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Hot HR vol.23 – 正しい解雇の方法とは?

2013.12.18

#Hot HRメールマガジン バックナンバー

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5分で分かる最新人事トレンド
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総務省が9月30日に発表した「労働力調査」(速報)によると、2008年8月の
完全失業率(季節調整値)は4.2%で、前月に比べ0.2ポイントの上昇と
なりました。この日本の統計値には「すぐに仕事につけない人や仕事をし
たいとは思っていても実際に仕事を探していない人」は失業者には含まれ
ていないため、実際の数値はより高くなります。
米国においても、同時期の雇用統計(季節調整値)によると失業率は
約5年ぶりの高水準となる6.1%にとなり、非農業部門の就業者数も前月比
8万4000人減と8か月連続で減少しています。

 

◆日米における雇用関係の終了の違い◆

 

日本において、不況時に従業員を解雇するというケースが米国に比べて極
端に少ないのは、「企業が従業員の生活を守る」というカルチャーが根付
いているためです。一方米国では、市場の状況や会社の経営状態が悪化す
ると、即座に従業員の解雇が決断される傾向があります。これは米国にお
けるほとんどの州で、基本的に「Employment at will(任意雇用)」に
基づいた雇用関係であるためです。
「任意雇用」とは従業員はいつでも会社を辞めることができ、また会社側
もいつでも従業員との雇用関係を終了させることができるという関係性を
意味します。

 

しかし、そんな米国や諸外国においても、解雇やリストラクチャリングは
最後の経営手段です。その最後の手段をいかに正しく、かつスムーズに実
行できるかでその企業の将来が左右されます。つまり、企業は「いかに正
しい解雇を行うか」ということに時間とお金をかけて、事前調査を行い、
プロセスを実行しているのです。

 

◆日本における解雇の現状◆

 

現在の日本においては、社員の業績不振による解雇が行われることは異例
です。その原因の一つには、会社側が社員を解雇する場合に必要な“合理
的な理由”を証明するための証拠を十分に揃えていないということが挙げ
られます。また、日本企業は終身雇用が前提であったため、退職してもら
いたい人に対して、希望退職を募ったり、窓際へ追いやるといった対応が
とられてきました。

 

しかし、今後は日本でも解雇やリストラクチャリングが避けられなくなり、
指名解雇をしなければならない事態に直面することになるでしょう。
米国でも80年代まではリストラ、解雇は珍しいことでしたが、大幅なリス
トラクチャリングを経て現在の姿になっています。

 

◆安全に解雇を行う際のポイント◆

 

米国では雇用問題で訴訟が起こった場合、67%の確率で会社が敗訴します。
全ては、記録が残っていないこと、残っていたとしても記録の不備などが
あり非常に弱い証拠であることが原因です。日本においても来年2009年5月
に、裁判員制度が導入されることを考えると、誰が見ても明確で分かりやす
い証拠を残すことが必要不可欠です。以下は安全に解雇を行う際のポイント
です。

 

<ポイント1:事実を証明する書類があるか>

 

• 会社の組織変更や業績悪化を示す書類
• 従業員の業績評価記録、出勤記録、規則違反などについての警告書や
警告の記録
• 2年以内に改定されている就業規則と社員の受取証の直筆サイン
• 解雇対象ポジションのジョブディスクリプションなど

 

<ポイント2:会社の方針に従った解雇か>

 

• 就業規則などに解雇に関する記載があれば、その方針に従っているか
• 過去の事例と矛盾がないかどうか

 

<ポイント3:解雇に至るまでに適切な手段をとってきたか>

 

• 従業員が自分の職務内容を十分理解していたかどうか
• 業績や行動を改めるための十分なフィードバックや研修の機会が
従業員に与えられていたか
• 従業員の降格や異動を検討してみたかどうか

 

◆人事リスクマネジメントの重要性◆

 

上記の書類を適切に記録/保管すると共に、リスクを避けるためには解雇
をする前に「その解雇は本当に必要であるか」を、慎重に考える必要があ
ります。社員との十分なコミュニケーション、研修や社内の人事異動など、
解雇以外の方法で問題を改善する方法を検討することをお勧めします。

 

経費削減のための解雇のはずが逆に、訴訟などによって多額なコストの負
担や時間のロスを招いてしまうケースがあります。十分に検討した結果、
どうしてもその解雇が必要だと判断した場合は、訴訟を回避する実践的な
方法でリスクの少ない解雇となるよう、誠実かつ公正に、そして正しい
手続きを踏むことが重要です。

 

近年、日本企業においても不当解雇、残業代や退職金の未払い、就業規則
の不備などを理由として従業員が会社を訴えるケースが増加しています。
今後は、外国人労働者も増加することが予測されるため、企業はますます
人事マネジメントにおけるリスク管理を行う必要があります。問題が発生
する前にまずは自社の人事体制を整備されてはいかがでしょうか。

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