、まだまだ対策は甘いと言えるでしょう。

 

◆◆外国から学ぶ解決へのスタンスとは◆◆

 

パワハラ対策が進んでいる米国では、解決の一環として「EAP」が注目されています。
EAPとは、Employee Assistance Program、つまりは従業員支援プログラムと言って、
臨床心理や精神衛生の専門家やカウンセラーが相談にのったり、定期的に職場の
メンタルヘルス実態調査などを行っています。この費用対効果の高さは実証されており、
Fortune誌TOP500の企業の9割以上がEAPを導入しているそうです。

 

また、日本産業カウンセラー協会によるアンケート調査によると、効果が高いと思われる
対策の上位5つは以下のようになっています。

 

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
・管理職研修を含む企業内教育 87.0%
・成果主義等の改善による職場のゆとり回復 53.9%
・従業員の仲間意識の回復 51.1%
・企業文化の在り方の是正 48.4%
・過重労働・働きすぎの是正(労働時間規制など) 45.9%
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 

研修の実施が1番効果的となっていますが、給与総額に占める研修費の割合は
米国が2.1%、中国が4.8%であるのに対して日本は1.2%と大変低いのです。

 

研修費用は不況時に企業が真っ先に削減する費用の一つではありますが、パワハラ
発生によってかかる賠償金や、職場の生産性・雰囲気が悪くなることといった損失を
考えると研修への投資は妥当であるという考えが日本ではまだあまり広まっていない
ようです。

 

◆◆研修の効果を最大限にするために◆◆

 

研修が効果的であるとはいえ、一方ではただ受けっぱなしで効果が出ているのかよくわから
ないという企業もあると思います。受講者全員が「受けてよかった」「実際に心がけて頑張って
みよう」と感じさせられるように、次の3点をおさえて研修を実施すると良い効果が期待できます。

 

○研修を実施する際の3つのポイント

 

┏┓研修で得てほしい項目や期待する水準などを明確に伝える。
┗①━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

┏┓受講後に実際に業務にどう活かすのかを数字を含めた具体的な目標に落とし込む。
┗②━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

┏┓継続して研修を行い、成果をフィードバックし公正に評価する。
┗③━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

上記ポイントを踏まえ、引き続き日常のコミュニケーションを促進するように管理をすること、
つまり、職場における日々のマネジメントこそが、重要であるといえます。

 

日本の企業には「社員を大事に育てる文化」があるといいますが、その育てる文化は新人に
対しての意味合いが強く、社会人生涯ずっと続いていくという認識が薄いように感じます。
パワハラ対策も、リスクを把握しマネジメントをしながら、部下とのコミュニケーションの在り方、
モチベーションの上げ方を考える、上司・管理職の貴重な成長の機会です。

 

人事としては、パワハラをはじめ労働環境上で起こる様々な問題の側面からも社員の育成を
計画し、時には専門家も巻き込みながら、会社としての基本体制を構築していかなければ
なりません。ストレスフリーの職場づくりをめざして、会社としてパワハラに対してどのような
体制をとるのかを話し合っていきましょう。

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