imajina

Hot HR vol.58  社員のやる気進化論「モチベーション3.0」の時代

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

==================================================================
5分で分かる最新人事トレンド
==================================================================

 

◆◆今注目すべき、やる気進化論「モチベーション3.0」◆◆
米国でベストセラーになっているダニエル・ピンク著の「Drive」が大変話題に上っています。
そもそも、【drive ドライブ】という単語は、通常の【運転する】という意味以外にも、
【駆り立てる】というような意味もあります。
つまり、何が人を突き動かすのか、動機づけるのか、という仕事における
モチベーションの源泉について新たな視点を語っているのがこの本なのです。
その内容は言い換えるとモチベーション進化論とも言えるでしょう。
今やどの会社でも重要課題となっているモチベーションは時代の変化を経て、
以下のように進化してきています。

 

【1.0】 食べていくためや寝るためといった生物的な動機

【2.0】 お金のためなど、与えられた動機

【3.0】 わくわく感や、「世界を変えたい」、「社会貢献したい」といった自発的動機

 

まずは安定した生活をするためということを大前提に仕事をしていましたが
やがてより多くの報酬をもらうために、成果主義に則って働くようになりました。
しかし、働くモチベーションを維持するにはお金だけでは解決できなくなっているのが
現状です。景気の波によって報酬が下がればやる気をなくしてしまい、金銭による
成果主義は自由な発想を妨げて仕事に創造性がなくなり成長が鈍化してしまいます。
そこで、お金よりも心を突き動かす、仕事へのワクワク感や貪欲な自己成長意識、
社会に貢献しようという責任感などの内発的な動機が最も重要になってくるとピンク氏
は言い、「モチベーション 3.0」と題したのです。

 

◆◆日本の未来をも握っている…◆◆

 

…このままだと日本はどうなってしまうのだろう?
募る政治への不安感や、進む経済の衰退によりどんどん自信がなくなっていく日本が
ここにあります。また、「仕事」という概念にはネガティブなイメージがつきものです。
実際に、社員の会社への愛着心を表すエンゲージメントスコアは極めて低く、
自殺率も先進国の中では1位となるくらい日本人の仕事に対する意識は残念ながら
あまり高くないようです。

 

そんな暗い日本を元気にしようと努力する企業の経営者たちの殆どが、
いかにして社員一人ひとりのモチベーションを上げ、会社の成長につなげるかを大きな
課題としています。そのような中でモチベーション3.0を実現できている企業は、
実際の業績も素晴らしく、社員がいきいきと働いている姿を想像できます。

 

◆◆「モチベーション3.0」企業の特徴とは◆◆

 

では、モチベーション3.0を実現できている企業にはどのような特徴があるのでしょうか。
今回は誰もが認める世界企業をみてみましょう。

 

┏┓ Apple, Inc.
┗■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
iPhoneやiPadなど、各産業に革新を起こし続けるアップル社は、ミッションを
明文化しているわけではありませんが、市場に送り出す製品そのものが
「世界を変えたい」「社会を驚かせたい」という心を明快に表現しています。
規律は厳しいようですが、スタッフは自律的にスケジュール管理などを行うことが
でき、創造性を生みだしやすい仕事環境や機会を与えています。

 

┏┓ Google
┗■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
情報社会に常に革命を起こし続けるグーグル社には、「世界中の情報を整理し、
世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という明確なビジョンがあります。
また、「10の事実」というグーグルならではの価値観が社員に浸透しており、高い
スキルとモチベーションが掛け合わさって良いチームをつくりあげています。
面白いのは「20%ルール」で、勤務時間の20%は自分の興味や好きなことに費やして
よいことになっており、この時間でのひらめきによって破壊的なイノベーションが
起きることが多いそうです。
キャリアパスも柔軟で、常にベストをつくり革新を起こすことに余念がありません。

 

◆◆月曜の朝を楽しくする、モチベーション3.0の実践を◆◆

 

以上をみると、ビジョンやミッションが会社と個々人を強く結び、仕事のスタイルは個々人が進め
やすく、創造性も生産性も高められるようなものになっていることがわかります。
こうしたことが社員一人ひとりのやる気を起こし、会社嫌いやストレスから脱却して、よりよい
企業風土をつくっていくはずです。

 

企業が取り組むべきことを端的にいうと以下のようにまとめられます。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
○ 会社と社員を結ぶミッション、経営方針の確立
○ 社長のフィロソフィーや会社の色がよく反映された人事制度の設計
○ やりがいや成長意識を高めるお金以外の報奨方法の考案
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 

企業の命運を分ける付加価値の高い製品を生み出すために、社員のモチベーション向上は
今後必要不可欠です。社員一人ひとりが仕事に楽しんで取り組むことができれば、そこから
生まれる差は大きくなることでしょう。「人」が経営に与える影響ははかり知れません。

 

多くの社員が、早く金曜日が来て1週間が終わればいいのにとひたすら思う会社よりも
月曜が来てワクワクするような社員が多い会社のほうが絶対に伸びます。
いわゆる「Thank God, It’s Friday!やったぁ今日は金曜日!」
(頭文字をとってTGIF)の考え方ではなく、
「Thank God, It’s Monday!やったあ今日は月曜日だ!」というTGIMの考え方を
浸透させること。

 

それが、今回注目した「モチベーション3.0」を大きく意味しているのではないでしょうか。

 メルマガ会員募集  メルマガ会員募集

無料ブランディングセミナー

いま最も多くの経営者に読まれている本を10分で解決! いま最も多くの経営者に読まれている本を10分で解決!

閉じる