imajina

Hot HR vol.25-タレントマネジメントと人事管理システム ②

2013/12/18(最終更新日:2021/11/12)

==================================================================
5分で分かる最新人事トレンド
==================================================================
<タレントマネジメントと人事管理システム 2>

 

IBMによる「The Global Human Capital Study2008」には、人事データの
活用について以下のような調査結果が記載されています。
「世界の他の地域の企業に比べ、日本企業は、人財の分析や評価指標を
使用することに重点を置いていない。また日本企業は、簡単にデータ・情
報を分析するためのツールを導入することが少なく(世界全体で55%に対
して、日本は32%)、ダッシュボード(必要な数値や情報を一元表示する
画面)の開発もあまり多くはない(世界全体で39%に対して、日本は19%)。
そのため日本企業は採用、配置、育成の意思決定に定量データを役立てる
ことは難しいと考えている」。
このことは日本企業の人事マネジメントが、グローバルスタンダードと比
較し、遅れをとっていることを示唆しています。

 

◆人財分析の必要性◆

 

経営戦略を実現するためには、人事部による現場のサポートが欠かせませ
ん。人事部門と各部門との密な連携のためには、日々のコミュニケーショ
ンだけではなく、社員に関する事実に基づく人事データを共有している必
要があります。しかし現実には、そのような仕組みがなかったり、部門ご
とに異なるシステムを利用しているため、同じ人事データを共有できてい
ないケースが多々あります。

 

その結果、ビジネスにおける意思決定が遅れたり、場合によっては、事実
に基づかない誤った判断をしてしまうこともあるのです。
本来は、新たな価値を生み出す“人”をいかに適切にマネジメントするか
ということにフォーカスすべきですが、日本企業においては人事管理シス
テムの重要性は認識されてきませんでした。

 

◆人事管理システムの導入メリット◆

 

前述の通り、日本企業においては人事情報を一元管理するためのツールを
導入しているケースはまだ少ないのが現状です。
しかし、今後はタレントマネジメントだけではなく、内部統制の観点から
も人事管理システムを導入することが必要になるでしょう。

 

人事管理システムの導入メリットとしては下記が挙げられます。

 

1. データの一元管理/分析
社員個人情報や職務内容、評価結果、勤怠情報、報酬データ、
組織体制などの各種人事データを一元管理し、経営層、人事担当
者、部門責任者、社員が適切な情報に即座にアクセスすることが
できる。

 

2. リスク管理
社員による企業に対する訴訟や内部統制/コンプライアンスなど
の対策において、人事プロセスを明確化し、関連情報を適切に収
集/保管することができる。

 

3. 人材育成/リテンション
社員の評価記録/結果、本人のコメント/キャリアプランなどと事
業戦略をすり合わせ、適切な研修プログラムやリテンションのた
めの施策を計画/実行することができる。

 

4. 生産性/モチベーションの向上
社員は自らの職務内容/責任や組織目標に通じた個人目標を認識
することで、生産性やモチベーションにつながる。

 

5. 業績向上
上記1~4により、結果として、組織の業績が向上する。

 

人事管理システムは企業と社員を結ぶ“コミュニケーションツール”であ
り、組織と社員の方向性を一致させ、共に成長を図るための手段なのです。

 

◆まとめ◆

 

最大の無形資産である“人”の価値を、職務、スキル、生産性などのデー
タに基づきに測定し、それを最大限に活かす組織作りが求められています。
国際的なIT業界における市場調査およびコンサルティング会社であるIDC
によるレポート(Worldwide Human Capital Management 2007 Top 10
Predictions)にも「実際、将来的にビジネスでは、データと事実に基づ
いた有用な人財の雇用、給与、報酬を考える必要性が出てくるだろう」と
いう予想があります。

 

市場経済が非常に厳しい今だからこそ、社員一人ひとりの力が問われる状
況になっています。どんな時代にも勝ち残れる組織を目指すためにも、社
員を活かすための人事/制度を構築することをお勧めします。

 メルマガ会員募集  メルマガ会員募集

無料ブランディングセミナー

いま最も多くの経営者に読まれている本を10分で解決! いま最も多くの経営者に読まれている本を10分で解決!

閉じる