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Hot HR vol.49-不況下で試される人事の対応とは

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

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5分で分かる最新人事トレンド
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◆◆あと3年は需要不足!?◆◆

 

円高、デフレ、ドバイショック…
昨年から続く世界同時不況は更に日本企業に圧力をかけてきています。
日本の需給ギャップは、マイナス6.7%。(2009年7月-9月 内閣府)
この需要不足が回復するにはあと3年はかかると言われています。

 

バブル崩壊後の不況を日本企業はどう乗り越えてきたか。
いわゆる「失われた10年」を振り返ると、そこには欧米を習った
「成果主義」の導入による人件費削減があげられます。
コストを下げて、なんとか利益を確保しようと進められたのです。

 

◆「成果主義」の失敗の真相◆

 

しかしその成果主義は、ここにきて導入した企業の約7割の会社員が
「失敗だった」と嘆いています。日経ビジネスによる今年4月に実施
したアンケートでは、成果主義の成否に関して68.5%が失敗だった
と回答しているのです。

>>同調査による、成果主義への無理やりな移行によって発生した弊害

1位:成果が明確に数字で表せない職種は評価の妥当性を欠く
2位:目標設定が短く、長期的な仕事に取り組みにくい
3位:個人の実績が重視され、チームワークが悪化した
4位:部下や新人の指導育成がおろそかになった

 

「成果主義」は果たして本当に悪影響な制度なのでしょうか。
おそらくこれらの弊害につながってしまったのは、人事制度の曖昧さが
原因していると考えられます。

 

◆勘違いが逆効果になっていた!◆

 

成果主義の導入に失敗した理由に、以下のことが考えられます。

 

・各人の仕事内容が明確でない
多くの日本企業では職務や仕事内容が曖昧で、何が評価軸になるのか
がはっきり決められていません。仕事を分担するワークシェアリング
が日本で定着しにくいと言われるのも職務が明確にされていないから
だと言えます。成果主義が機能している欧米では職務記述書(ジョブ
・ディスクリプション)が導入されていることが通常です。

 

・評価項目が数値だけに限定されている
営業職であれば数字も評価軸となりますが、果たしてそれだけで従業
員の日頃の努力を測れるでしょうか。成果主義というと結果ばかりが
重視される印象がありますが、仕事のプロセスやチームへの貢献など
周りの人の視点からみた項目も立派な評価軸なのです。従業員に公平
な評価項目を組み立てることが前提となります。

 

・導入目的が主にコスト削減
バブル崩壊後の成果主義の導入には、「業績が苦しいため、とにかく
合法的に人件費を下げたい」「グローバル化が進むからとにかく欧米
の制度に合わせてみよう」といった目的が多かったと思います。あま
りポジティブな状態で導入されていない印象があります。もっと従業
員のやる気を高めよう、みんなで会社の目標に向けて協力して頑張ろう
という意識が足りなかったのではないでしょうか。

 

◆では、何から始められるか?◆

 

人事として、不況下の企業経営を支えるためにできることがあります。

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
1)何に対して評価するのかをもう一度振り返ってみる
会社の目的・目標に合わせた評価制度になっているか
どうかを見直しましょう。数字だけでなく、会社として
何を大事にしたいか、価値観が大いに現れる部分です。
決定後は会社全体に知らしめることが重要となります。

 

2)管理職の教育
日々の業務だけでなく、部下や新人の育成にも優秀な
管理職がいれば会社は芯から強くなるはずです。会社の
成長の原動力となる人材が空洞化しないよう、管理職の
意識向上につながる最善の手法を考えてみましょう。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 

不況時は、会社の内部を見直すチャンスです。
従業員が率直に日頃から感じていることを理解し、景気回復時には最良の状態
で事業に臨めるよう従業員間の連携や人事制度などの社内環境を整備していき
ましょう。

 

ちょうど今が日本企業の転換期。人事も試されている時ではないでしょうか?

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