imajina

  • トップ
  • 記事
  • 【号外】アウターブランディング成功事例セミナー・レポート(企業理念浸透が組織活性化と事業成長へと導く)

【号外】アウターブランディング成功事例セミナー・レポート(企業理念浸透が組織活性化と事業成長へと導く)

2015.03.23

#イマジナ・ブランディングニュース

春の穏やかな陽が注ぐ3月17日、株式会社良品計画の松井忠三会長をお招きしての「アウターブランディング成功事例」をダイヤモンド社様と共催し、多岐に渡る業種の企業経営者様中心に約100名の方にご参加いただきました。
今回は松井会長をパネラーに、弊社代表奥山のファシリテートで、良品計画の海外展開におけるアウターブランディングについて赤裸々に語って頂けました。
セミナーの後半は、ご参加者からのご質問にお答え頂く形式で、各企業様が抱える海外戦略上の課題などに対して、松井会長の知見をご披露頂きました。

 

現在海外25カ国に300店舗以上を展開、確固たるグローバルブランドを確立しているMUJIも、過去には一度アジア撤退を迫られるなどの試練も経験されておられます。そうして構築されたMUJIならではの海外展開における「仕組み」について、示唆に富むお話しを伺えました。

 

今回は、その内容を一部レポートにまとめてお伝えいたします。

特定の個人の能力に依存せずにグローバル人材を育て、組織の全体最適に繋げる組織人事政策

グローバルで事業成長を達成するためには、「部分最適」を超える「全体最適」の視点が組織人事政策には必須である。例えば本社で経験を積んだ優秀な社員をそのままの所属部署で貢献させるような「部分最適」の政策運用では、短期では成果が上がっているように見えるが(実際大半の上司は囲いたがるが)、本人が海外駐在への素質を備えていればしっかりと海外駐在の機会を与え、本人の成長と会社への長期的貢献を達成させるほうが、より大きな付加価値を生み出すはずである。組織人事政策にはこのような「全体最適」の視点が必須である。
また人事評価基準には、<潜在能力>と<パフォーマンス>の2軸マトリックスから成る独自の「5つのボックス」を採用している。現在の<パフォーマンス>だけでなく、本人が本来持っている<潜在能力>も可視化することで、定期的評価見直しをしながら、「全体最適」に向けた適材適所の実現に活用できるのである。
これら人事評価・人材育成を標準化し、誰が組織のトップなのかに関わらずに、継続性を確保できるようにしている。
MUJIでも、拠点を管理する駐在員の選抜においては当初、帰国子女など現地語力を優先的要素に置いていたが、やはりリーダーとしての素質や経験の重要度を再認識し方針を転換し、現在の成果となっている。

海外展開に適した事業戦略の構築

まず、海外では国内の常識が通用しないことを理解し現地の慣習に倣う。さらに現地の商慣行に縛られず独自の工夫を凝らさなければならない。
リテール事業の宿命で、競争力の高い出店ローケションを求めると、テナント料負担が増す。特に海外の主要都市の家賃は想像以上に高く、普通に借りたのでは採算に乗らない。実際、香港出店では好調な売上にも関わらず利益が出なかった。そこで家主に直談判し直接交渉を行い、物件を必ず競合させるなどの対策を行い、店舗黒字化を実現した。
モール出店の際にはその判断材料として、モール規模などと共に、他の出店ブランドの顔ぶれも重要と考えている。例えば、ZARA、H&M、UNIQLOは競合関係でもある一方、集客への相乗効果が見込める。
海外では特にスピード感のある黒字化で、良い循環を創出することが重要である。

MUJIブランドコンセプトの浸透への工夫

MUJIは製品やサービスの品質では妥協をしない。
その浸透に重要な役割を果たしているのが「MUJIGRAM」によるトレーニングであり、社風を学ぶ場にもなっている。
新規の国・地域への進出の際は充分に時間と資源を費やし、ブランド浸透と出店スピードをシンクロさせることが重要である。MUJIでは年間に2カ国までが限界と考えている。

高い競争力の源泉となるオペレーション標準化の要、「MUJIGRAM」

文化、慣習の異なる各国の店舗運営では、いかにMUJI品質を確保するかは極めて重要な戦略ターゲットであり、そのための標準化は必須である。「MUJIGRAM」はその根幹と位置付けている。
「MUJIGRAM」はいわゆる販売オペレーションマニュアルであるが、単純なマニュアルではない。売り場のディスプレイから接客、発注まで、店舗運営に関するすべてのやり方をまとめたもので、「売り場づくり」や「レジ業務・経理」など業務ごとに13冊に分かれ、全てを併せた総ページ数は2000ページほどになる。そして絶えず更新されていく仕組みであり、店舗から毎日のように挙がってくる要望を基に毎月更新している。その要望数は年間で4000~5000件にも上る。そして「MUJIGRAM」は、この「MUJIGRAM」を用いたトレーニングのマニュアルや、売場に立つ前の良品計画としての考え方や文化を伝える冊子もある。また国際標準とする一方で、各国版を作成しローカル化も進めており、まさにMUJIブランドのサービス品質を浸透させる競争力の源泉となっているのである。

みなさま、如何だったでしょうか。こちらにご紹介できたのはセミナーでのお話のほんの一部ですが、皆様のグローバル・ブランディング戦略での何かしらのヒントとなれば幸いです。

 

今回ご説明いただいた「MUJIGRAM」は、『売場に立つ前に』というMUJIブランドの基本的な考え方から冊子がスタートされていました。オペレーションを現場に落とし込む際には、企業の根幹となる考え方、“想い”という文化・社風とともに伝えるからこそ、MUJI品質が伝わっていく。それは多様な価値観が存在する海外市場ではより重要であることを学ぶことができたと思います。「人」に徹底的にこだわり、限られた<トップスター>ではなく、すべての<普通の人>がMUJI品質を徹底できる仕組みを作り上げる。まさに「人がブランドをつくる」を体現する、MUJIブランドの強さとブランディングの秘訣を垣間見ることができたのではないでしょうか。

 

アンケートに「大変参考になりました」という声を多数頂戴し、終了後にも多くの方からご質問頂くなど、海外展開に向けたアウターブランディング構築への関心の高さを改めて認識するセミナーとなりました。

 

ご来場くださった皆さま、誠にありがとうございました。
イマジナでは今後も、企業さまの海外展開力やブランドの向上など、事業成長に向けたアイデアの創出機会をご提供していきます。

 メルマガ会員募集  メルマガ会員募集

無料ブランディングセミナー