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Hot HR vol.53-変わる、企業の残業事情

2013.12.18

#Hot HRメールマガジン バックナンバー

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5分で分かる最新人事トレンド
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◆◆残業大国ニッポン◆◆

 

日本では29.3%もの雇用者が週に49時間以上働いています。
アメリカ18.1%、イギリス25.7%、フランス14.7%、フィンランド9.7%…
驚くべきは韓国の49.5%ですが、日本の労働時間の長さはとても高い水準と
いえます。(2007年ILO「Working time around the world」による)

 

たくさん働いているにも関わらず、日本人の平均年収は年々減少しています。
残業代不払いにより、労働基準監督署から是正指導を受けた企業は2009年度で
1553社となり、前年比28%減。2003年からずっと企業数が増えていましたが、
減少したということは、各企業の残業への意識が高まっている証拠ではないで
しょうか。

 

◆今年、一気に増加する!?残業代◆

 

その問題意識の流れもあり、長時間労働を改善するために今年4月より
労働基準法が一部改正されます。そのポイントは以下の通りです。

 

┏【1】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃雇用者は限度時間(週40時間、1日8時間)を越える時間外労働に対する
┃割増賃金率(2割5分以上)を定めなければならない
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【2】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃月に60時間を超える法廷時間外労働に対して、50%以上の率で計算した
┃割増賃金を支払わなければならない
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏【3】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃引き上げ分の割増賃金の代わりに有給の休暇を付与する制度(代替休暇)
┃を設けることができる
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

つまり、長時間労働をさせればさせるほど膨大な人件費がかかったり、
代替休暇を用意する必要性が出てきたりするようになるのです。
この不況下でコスト削減が肝となっている企業において、今回の改正法は
かなりの負荷となるといえます。

 

※【2】、【3】の法律に関して中小企業は当分の間、適用が猶予され、
法の施行3年後に再度検討することとされています。しかし、企業としては
今から準備を始めておかなければ間に合いません。
猶予される中小企業に該当するかは「資本金の額・出資総額」と「労働者数」
によって決められています。
詳しくはこちらをご参照下さい。(厚生労働省トピックス)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/091214-1.pdf

 

◆残業代、どうなっている?◆

 

このように、残業や長時間労働に対して人事でもう一度見直すべき時が
来ているのです。ここで少しチェックしてみましょう。

 

———————————————————————-
・どの職種の人も全員同じ額の残業手当になっている
・営業手当が支給されると、残業代込みとみなされ、いくら残業しても
残業代がつかない
・給与明細に固定残業手当の項目がない
・就業規則(給与規定)に固定残業手当の規定がない
・給与(基本給)に残業代込みとされており、残業代がつかない
———————————————————————-

 

あてはまる項目があれば、社員から訴訟を起こされた場合、企業にとって
想定外の出費が予想されます。たとえば、ある銀行で雇用者約3200人に
総額12億円にもなる未払い残業代を支払ったという事例もあります。

 

しかし、どうしても残業をしなければならないので社員に我慢してサービス
残業をしてもらうこともあるかと思います。そういう時にリスクヘッジする
ポイントがこちらです。

 

①基本給の一部を固定残業手当とします。(給与額はそのまま)

 

╋━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━╋
基本給    ★固定残業手当★

 

②給与明細を変更し、設計時間分の残業代が含まれていることを明確にします。

 

────────────────────
│基本給 │ │ \\\
────────────────────
│固定残業手当 │ │ \\
────────────────────

 

こうすることで、法的に問題のない給与体系にすることができるのです。
社員に内訳を書面で説明できているかが大切なのです。

 

◆個人の努力だけでなく、企業がイニシアチブを◆

 

もうじき改正労働法も施行となり、残業に対する改善意識をますます高めてい
かなければなりません。長時間労働が収益につながるという方程式は、もはや
通用しません。各企業においても「残業の美徳」が薄れてきているようです。
これからは、時間よりも効率に着目し、人事としては社員が定時の中で高い
生産性を発揮できる環境や制度を整えていく必要があります。

 

現在の不況によって人員削減が進み、残った一人ひとりの社員にこれまで以上
の仕事量が配分されている状態になっていると思います。しかし、各人がやる
べきことを明確にし、社員の士気があがるようモチベーション管理をうまく
行って人員削減後に業績アップしたという企業も少なくありません。

 

これからは、一人ひとりの削減努力だけに任せるのではなく、企業全体として
組織・人員構成、時間配分、制度等を見直し、最善な仕事環境へ変えていくこと
が求められます。給与も仕事への大きなモチベーションの一つであるため、
残業代はじめ報酬管理にも細心を払うのはもちろんです。

 

社会経済生産性本部の調査(2007年)によると、日本の労働生産性はOECD加盟
30カ国の中で20番目で、先進国としてはとても低い水準であると指摘されてい
ます。

 

つまり、まだまだ改善の余地があるということです。

 

今後の競争で生き残っていくためにも、生産性の向上は急務です。
社員の心身的負担を減らし、企業の金銭的負担を減らし、
一生懸命かつスマートに頑張れる仕事環境をつくっていきましょう。

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